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by ruhiginoue

年末の根津甚八氏の訃報で思い出したこと

 今年は芸能人の訃報が目立つ。他にはカストロ氏のように政治家で有名な人が亡くなったけれど、芸能人が次々と死去した印象の年だった。

 そして元俳優の根津甚八氏も亡くなった。彼は病気を複数抱えていたため数年前に引退を発表していた。
 その出演作で年末年始にかかわる話がある。浅田次郎の小説が原作の『ラブレター』で、これは劇場長編映画と単発テレビドラマと韓国で翻案された映画にもなっている。そのうち中井貴一が主演の映画に根津甚八は出演している。

 その森崎東監督の映画『ラブレター』では、主人公に偽装結婚を依頼する暴力団組長に根津甚八がふんしていて、覚醒剤にも手を出したため組が警察に目を付けられてしまい、その子分にふんした今は政治家の山本太郎が覚せい剤を隠そうとして逃げ回る。
 そうした様子をコミカルに描いているのだが、主人公は一緒にいたため関係しているのではないかと警察に拘束されて問い詰められてしまう。彼はほんとうに何も知らなかったので釈放されるが、年末年始を留置場で過ごすはめになる。

 この時、留置場の食事に正月だから餅が出て、主人公は他の閉じ込められた人たちと一緒に食べているのだが、そこへ外から「軍艦マーチ」が聞こえて来て、さらに拡声器で男性のがなりたてる声がする。
 「愛国義勇軍の斎藤くん、あけましておめでとう。警察に負けずにがんばろーっ」
 すると、その斎藤らしい人が立ち上がるので、右翼の活動家が逮捕されているのを街宣車で仲間が励ましに来たということがわかる。

 このように警察署の前で街宣車が仲間の逮捕に抗議して「かーえーせー、かーえーせー」と拡声器で連呼している様子は、ときどき見かける。そして、右翼だけでなく政治性があると嫌がらせ目的で年末年始に逮捕するということが行われてきた。あの鈴木邦男氏も右翼活動家だったときにやられたことがあると言って怒っていた。

 こういう実態が、あの映画ではコミカルに描かれていて告発ではないが、現実に即して要素として取り入れられていたのだ。それを年末の訃報によって思い出したというわけだ。
 この他にも、その出演作は色々と面白いものがあるけれど、それは別にまた語りたい。
 
 


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Commented by keitan020211 at 2016-12-30 21:02
根津さんは早逝ですが、芸能人の逝去が今年を含むこの数年に相次ぐのは戦後の復興から高度成長の時代の入り端にデビューした1930年代生まれの人が多いからではないかと実例を調べてはいませんが、思います。
Commented by ruhiginoue at 2016-12-31 18:19
その時代に芸能人となる人の数が多ければ訃報も増えますね。
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by ruhiginoue | 2016-12-30 17:50 | 芸能 | Comments(2)