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by ruhiginoue

大島渚の命日と思い出

 1月15日は映画監督・大島渚(1932-2013)の命日だった。

 彼が病に倒れてから久しぶりに公の場に表れたのは2008年の日本映画監督協会創立七十周年祝賀会だった。この時の大島渚は、車椅子に乗って小山明子に付き添われていた。
 これに参加して雑誌に記事を書いたが、むしろ実行委員をしていた杉井ギサブロー監督のほうに熱心に話しかけていた。アニメの世界ではたいへん偉い人だから仕方ない。
 この話は前にした。

 ところで、大島渚は「初めから解らないのはあたり前で、初めから解るならこんな映画を作る気は全然ないし、初めは解らなくても映画の最後になって初めて解る、そういう映画をオレは作りたいんだ」と言っていた。
 これに対して「アメリカの観客は最初の15分で解らないとガッカリする」と言ってロバートレッドフォードは知り合いが原作者である『戦場のメリークリスマス』出演を断ったのだった。
 この話は、よくハリウッド映画のパターンについて語るさいに引き合いに出されている。

 また、大島渚は「普通、俳優さんが演技力と思っているものは、まあ、邪魔ですよ」と言っていたけれど、もともと「意余って力足らず」くらいが良く、あまりに上手な役者は好きではないと彼は述べていた。
 それで、『戦場のメリークリスマス』の当時、大島渚はブロードウェイで『エレファントマン』観たらデビッドボウイの演技がすごく上手くて、これでは上手すぎるんじゃないかとむしろ心配になったらしい。

 あと、大島渚は日韓問題に拘りがあり、『戦場のメリークリスマス』でビートたけし軍曹にいたぶられる朝鮮人軍属の話は原作にない脚色だった。この役をキャロルの中で唯一在日の家系であることを公言して運動もしているジョニー大倉が熱演したのだった。
 ほかにも『帰ってヨッパライ』で主演のクールセイダーズの『イムジン川』がキーワードになっていたし、『ユンボギの日記』や『忘れられた皇軍』などドキュメンタリー映画もあった。

 そして小松川事件を基にした『絞首刑』に主演し『少年』でも在日男性を演じた俳優は、今では出版社の経営をしている。
 ここは和多田進氏の社会派ジャーナリズムが主体の会社だった。実はかなり昔のことだが、この出版社が従業員募集していたので面接に行ったことがあり、編集が希望だったが欲しいのは営業ということでダメだった。
 そしてしばらくしたら同社は全体的には変わっていないが、そこへ日韓問題とか『チャングム』とかの本が目立つようになっているから驚いたものだった。


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by ruhiginoue | 2017-01-17 18:02 | 映画 | Comments(0)