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by ruhiginoue

ベトナム戦争映画のオリバーストーンがトランプ大統領を買うわけ

 ドナルドトランプ大統領が就任したが、このトランプ氏を厳しく批判してきたオリバーストーン監督は「トランプ大統領もあながち悪くない」と「意外な評価」をしていると報道されている。
 しかし、これは決して意外なことではない。

 この件でオリバーストーン監督は「ヒラリークリントンが勝っていれば危険だった。彼女は本来の意味でのリベラルではない。米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じている。ロシアを敵視し、非常に攻撃的。大統領になっていたら世界中で戦争が増え、第三次大戦の可能性さえあった」と言う。

 たしかに、何度も強調してきたとおりヒラリークリントンは、国務長官の時に、アメリカが軍事介入することで戦争になり人が死ぬことを甲高い声をあげてゲラゲラ笑いながら語った様子が動画サイトで話題になって大顰蹙だったうえ、次は大統領になってもっと戦争をして人殺しするつもりだと言う狂気であった。
 これではドナルドトランプが嫌いな人でも、対抗候補のヒラリークリントンに投票したくなくなる。

 こうしたヒラリークリントンのような上昇志向ばかり強い女性は好戦的で、その実例は他にも日本の防衛相や都知事などにも見受けられるが、そういうのとは別に、オリバーストーンが外国に軍事介入したがる「リベラル」を警戒しているのは、かつて急遽ケネディの跡を継いだジョンソン大統領が大きな政府を志向するリベラルな政策を推進する一方でベトナム戦争を拡大した現実が念頭にあるからだろう。

 だから同監督の映画では、『JFK』でベトナム戦争に消極的だったケネディ大統領が暗殺されたのは軍産複合体の陰謀とされ、『七月四日に生まれて』で実在のベトナム帰還兵ロンコービックをモデルにした主人公が車椅子で共和党の集会に押しかけ「北爆をやめろ」と絶叫し、この北爆は戦争を解決するためだという大統領を描いた『ニクソン』でニクソン大統領に「ベトナム戦争はそもそも民主党が始めたことじゃないか」と言わせている。

 そしてオリバーストーン監督は、ロンポール議員を応援してもいた。同議員は基本的に保守派であり共和党に所属していたが、同党は大きな政府を志向するようになってしまったと批判し、第三極のリバタリアン党に入ったこともあり、大統領選挙に繰り返し立候補して、そのたびに「小さな政府ならまず軍縮を」と訴え、軍事は増強するけれど専守防衛に徹して外国に軍隊を常駐させるべきではなく軍事介入などもってのほか、という方針を訴えつづけた。

 こうしたロンポール議員を支持したり、よく知っている者には、政治経済についてマスコミよりインターネットから情報を得る者たちが圧倒的に多いという特徴が指摘されている。
 だからこのブログでも同議員に関わる話が出て来て海外のサイトに翻訳をスーパーインポーズしたりしていたが、これはバイリンガルというほどではないがある程度という者たちで訳したあと互いに見せ合って不自然な部分を指摘し合う作業をしたからだった。今ではもっと堪能な人たちが楽々とやっているので、その手間は無用になったが。

 このため、オリバーストーン監督は批判してきたドナルドトランプ氏が大統領になったら、ヒラリークリントンよりマシだと言い出した、ということについて容易に受け入れられるのだ。

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by ruhiginoue | 2017-01-24 15:27 | 国際