NHKの特集と極貧の日本
2016年 08月 22日
NHKが、経済的事情のため進学ができないという女子高生を特集したところ、ネットでは「ワンピースに散財している」「二万円もする高価なペンを持っている」「貧困の捏造だ」など批判が続出し、ここへ例の国会議員まで口を出している。
この女子高生はアルバイトで家計を支える母親と二人暮らしでクーラーもない。そもそも、このNHKの特集は、餓死するような極貧家庭に焦点を当てたものではなく、家庭の収入が一定の基準を満たさないため子供が進学できないというものだった。
なのに、餓死するほどでないと貧困ではないという人たちが大勢いるわけで、遂に日本は本当に貧しい国になってしまったのだ。
ところで、「ワンピース」が散財とはすっかりオシャレのことかと思ったら人気漫画の方だったから呆れてしまったが、「二万円もするペン」とはイラストレーター志望だからで、つまり貧しい癖に二万円のペンを持つ女子高生は、将来に向けて技能を磨こうとしてることにケチをつけられたわけだ。
これは自分にも似た経験がある。小学生のころ、勉強に励むためのささやかな贅沢の筆記具を、同じ組の裕福な家のバカ息子に壊された。生意気だと言われて。担任教師に訴えたが知らんぷりだった。
また、パソコンが高いので千円のキーボードで練習しているという話もあったが、ピアノなら昔からのこと。集合住宅に住み、高くて買えず、置き場所がなく、音で近所迷惑、ということで音がしない鍵盤で指づかいだけ練習し、後は学校の音楽室で練習ということをしている人ならよくいたものだ。
これに学校の先生に理解があればいいけど、意地悪な人もいて備品に触るなと言うのだった。
高くて買えないという問題は、いろいろな事情があったり人によって感覚や価値観が違ったりするので、理解しにくいものだ。
かつて舞踊家の花柳幻舟は、親が旅芸人だったので小学校にも行けずランドセル背負ったことがないと話したら、評論家の俵萌子に「なんで?ランドセルなんて安いのに」と言われ、なんて冷たい人かと思ったそうだ。
俵萌子は元夫の俵孝太郎と違ってリベラルな立場から教育問題を語っていたが、そんな人でさえこんな想像力を欠いた態度をとるということだ。
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この女子高生はアルバイトで家計を支える母親と二人暮らしでクーラーもない。そもそも、このNHKの特集は、餓死するような極貧家庭に焦点を当てたものではなく、家庭の収入が一定の基準を満たさないため子供が進学できないというものだった。
なのに、餓死するほどでないと貧困ではないという人たちが大勢いるわけで、遂に日本は本当に貧しい国になってしまったのだ。
ところで、「ワンピース」が散財とはすっかりオシャレのことかと思ったら人気漫画の方だったから呆れてしまったが、「二万円もするペン」とはイラストレーター志望だからで、つまり貧しい癖に二万円のペンを持つ女子高生は、将来に向けて技能を磨こうとしてることにケチをつけられたわけだ。
これは自分にも似た経験がある。小学生のころ、勉強に励むためのささやかな贅沢の筆記具を、同じ組の裕福な家のバカ息子に壊された。生意気だと言われて。担任教師に訴えたが知らんぷりだった。
また、パソコンが高いので千円のキーボードで練習しているという話もあったが、ピアノなら昔からのこと。集合住宅に住み、高くて買えず、置き場所がなく、音で近所迷惑、ということで音がしない鍵盤で指づかいだけ練習し、後は学校の音楽室で練習ということをしている人ならよくいたものだ。
これに学校の先生に理解があればいいけど、意地悪な人もいて備品に触るなと言うのだった。
高くて買えないという問題は、いろいろな事情があったり人によって感覚や価値観が違ったりするので、理解しにくいものだ。
かつて舞踊家の花柳幻舟は、親が旅芸人だったので小学校にも行けずランドセル背負ったことがないと話したら、評論家の俵萌子に「なんで?ランドセルなんて安いのに」と言われ、なんて冷たい人かと思ったそうだ。
俵萌子は元夫の俵孝太郎と違ってリベラルな立場から教育問題を語っていたが、そんな人でさえこんな想像力を欠いた態度をとるということだ。
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by ruhiginoue
| 2016-08-22 06:30
| 社会