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by ruhiginoue

国防と愛国で長谷川和彦監督の指摘

 保守派イデオローグの司馬遼太郎でさえ、自分の体験から軍隊とは軍隊自体を守るものであって国民ではないという趣旨を述べていたが、このことは国も堂々と言っていた。あの「恵庭事件」で、自衛隊は国民の一人一人を守るものではない、と。

 だから今また日本政府は、核攻撃を受けたら『アトミックカフェ』のようにしてそれぞれ対応しろと言う。それでいて、「国民を守る」と言う安倍総理だが、その気がないというより攻撃なんか受けないと思っているのだろう。
 それで芸能人を集めて夫人と一緒に花見をしたりと呑気なものだし、防衛大臣は外遊に行くということで、また派手なリゾート服を旅行カバンに詰め込んでいることだろう。
 この一方で、危機的なのに愛国主義学園の問題なんて構っていられないというのだから白々しい話題逸らしだが、そんな大根芝居でも受ける人には受けるということだ。

 かつて、これはもう昭和の末期のことになるが、テレビに学生が大勢出ている中に制服姿の防衛大の学生もいて、色々と指摘はあるが自分の場合はそれでも国民を守る使命感をもっていて純粋な気持ちだと言ったら、同席していた映画監督の長谷川和彦(『太陽を盗んだ男』など)が、それは無理な話だと指摘した。
 そもそも生物は自身を守る能力しかなく、他者を助けることは不可能だ。それでも助けようとするなら自らの命と引き換えになる。だから助けられるのは一人くらいがせいぜいだ。そうなると多くの場合それは自分の子供だけになる。
 こう指摘したうえで長谷川和彦は、だから危機があれば自分も自らを守るだけになるか、自分が身代わりになり自分の子供を助ける。そして女房は見捨てるか見殺しにする。
 こう言って笑わせてもいたが、この指摘は現実にそうだろう。

 また、このとき自民党の国会議員もいて、国のために働くとか戦うとかいう教育をすればよい、すべきだ、とか言うので長谷川和彦は、政治は宴会の幹事と同じで、決まった予算で上手に場を設定すればよく、あとは参加者たちで盛り上げるものだが、そこへ幹事が無理して盛り上げようとすればシラケると指摘し、この点で自民党政府はうまくやってきたのに、なぜシラケさせようとするのかと批判したのだった。

 これらは今になって現実が証明している。国民を守ると言いながら個人で対応しろと広報する政府、踊らせている側も踊っている側も無理している愛国、みごとにシラケている。
 このシラケという言葉を長谷川和彦が言ったかまでは記憶が定かではないが、ようするにそういう趣旨だったし、今の現実はそのとおりになっているということだ。



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by ruhiginoue | 2017-04-27 17:56 | 映画 | Comments(0)