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by ruhiginoue

高3女生徒の単位問題は妊娠ではなく持久走

 京都にある高校が、妊娠中の高3女子生徒に体育の授業を要求し、持久走などを含めた課題をこなさないと体育の単位を認定できないので休学して出産するように指導したことで問題になった。その女生徒は通信制に転学をする可能性が高いようだ。

 これが報道されると、傷病と違い勝手に妊娠したとか言う奴がでそうだと思っていたら実際にでたし、そう学校の教師も思ったから冷酷な対応になったはずだ。
 しかし、タイミングを早まってしまったが基本的にはオメデタである。なのに支援しようという発想がなぜ出来ないのか。
 実際、『高等学校学習指導要領解説』には、「障害のある生徒などについては、各教科・科目等の選択、その内容の取扱いなどについて必要な配慮を行う」と書いてあるから、妊娠については触れられていなくても「障害のある生徒など」は「様々な身体的事情」と解釈できるので、傷病や妊娠もそのうちであるとするか、あるいは、全日制だと妊娠は予定していないから規定はあくまで障害や傷病に関してのことだとしても、それを援用するということにしたら済むことだ。

 にもかかわらず、身体的事情を抱えた生徒に持久走などを要求するというのは嫌がらせや虐めのようであり、だから問題になった。仮に持久走が出来ないのは妊娠した女性だけなら、体育で持久走をすることがある高校生のうちに妊娠をしたことを問題であると考えることも可能だが、持久走が出来ないのは妊娠の他にも障害と怪我と病気の場合がある。
 そして、配慮すべきと具体的に規定されている障害と傷病の場合でさえ、「持久走ができなければ体育の単位をやれないから卒業できないぞ」という嫌がらせや虐めが行われてきた。
 
 自分が高校のころ、同級生に安倍総理の持病と同じ人がいて、三年の最後に悪化してしばらく入院したら、出席日数や筆記試験はいいがマラソン大会に出ていないので体育の単位がやれないと意地悪した教師がいた。
 また、単位ではない中学の時、心臓に持病があるためハンデを克服しようと成績優秀の人がいて、将来に生かしたいと特に英語に力を入れて弁論大会にも出場したほどだがマラソン大会には出られないと言ったら学年主任の教師が「いくら成績が良くても根性がない奴は使い物にならない」と全校生徒の前で罵倒した。命にかかわる病気に「根性」とは昭和臭い無責任な精神論だ。

 このようなことが後々もずっと続いて、今ではだいぶ減ってはいるようだが、まだ無くなってはいないそうだ。そして、やはり持久走というのは拷問の感覚がつきまとっていて、だから事情ある人への嫌がらせや虐めとして利用されているわけだ。生理でつらいという女生徒に持久走を無理強いするのはむしろ女性の教師だったりもする。
 
 なので、今回の騒動も問題の本質は妊娠ではなく持久走の方だというべきだ。


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by ruhiginoue | 2016-06-16 12:46 | 社会