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by ruhiginoue

国民投票と大英帝国の民度

 ブリテンの半分くらいを占めるスコットランドは、もともと英語を話していなかった。後からイングランドに飲み込まれるようにされた歴史だ。
 これに反発する人たちがいて、ジェームズ ボンドはスコットランド訛りをわざと話すが、それは演じるショーン コネリーが意識してのことで、彼は世界的に知られる大スターなのに、どうしてビートルズやアレック ギネスのように勲章をもらえないのかというと、スコットランドの民族主義運動に熱心だったからだとささやかれていた。
 そう思われていてはまずいと英国政府も思ったのか叙勲ということになり、するとショーン コネリーはエリザベス女王の前にスコットランドの民族衣装を着て行ったのだった。
 また、国歌斉唱でゴットセーブザクイーンを唄わないサッカー選手もいて、スコットランドの出身者としては、女王陛下とはあくまでイングランドのクイーンだというわけだ。

 あとはアイルランド統一の問題がある。ブリテンに近い北アイルランドは連合王国に属しているが、アイルランドはアイルランドに属するべきという主張も根強い。
 かつてはアイルランド共和国軍(IRA)と名乗る過激派組織が、今のイスラム国やアルカイダより目立っていて、爆弾テロ事件でサッチャー首相が危ない目に遭ってもいた。

 しかしEUでみんな一緒となることで落ち着いていた。それなのに離脱で再燃という次第で、ソ連崩壊の次は連合王国(UK)崩壊かもしれず、ところが投票率7割を超えた国民投票で、実は多くの英国民が「離脱」の意味を理解せぬまま投票していたようだという問題になっている。

 英国は日本と違って民度が高いと誤解している人たちがいる。しかし、フランスでは、ちょっとインテリになるともう「国営放送を真に受けるのはバカ」と言うけど、イギリスでは、ちょうど日本の田舎者がNHKを信奉するみたいに「国営放送だから」と盲信し、よほど左寄りの一部の人が「BBC視聴登録ボイコットしよう」と呼びかけているのが実態だ。

 また『ガーディアン』や『タイムズ』といったクオリティ紙はごく一部の知識階級が読み、圧倒的多数の庶民は『サン』や『スター』など発行数百万部を誇るゴシップ紙を読むという国だ。 日本だったら、朝日新聞より東京スポーツが何倍も売れているというようなものだ。ガーディアンやタイムズや朝日新聞といったクオリティー紙が無条件に良いとは言えないが、英国の民度はたかが知れていて、そこで国民投票しても結果はその程度ということだ。


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by ruhiginoue | 2016-06-28 12:33 | 国際