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by ruhiginoue

三島由紀夫と黛敏郎の『金閣寺』

 先週、FMで曲・黛敏郎、原作・三島由紀夫の歌劇『金閣寺』を放送していた。
 この話で原作と違うのは、主人公を吃音ではなく手が不自由な身障者にしていることで、このため親が将来の就職や結婚を悲観して仏門に入れ、そのあと足が不自由な男と出会うという話の流れになっている。

 こうしたのは、歌で表現するときに困るからだろう。原作は「幼時から父は、私によく、金閣のことを語った」と始まり一人称で書かれていて、内心については流暢に語る。そしてセリフでは吃音の影響で言葉がうまく話せないことを直接に書く。それで、「ぼっ、ぼくは、坊主になるんです」と言うと軍人が「そうか。それなら俺はもうじきお前の世話になるんだな」と言って、戦争が始まったことを述べる。
 これは、文書なら、主人公が回想するのを自ら書いたか、他の人が聞き取って書いたと解釈できる。しかし舞台では、そうはいかない。それで設定を変えたのだろう。

 ところで、右翼民族派の人に聞いたのだが、黛敏郎は三島由紀夫と親交があったと自慢していたけど、実は関係が次第に険悪となり、なのに、あの事件の後に黛は、死人に口なしと言わんばかりに三島を利用していやがったということだ。黛としては、友達の芥川也寸志が大江健三郎をネタにするから対抗しただけだったのだろう。
 そんなふうにネタで右翼ぶった発言していた黛が生きていたら、今の政治になんて言うだろうか。特に黛とある意味で同類項の橋下徹が、文楽なんて下らないと言ったことに、『無伴奏チェロのための文楽』を書いた黛はどう思うか。

 また、その『金閣寺』は神奈川県で上演されたさいの録音だったが、伴奏は神奈川フィルであった。かつて映画音楽のコンサートで来日したジェリー ゴールドスミスの指揮で彼の曲を演奏したさい、当時ヒットしていた『エアフォースワン』が演目になっていた。そして、このタカ派というよりオバカ映画の主人公の大統領が理想だと言ったトランプが、主演のハリソンフォードに、あれはあくまで映画だと言われていたけど、大統領に当選したら景気づけに『エアフォースワン』のテーマ曲を流していた。ゴールドスミスが生きていたら何と言うだろうか。




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by ruhiginoue | 2016-11-13 15:38 | 音楽 | Comments(0)