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by ruhiginoue

岡本喜八監督の映画『ブルークリスマス』を思い出した

 庵野秀明が大ファンだという岡本喜八監督が倉本聰の脚本で映画化した七十年代の映画『ブルークリスマス』は、SFのようだがポリティカルサスペンスのようでもあり実質は怪奇物で、出演する俳優は豪華だが、おどろおどろしい雰囲気と後味の悪さが際立っていた。
 個人的には、小さいころにテレビで予告編を見たが、不気味な感じで映画館に行けず、かなり後からビデオで観て、そのきもちわるさに子供の頃に観なくてよかったと思ったものだ。

 この話は、世界各地で空飛ぶ円盤のようなものを目撃したという証言が相次ぎ、その光を浴びた人は血液中にあるのが鉄ではなく軟体動物のように銅に変化して青い血になってしまうというもの。日本でも、光る飛行物体を追跡した航空自衛隊機の操縦士をはじめかなりの人たちが青い血になっていた。庵野秀明のアニメ『ヱヴァ』に血液型は青という意味の表示が出るのは明らかにこの映画へのオマージュだ。
 
 ただし、血の色の他には何も問題はない。それでも変化した人たちを予防的に排除しておいたほうが良いのではないかという意見が、世界中の権力の中枢で主流になり、その準備が着々と密かに進行してゆく。
 その一貫として、日本政府は国民全員に一斉血液検査を実施すると発表する。表向きは健康のためだが、恐ろしい伝染病の流行など何か背景にあるのではないかと疑う人も当然いるし、ファッショ的な気配を感じた学生たちは検査反対のデモ行進をする。

 しかし、クリスマスの日ついに世界各国で大虐殺が始まる。日本でも自衛隊が出動し、青い血の人たちを皆殺しにしはじめる。劇中では国防隊と言っていて、さすがにフィクションでも無抵抗の自国民を虐殺する場面で自衛隊という呼称はできなかったのだろう。

 最後に、恋人まで射殺しなければいけなくなった隊員が、その直後に発狂したようになったため同僚に射殺され、雪の積もった白い地面に赤と青の血が流れる。この場面が予告編になっていたので、きもちわるくて映画館に行く気がしなくなった。後で知ったが映画館の客の入りは悪かったそうだ。

 この映画を思い出したのは、庵野秀明が総監督という『シン ゴジラ』という映画のためではなく、麻疹騒動のためである。どうして今さら騒ぐのか。もともと予防は不要だった。なんで予防接種を強制するのか。ワクチンが効かないのはどうしたことか。決められた通りに接種していても発病した人がいるのはなぜか。にも拘わらずきちんと接種しない人が悪いというのは奇妙だ。ほんとうは他の事情があるのではないか。などなど、ここで鳴り響く狂騒曲が物語の構図と酷似している。

 もちろん、物語の設定はあくまで架空の超常現象だから、それと麻疹はぜんぜん違う。そこで起きた騒動の不可解さと気味の悪さが似ているということだ。




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by ruhiginoue | 2016-09-10 11:37 | 映画 | Comments(0)