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by ruhiginoue

北海道・伊福部昭・音楽紀行

 先週、北海道を一周したさい、北海道出身の作曲家・伊福部昭の作品に因んだ土地を巡った。

 伊福部昭は北海道帝国大学卒で、理科系の研究員だった。ロシアのボロディンと同じで、科学者だったが民族主義的な作曲をしていた。そのような作曲家は、他にも日本には例えば箕作秋吉がいる。

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 札幌の北大は、ほんとにだだっ広い。やはり北海道。

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 昔、「青年よ大志を抱け」「老人は墓石を抱け」というギャグで、ビートたけしが受けながらも顰蹙を買っていた。自分が老人になったときどう思うかと。いま彼も老人になったが。

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 北大には医学部もあるが、札幌医大は「札医大は殺意大」と皮肉られるとおり人命軽視の体質がある。この話をすると地元の人は苦笑いする。

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 主に釧路にいたという伊福部昭の作品に『釧路湿原』がある。四季を謳い上げた曲だ。
 釧路湿原を見るとフィンランドを連想するが、知り合いのフィンランド人はシベリウスの名前は知っていても曲を知らない。
 よく北海道の人も伊福部昭は地元から出た有名人とは思っていても曲は知らない人が多い。ただし「♪ジャジャジャン、ジャジャジャン(ドシラ、ドシラ)」は大体知っている。

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 伊福部昭は、北海道から樺太方面にかけての少数民族を題材にした音楽をたくさん作曲している。
 しかし少数民族については札幌の北大資料館や網走の北方民族博物館で知ることになる。もう存在しないと極論というか暴言を吐いて批判される人たちがいる。

イヨマンテの熊をかたどった祭壇。これは北大のほうの展示。

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 古い記録映画も上映され、これを見て残酷だと言う人もいた。こちらは伊福部昭の音楽や本多勝一の著書で知っていたが、そうした予備知識がないと野蛮に感じもするのだろう。

 アイヌは熊を殺すのを囲んで見て残酷だと言う和人で思い出したが、スペインの闘牛を英国人は残酷と言うが、命がけで庶民の祭り儀式。一方、英国の狐狩りは貴族の嗜みとしてやるもので犬を放ち追い詰め虐殺。残酷とは?

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 実際には霧につつまれることは少ないらしいが、布施明の『霧の摩周湖』が観光地化をもたらしたから、この歌を地元の人はみんな知ってるそうだ。
 しかし更科源蔵と伊福部昭は知っていても『摩周湖』はほとんど知らないそうだ。流行歌でなく芸術歌曲だし、和人に迫害されたアイヌの悲劇を唄う悲しい内容だからだ。

 作詞・更科源蔵の詩、作曲・伊福部昭の歌曲『摩周湖』は、倭人に息子を殺されたアイヌの女性の悲しみが小島となったとの言い伝えを唄う。二千年前に噴き出した溶岩の塊らしいが。

 沖縄もそうだが、日本は南北で少数民族の迫害をしてきた。

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 更科源蔵・伊福部昭『知床半島の漁夫の歌』の「♪死滅した〜」という歌い出しとは大違いの「観光日和」の知床半島。

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 オホーツクの海を臨む。
 更科源蔵・詩、伊福部昭・作曲、『オホーツクの海』の「♪暗澹たる〜空の〜叫びか~」という歌い出しと大違いの「観光日和」だった。

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 伊福部昭の歌曲『苔桃の実拾う女』にも謡われる名物も、観光客むけのジュースやソフトクリームにまでなっている。美味しかったけど。

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 北海道で伊福部昭の曲に関わる場所を巡ると、あとは樺太の少数民族だが、こちらは政治的外交的な事情から行けない。やあ、やあ、困ったね。「アイ〜アイ〜ゴムテイラー」だ。

 しかし宗谷の人に見せてもらえた『樺太写真帳』に、少数民族ギリヤークについて写真と解説があった。この人たちが『♪アイ アイ ゴムテイラ~』と謳っていたーわけではないが、気位が高く隣人のオロッコ族を、伊福部昭の歌のように揶揄していたということだ。


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 少数民族の問題はもちろん、自然環境も観光地化が進行している北海道という現実に触れて来たような印象であった。




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Commented by 次郎くん at 2016-10-03 00:23 x
管理人先生のような「左寄り」の人々よりも、佐治芳彦とか落合信彦先生のような共和主義「右」派の人々が世間では売れ筋になっているのは一理ありますねん。沖縄やアイヌの人々こそが日本人の元型、同胞を裏切って昔の中韓に土下座外交でのし上がったのが「天皇家」なる分派の分際で本家筋になりすまししてるダーティーな連中との見解ですもん。
Commented by ruhiginoue at 2016-10-03 15:20
その分家の末裔も明治に薩長から食い物にされてきたわけで、古事記と日本書紀にも載る大国主命の子孫といわれる由緒ある伊福部の姓も、伊勢の地を離れて北海道に移住して、松前の迫害者とは違い先住民族から慕われてきたわけです。
縄文人こそほんとうの日本人という話は、次の三大丸山遺跡の話で。
Commented by ケーキイーター at 2016-10-04 09:33 x
 そうか。「音楽聴こう」ということで「音楽紀行」なんだ。え? 違う? 「音楽紀行」だから「音楽聴こう」だって? あまり変わらないじゃないの。
 酔っぱらって奇行起こす人いますよね。あれは本当に嫌ですね。
 また『南京路に花吹雪』ネタ。キッコーマンて読んじゃ(呼んじゃ)駄目だよ。とか。もう一度読み直したいのに、どこにしまいこんだかなあ。

Commented by ruhiginoue at 2016-10-04 16:33
少なくとも「奇行」ではありません。
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by ruhiginoue | 2016-10-02 15:42 | 自然 | Comments(4)