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by ruhiginoue

産経新聞が曲解した宇宙戦艦ヤマト

 このところデタラメの垂れ流しが悪化の一途の『産経』だが、今度はアニメ映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』に登場する宇宙人のガトランティス帝国を「野蛮な中韓のメタファー(隠喩)」などと書いており、ファンからは「中韓とは何ら関係ない」「牽強付会が強引すぎる」「制作陣に失礼だ」と批判を浴びている。
 おそらくこう書けば喜ぶオタクネトウヨが一定いるので、そのウケを狙ったのだろう。
 
 しかし、すでに指摘があるように、「ガトランティス」は39年前の1978年に劇場公開された映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』に登場した敵方で、この当時は今のような「中韓」ヘイトの流行はなく、「ガトランティス」は明確にアメリカがモデルであり、そのビルが林立する要塞都市はニューヨークの摩天楼を意識したデザインとなっていて、そこから出撃する宇宙艦隊を指揮するのは「バルゼー提督」といい、これは実際の戦艦大和を撃沈した戦闘の指揮をとったアメリカ軍のハルゼー提督をもじったネーミングである。

 そもそも『宇宙戦艦ヤマト』の一作目は、軍国主義時代の日本をモデルにした地球が、当時は同盟関係であったナチス・ドイツをモデルにしたガミラス帝国と戦い、続編の『さらば宇宙戦艦ヤマト』では、戦後の復興をする日本をモデルにした地球が、その目標であるアメリカをモデルにしたガトランティス帝国と戦う、というもので、この図式により、内なる敵と戦い自己矛盾を克服するのが『ヤマト』のドラマにあるテーマであった。

 さらに『さらば宇宙戦艦ヤマト』の最後に主人公は、敵に対して体当たり攻撃をする決意を述べて、肉体が消滅したら生命は宇宙と同化するので死ではないと説いた。
 これは「肉体の無と、大生命への帰一とが同時に完全融合して行はれるところの最高の宗教的行事が戦争である」という、『生長の家』の教祖・谷口雅春の言葉と同じだった。

 つまり、この軍国調の基盤にあるものは「反米」なのだが、これは『産経』にとって不都合なものなのだ。右翼活動家の中でも民族派で反米派の野村秋介が、「『産経』なんて右派ではなくアメリカ追従の自民党に媚びているだけだ」と言っていた意味が、ここにも表れているということだ。

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Commented by ケーキイーター at 2017-04-05 21:17 x
えーっ? ヤマトって、まだ新作作っているんですか~?
Commented by ruhiginoue at 2017-04-06 21:28
どれくらい儲かっているのでしょうかね。
Commented by 石畳 at 2017-04-07 18:24 x
>「野蛮な中韓のメタファー(隠喩)」
>「『産経』なんて右派ではなくアメリカ追従の自民党に媚びているだけだ」

以下の言葉は、「ネトウヨ」連中に限らず、戦後日本社会の欺瞞を撃つものであろう。

暴力で従えとったいう事か
じゃけえ暴力に屈するいう事かね
それがこの国の正体かね
(こうの史代『この世界の片隅に』下巻(双葉社刊)94~95頁)
Commented by ruhiginoue at 2017-04-07 20:42
岸の孫が総理やってるわけですからね。
Commented by ケーキイーター at 2017-04-29 20:59 x
 私の今の『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに対しての評価。アニメージュを創刊に導いた、ブームとしての「火付け役」として、かな。眼鏡を直したので、昔買ったジブリの鈴木プロデューサーの本を読み直しているのだが、初代編集長の尾形英夫さんが「おれの息子が好きだから、頭のいい子が読む雑誌にしてほしい」という趣旨のことを言われたらしい。それから、押井守監督がどこかで読んだインタヴューで「ヤマトやガンダムが当たらなきゃ、僕も宮さんも監督になれなかった」といった発言もあったかな。
 それから。主題歌の曲の良さも認めざるを得ない。確かに軍歌ではあるが。こっちはガンダムの主題歌よりも勝っているみたい。
 ある意味での反面教師。それは「マクロス」にもそんな部分があるんじゃないかな。昔読んでいたアニメージュは伊達じゃない。そんな雑誌だった。
Commented by ruhiginoue at 2017-04-30 18:15
今は亡き西崎プロデューサーも、それは誇っていましたね。
しかし創価学会の後押しが必要でしたが。
Commented by ケーキイーター at 2017-04-30 21:12 x
 創価学会の事は全く意識していませんでした。こりゃ、鈴木プロデューサーの本だけでなく、お師匠さんの本も読み返さないと。
Commented by ruhiginoue at 2017-05-01 18:12
西崎プロデューサーは「民音」と仕事していたし、桝田監督は『人間革命』を手掛けていましたから。
Commented by ケーキイーター at 2017-05-01 20:41 x
 これを書くのを忘れていた。初代ヤマトは再放送でしたが、最終回まで見ていました。映画も見に行きました。映画版の二作目で、私はおさらば。初代マクロスは、途中でテレビ版を見るのを止めてしまった様な覚えが有り。
 以前、ここのブログで「尊敬している人がどうのこうの」という話をやっていましたが、ジブリのあの三人(宮崎&高畑&鈴木さん)は、お互いにお互いを尊敬しあってないので、ジブリは長続きしたそうです。今でも会社そのものは残っていて、雑誌の熱風を出しているし。無駄な脱線話じゃないよね。
Commented by ケーキイーター at 2017-05-01 20:49 x
 これも書き忘れていた。私は学会に対しては、かなり勉強不足だ。で、彼らに対して、肯定も否定もしていないな。たまたま、私に対して、折伏をしようとした人がいなかったせいもあるのだろう。
 私の身近な人で、学会に対して、かなりアレルギー的行動をとっている人がいるんだけど、その人の気持ちは何となく解るかな。
Commented by ruhiginoue at 2017-05-02 20:20
『宇宙戦艦ヤマト』脚本の藤川圭介は『マクロス』を見て、物語が無いのが受けていると思いテレビの脚本をやめて小説家になったと言ってましたね。
西崎プロデューサーにたまりかねて『ヤマト』から降りたとも。
脚本家をやめて小説家になる人はプロデューサーに怒っている人がよくいます。集団で製作するには、合う仲間がなにより重要ということでしょう。
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by ruhiginoue | 2017-04-05 20:28 | 映画 | Comments(11)