コメントの他に、表示されている著書をクリックしてその感想をアマゾンのレビューに投稿してくださることも歓迎です。おたよりはこちらへruhiginoue@excite.co.jp


by ruhiginoue

まるで良い思い出がないマイケル チミノ監督の死去

 イランの名監督アッバス キアロスタミが死去したとのこと。『ともだちのうちはどこ』や『黄桃の味』が印象的であった。

 その前にも有名な映画監督の訃報があった。ベトナム戦争の傷痕を見事に描いた「アメリカ人の自己憐憫映画」でアカデミー賞のマイケル チミノ。

 良かったのは音楽だけとも言われる映画『ディアハンター』で、最初ジョンウイリアムズとは『スターウォーズ』の作曲家だと勘違いして「ギターひくのか」と言われたが、アメリカの作曲家ではなくオーストラリアのギタリストで、反核運動にも熱心だった。

 そのマイケル チミノ監督『ディアハンター』はアカデミー賞作品だからと少年時代に池袋の映画館で観たが、一緒の同級生は長ったらしくて寝てしまったから内容を覚えていないと言っていた。たしかに三時間もの長尺にしては中身は薄かった。
 そして、居眠りはしなったが、ベトナムが悪者でアメリカは被害者となっていたから呆れてしまった。後に本多勝一や淀川長治が同じ指摘をし、アメリカでも批判があり、スタンリー キューブリックもロシアンルーレットなんてと言ったので安堵したものだ。

 ところが、朝日新聞の記者がツイートで訃報に対して好きな監督だと述べていたから、やはり朝日も堕ちたものだとさらに確信した。
 だいたい、『ディアハンター』は、アメリカ軍がやっていた住民虐殺をそこにいるわけがない北ベトナム兵がやっていて、それをアメリカ兵が退治する場面があるなどしているからアメリカでも批判があったし、朝日新聞の本多勝一編集委員も指摘していた。これは『殺す側の論理』(朝日文庫)に収録されている。
 また 淀川長治も、ベトナム人ばかり悪く描いているなどからその年のベストテンに入れなかったと述べていた。

 そしてマイケル チミノは『ディアハンター』の成功のあと『天国の門』で大失敗し、再起不能かと思われたが『イヤー オブ ザ ドラゴン』で起死回生となった。ミッキー ロークとジョン ローンはカッコよかったけど、それくらいの映画だった。
 このときマイケル チミノはオリバー ストーンに『プラトーン』に協力するとの条件で脚本執筆を依頼しておいて約束を破ったからストーンは怒っていた。危険のある場所に取材に行かないと書けない内容だったからだ。
 
 ということで、マイケル チミノには良い記憶がないのだった。

人気ブログランキングへ1日1クリック投票をお願いします
[PR]
by ruhiginoue | 2016-07-05 16:20 | 映画 | Comments(0)