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by ruhiginoue

読書は必要なことなのか

 朝日新聞に掲載された大学生の投書に、読書はしなければならないことなのかという疑問を呈するものがあった。大学生の一日の読書時間がゼロという人も多いことを受けてのことだ。

 ここでいう「読書」とは、趣味ですることの意味らしい。なぜなら、この投書は、読書は楽しいとか教養になるとか良いこともあるが、大学での勉強やアルバイトなどから得られることの方が有意義だと思われるとしたうえで、読書とはあくまで趣味の範疇ではないかという疑問を提示しているので、そうなると必然的に、勉強とか知識を得るのために必要性があって本を読むのとは別に楽しみで行う読書という意味になるからだ。

 これで思い出したのが、評論家の立花隆がその著書で述べていたことだ。彼は、「本を読む」のと「本に当たる」のは違うと説き、じっくり最初から最後まで読むのに対し、調べもので必要なことだけ探してその部分に当たる、という作業があるとしている。

 そういう点では、学校の勉強とか学校以外の試験などのためにすることは「本を読む」というより「本に当たる」というほうが近いはずだ。教科書でも参考書でも全部の内容を得ようとするものではあるが、だからといって最初から最後まで丹念に読んでいては効率が悪すぎる。試験前に「ヤマをかける」ように効率よくするようでいて実は怠けているということではなく、完璧に中身をものにするためには、端から端までやるよりむしろ要点を探し出してそこから繋いでいったり拡大していったりしたほうが良いという意味だ。
 もちろん、ここで欠落が無いようにすべてのページを細かくチェックはするが、順序どおり読むのではないから、栞を挟むことはせず、付箋を貼りまくる。
 こうした勉強とか調べものとは別に違った意味で楽しく読書することは、やはり趣味だろう。そして、これは不必要と考える人もいて当然だ。

 あと、本の内容にもよるだろう。かつてリクルートを創業した江副という人が「小説なんて読まない」と言っていたそうで、趣味で非実用的な読書などしないということだろう。
 そんな彼について作家の小田実は、「江副という人は東大生だったときに新聞部にいて広告取りしていた中で事業のヒントを得たそうだが、あの当時の東大で新聞部に入る奴は左翼だ。そう相場が決まっていた。ワシは今でこそ左翼だと言われるが、東大生のときはノンポリに近かった。少なくとも江副よりは左翼ではなかったはずだ」と言っていた。
 これについての話となると色々と語れるから、それは別の機会にするとして、読書にも「趣味と実益」というものがあるということを、まず確認してから議論しないといけないだろう。

 


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Commented by 王子のきつね at 2017-03-13 10:46 x
「読書」するにしても、「本に当たる」にしても、文章の内容を読み取る能力がなければ意味がない。

ところが、学校で行われている「国語」の授業は、すでにその能力を身につけていることを前提に、この文はどういう意味だ、作者は何を言いたいのか、などを論じていて、肝心要の文章の内容を読み取る能力を育成していない。

文章を読み取る能力を育成するのに「読書」の習慣は重要で、「読書」量の多い人間の方がその能力を身につけている者が多い。後述するような、文章を読み取る能力を育成する訓練を受けることなく、この能力を身につけている人たちを知っているが、その多くは「読書」の習慣がある人だ。

自分は、小学校の高学年になるまで、「読書」することがなく、たまたま母親の知人が本を処分するからと大量の本をくれたことから「読書」の習慣ができた。しかし、役に立つ能力を身につけたのは、予備校の「現代国語(当時)」の授業を受けてからであって、人によっては「読書」してもこの能力が身につかないことはある。

以前、ある掲示板で「○○が××と書いているのは、△△という意図があるからだろう」と書いたら、「そんな意図なんてあるもんか」と反論された。「じゃあ、別にどんな意図があるのか?」と聴いたら、「意図があって書くわけがない」と返事がきた。どうも彼は、人が文章を書く際、なんらかの意図があって書いているということを理解できていないようなのだ。

「読書」が減ることよりも、文章を読み取る能力をもった人が減る方がはるかに問題だが、「読書」習慣がなくなると、この手の能力をもたない人が増えるんじゃないかと心配になる。
Commented by ケーキイーター at 2017-03-15 20:43 x
 凄まじい余談なんだけど。眼鏡の度が合ってないと、本を読んでも、その内容が理解できないのね。この件では反省しました。私の頭の悪さとは別に。今、昔買った本を読み直しています。『ゲド戦記』読み直そうかな。

Commented by ruhiginoue at 2017-03-16 18:35
眼鏡をかければ矯正できるならいいけど、それでは駄目なので小さいころから読書は好きだけど苦痛です。人に読んでもらうのがいいけど、音声に変える機械が欲しいと小さいころから願っていました。その点パソコンなど喋ってくれるのでありがたいものです。
Commented by ケーキイーター at 2017-03-17 08:34 x
 今、実際に読み直しているのは、ルグインさんのエッセイです。正直言って、難解ですが、頑張って読んでいます。
by ruhiginoue | 2017-03-12 20:15 | 雑感 | Comments(4)