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by ruhiginoue

犯罪被害者の遺族をシンポジウムに引っ張り出すな

 日弁連の「2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきだ」とする宣言のこともあり、先日、東京都千代田区で「犯罪支援弁護士フォーラム」のシンポジウムが開かれたが、そこではさまざまな意見が述べられたということなのに、報道では相変わらず安易な受け狙いの姿勢で、犯罪被害者の遺族らが死刑存続を訴えたという煽情的なものになっていた。

 そもそも、こういう場に被害者の遺族を引っ張り出して言わせるべきではない。もちろん、可哀想だとか残酷だとかいうこともあるが、死刑を廃止した欧米で既に指摘されているとおり、もし自分の家族が殺されたら、動揺してしまって冷静に考えられない。それで、幸い冷静でいられるうちに制度を考えておくのだ。
 だから、この集会で遺族が言ったような、もし自分に振り返ったらという話はそもそも成り立たないのだ。
 
 実際、ここで発言した「闇サイト殺人」で娘を失った遺族は、自分の娘のように殺される人および自分と同じように家族を失い悲しむ人が出ないように対策を講じることよりも、今の自分の憎しみの方が優先だった。
 この「闇サイト事件」は、犯人がインターネットで共犯者を探したことからそう呼ばれているが、しょせん俄かに知り合った連中だから仲間割れ起こして逮捕された。ここが暴力団などとは違うところだ。
 なので、これからもそうなるようにと、自首したら減刑する法律の規定に裁判の判決は従った。更に犯行を重ねる計画が未然に防がれたことも重視された。それにもかかわらず死刑にしろと被害者の遺族が主張したのだ。
 そんなことをしたら誰も自首しなくなり、逃亡したり犯行を重ねたり逮捕に激しく抵抗したりで危険だ。長引けば他の事件の捜査や防犯に使える予算と人員が浪費される。そこでまた被害者と遺族が出るかもしれない。しかし、そこまでのことを遺族は考慮しなかった。それは仕方ないにしても、それに社会の制度を合わせてはいけない。

 また、家族を殺されたけれど死刑に反対する人たちもいて、その訳はいろいろとあるけれど、それに対して、そんなことを言う人は家族に対する愛情が希薄だという非難になってしまい、そんなことは失礼だから絶対に言ってはいけないのだが、しかし感情的になって言ってしまったことを非難もできないし、というように限が無くなる。

 このような現実があるのだから、遺族を引っ張り出すこと自体が良くないのだ。そんなことも解らない弁護士たちに呆れている。



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Commented by Neutralizer at 2016-12-21 20:43 x
私自身、mixiを使っているのですけど、この中では死刑について『犯罪者に対しての税金使用が減る』というとんでもない暴言が多く出ています。
 こういった輩は刑務所に犯罪者を留置することにしか見てないわけで、貴方がご指摘した点は一切見てません。被害者遺族の感情に日本人社会が染まってしまっているのです。
Commented by ruhiginoue at 2016-12-21 23:32
このときの発言でも、それと同趣旨の誤解した発言が出ています。いいかげんな内容の講演をして、それが報道されてしまい、真に受けてしまう人がいるのでしょう。だからマスコミと弁護士の団体に責任があります。
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by ruhiginoue | 2016-12-19 17:57 | 司法 | Comments(2)