北朝鮮を非難している人たちの一部が不可解だ
2017年 02月 15日
先日、給付型奨学金について「我々の世代は学費くらい自分でバイトして稼いだもんだ。甘やかすんじゃねえ」と言っている老人たちの妄言が批判されているという話をした。
そういうことを言っている六十~七十歳代の老人たちの時代とは違い、今では学費が桁違いに高くなっているうえ勉強も厳しいから給付型奨学金が必要なのだが、この現実を老人たちは知らない。あるいは認めたがらない。
また、「自分たちの世代が苦労したんだから後の世代の人も苦労しなきゃ面白くねぇ」と言う老人たちは本当は苦労していない、という指摘がされていることも前に述べたけれど、それとは別に、後の世代がなにかしら良くなることへ嫉妬して嫌がらせしていることもある。
これは隣の韓国で兵役がなくならないのと同じだろう。自分たちは若いころに兵役でつらい思いをしたから、それを後の世代には無くしてあげたいと思うのではなく、同じ嫌な目に遭わせてやらないと不公平だという不合理な感情である。
これにより、もっとも伸びる時期に水を注されてしまい、人材の育成にとって妨害となり社会の発展にも悪影響し、これは昔から指摘されてきたことなのだが一向に改まらず、個々人がつらいだけでなく国力の衰退にもつながっている。
この一方で北朝鮮は、若者は兵役より勉強や労働で頑張って国づくりに貢献するべきだという方針に転換している。
かつてアメリカが韓国と日本に協力させて合同軍事演習を繰り返すと、これに威圧された北側は総動員で警戒に当たっていたが、その繰り返しによって働く暇もなくなり停滞してしまった。
しかも、昔はともかく今では巡航ミサイルが飛んできたりするのだから、いくら軍隊に人を動員しても攻撃を防げない。それならミサイルを開発しながら若い者は勉強したり働いたりしたほうが良いということに当然なった。
そして北朝鮮は建設ラッシュと言われるように建物や道路がつぎつぎに完成しているし、都会ではピザの店で若い人たちが働いたり食っていたりという、東京かと一瞬見間違える様子を外国メディアが放映していたりする。
これらは、緊張感の強さから現実的で合理的な選択をせざるを得ないということだろう。北朝鮮に比べれば韓国も日本も緊張感が乏しいから、老人どもが若者に無意味な嫌がらせをするゆとりがあるということだ。
しかし、そんな緊張感が欠如したことでは、韓国も日本も衰退が酷くなるばかりだろう。
このように、本当の意味での緊張感が欠如しているので、これも前から言って来たことだが、日本ではタカ派ほど平和ボケしているのだ。
また北朝鮮はミサイルを発射し、これは米大統領と日本首相の会談の最中に反応を見るつもりなどと憶測されているが、このミサイル開発について、知り合いの社民党の議員は「軍事はいけない。何でも話し合いで解決するべきだ」と批判していた。
こうした社民党的護憲派とでもいうような考え方にいつも猛反対して現実主義者を気取っている人たちが、なんで北朝鮮を非難するのだろうか。「国防と安全保障に熱心な北朝鮮は偉い」と褒めるべきじゃないか?これが毎度不可解である。
by ruhiginoue
| 2017-02-15 12:42
| 国際