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by ruhiginoue

シリア報道で朝日新聞の劣化が鮮明に

 英国のジャーナリストで平和活動家のヴァネッサ・ビーレイ(Vanessa Beeley)が、アレッポを訪れ3日間過ごし地元の人達と話した印象について語った。彼女は、NATOやペルシャ湾岸諸国の支援を受けた武装テロリストグループを駆逐する作戦が展開されたさい、人々が避難する様子を自分の目で直接に見て、多くの市民とアレッポについて語り合ったという。
 そのうえで彼女は、アレッポの状況に関してマスメディアが伝えている話は全く信頼できないと指摘しているが、その指摘の通り、欧米の大手メディアとその受け売りをする日本の大手マスコミの報道がヒステリックであり、ジャーナリズムの倫理原則を無視しているし、情報源をチェックせず作り話を垂れ流している、というのは確かだ。

 そして、彼女の話は内容的に現地で取材しなければ書けない記事であることだけは言えるし、そもそもヴァネッサという人は西欧では稀な真面な記者かつ左派運動家であるから、少なくとも大手マスコミが垂れ流しているヒステリックな報道や如何わしいフリーの自称戦場ジャーナリストどもよりは信用できると言って評価する人が日本にもいる。 
 というのも、「アサド政権による虐殺を支援している悪党プーチンを歓待した安倍首相は何なのだ」という意見が日本の左派やリベラルから出ていることに落胆させられるからだ。アフガンやイラクに介入して多くの市民を虐殺したアメリカもそれ以上に悪党であることが、左派やリベラルならわかるはずなのに。

 この記事およびそれに基づく指摘に、例の朝日新聞WebRonza「中東取材20年」の元朝日・川上泰徳は反論できずに、ビーレイ記者に対して「政治的」と誹謗する実に政治的なツイートをし、それを朝日新聞記者がリツイートしている。反論は無視し、決してリツイートしない。
 これら朝日新聞の記者と元記者は欧米に批判的な記者は「アサド寄り」とレッテル貼り攻撃しながら感情的になっていて、まるで右派メディアやネトウヨの「朝日は中国寄り」と酷似していて実に醜い。朝日新聞の記者たちの多くは、朝日新聞を誹謗する右派やネトウヨどもと同程度であるということだ。まさに目糞と鼻糞だ。

 この元記者は、前にもリビア情勢で、カダフィがその思想をまとめた『緑の書』は第三書館から邦訳が出ているほどなのに、カダフィがどんな思想なのか知る材料が無いと言ってしまうお粗末さだし、今回のアレッポと同様にリビアに現地入りして命がけの取材をした西側の女性記者について、そのような人は自分が取材に行った先にはまったく存在しなかったと断言した。つまり自分は現地に行って20年も取材してきたというが、その行った場所が笑ってしまうようなものだったということだ。

 かつてTBSの岡庭昇が朝日新聞の本多勝一との対談で、中東取材は20年ほど前から「NATO軍記者クラブ報道」しかできなくなったと指摘していた。それなのに今、元朝日記者が「中東取材20年」と銘打って連載というだけで滑稽であるのに、その中身は露骨な戦争翼賛であるから、朝日新聞の堕落は度し難い程度になっている。
 それに、沖縄で「ドジン」と侮辱することがあるのも植民地だからで、そこにアメリカ軍が基地を作るのだが、その破壊し放題を批判できないから朝日新聞はダイバーがサンゴに落書きしたという自作自演写真を載せてお茶濁しし、バレて社長が辞任という醜態を見せたことがある。そして今もこのとおりNATO軍記者クラブ幹事だから、沖縄の基地問題も批判できないのだ。

 これについては拙書『朝日新聞の逆襲』で指摘していたが、この後半部分は右派による批判をこき下ろした前半に比べると理解されていなかった。しかし、ほら言った通りだろ、ということが相次いでいる。




by ruhiginoue | 2016-12-20 17:16 | 国際