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by ruhiginoue

岡口基一氏のツイートと自らの裁判体験

 プールの更衣室で自撮り写真をTwitterに掲載したことが話題の岡口基一裁判官が、次のようにツイートしていたので、これに対して自らの裁判体験から述べたいと思う。

 「あなたの知ってる裁判官を一人書いてくださいというアンケートをしたら,たぶん,この人が一位だろうね。児島惟謙それくらい,日本の裁判官って,情報が北朝鮮ばりにベールに包まれていて,人々の記憶にも残らない。」

 これは、歴史上の有名な裁判官しか知られていないはずだということで、おそらく「スイス人で最も有名なのはウイリアムテルだ」という皮肉と同じだろう。ただ、今の時点で活躍している人ではない裁判官を挙げてもいいのなら、死刑廃止論などで有名な団藤重光最高裁判事など有名な人はけっこういるはずだ。

 また、個人的に知っている現役の裁判官としては、鬼丸かおる最高最高判事のことは弁護士の当時に相談したことがあるから知っている。少ない姓なので法曹界に鬼丸はもう一人しかいない(当時)という話もしていた。最高裁判事の立場として限界はあるが、他の最高裁判事よりは良心的であり、このためネトウヨに非難されていた。
 もちろん弁護士だったから良心的とは限らないが、世間知らずのキャリア官僚ばかり裁判官になるから荒唐無稽な事実認定をするなど非常識な判決がいっぱいだ、という指摘は昔からされている。
 
 それに、もっと弁護士から裁判官になれば、知っている人が多くなる。なのに「法曹逆一元化」で裁判官から弁護士に天下る人ばかりだから、知らない裁判官ばかりになる。
 こういう問題について、わかっていないのか、わかっていても語れないのか、語るにはパンツ一丁姿をさらすより勇気が要るか、ということなのだろう。

 ついでに、このツイートについても。

 「る~るる,るるる,る~るる♪ る~るる,るるる,る~るる♪判決の理由中で,時々用いられるのが『るる』。当事者が,通りそうもない主張をたくさんしているときに,それらをまとめてばっさり排斥するときに使われるね。」

 命のかかった当事者の必死の叫びや、弁護士が著名な学者の意見まで添えて懸命に訴えているのを、中身に踏み込まず無視する裁判官がよく使うのが「縷々(るる)」である。
 「るる述べるがいずれも採用できない」というように。
 この常套句を、岡口裁判官は、通りそうもない主張をたくさんしているのをバッサリとまとめて排斥するのだと、正しいことのように言う。

 もちろん、独りよがり、引き延ばし、はぐらかし、ということも実際に少なくない。しかし、これに対して紋切り型の言葉で対応していると、そのうち便利な言葉となって片っ端からそれでかたずけてしまうようになる。
 だから、「縷々述べるが」「独自の見解であり」「裁判の公正と無関係であることは明らかである」「当裁判所としては採用しない」「却下する」などなど、裁判官がワープロに語句登録していて、それが無い昔はゴム印を作っていたはずだ、などと皮肉られてきたのだ。





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by ruhiginoue | 2017-02-12 22:54 | 司法 | Comments(0)