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by ruhiginoue

田中角栄リバイバルブームの背景

 ちょっとした田中角栄のリバイバルブームだが、彼が失脚したのはアメリカの陰謀だということでも盛り上がっているようだ。これはアメリカに対する反感を表す材料として田中角栄が使われているということであろう。

 ところで、そもそも田中角栄もと総理大臣が何かと人気なのは、自民党の総理大臣としては特異であったというだけでなく、他の政党や連立内閣の総理大臣まで含めて比較しても超個性的だったからだろう。

 だいたい日本の保守政治家には、各地の名士で祖先は地主というような一族が目立ち、そんな人たちが自民党の有力者にもよくいて、そこから総理大臣を何人も出してきた。これとは出自の異なる田中角栄は、田舎からの成り上がり者であると同時に、農村など地方の論理から国中を作り変えようという野心を持っていた。

 こうした田中角栄の発想と実行力は、国土と国民生活の破壊を伴う急進的なものであったから、その壮大さは実に迷惑なものでもあった。だから田中角栄という政治家は、地方を拠り所としていても保守ではなかった。
 また彼が地盤としていた地域は、保守的である地方にしては野党の国会議員も他の地方に比して多く、当時の旧社会党の革新系とか左派とか言われる政治家を同じ地元から何人も当選させていて、地方から変革を望む人たちが多いことが判る。

 つまり、田中角栄という政治家は、保守ではなく、革新より急進的で、地方とか田舎とか農村とかいうものに寄り添う革命家だった。
 これは、しいていえば毛沢東と同じだ。だから中国共産党の政治家たちは、日本の政治家の中で田中角栄には特別な親近感を持っていた。自分らの親玉と同じだからだ。

 あの時の情勢で日中国交正常化なんて、よく実現できたものだと言われた。その後も、あの時に世話になったという挨拶をしに、中国の要人は訪日すると必ず、もう総理大臣ではなくなった田中角栄を訪ねたものだった。高齢の人たちは古い表現で「シナのエラい人たちは、日本に来ると、総理大臣より天皇陛下より田中角栄さんに会いに来るんだね。よほど尊敬しているんだね」と言っていたものだ。

 そして今、中国では「毛沢東は今思うとすごい政治家だったなあ」「しかし、彼のせいで色々あったから、それを忘れて賛美しては誤るよ」という話題になるが、同じように日本では田中角栄ということだ。

 そして、中国では背景にナショナリズムがあるが、日本の場合は反米感情がある。
 


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by ruhiginoue | 2016-11-08 15:24 | 政治 | Comments(0)