ニューヨークタイムズの増益を報じた朝日新聞
2017年 05月 07日
アメリカのニューヨークタイムズ紙は、この5月3日に、電子版の有料購読者数が今年1月からの3カ月間で30万8千件増えて191万件に達したことを表明した。2011年に電子版を有料化してから四半期では最大の伸びで、前年の3月末と比べると1年間で75万5千件65%の増加となったという。
このニューヨークタイムズ電子版の購読料4割増収は、トランプ政権批判が支持された結果とみられている。
これを日本の朝日新聞が報じたところ、「他所のことを記事にするより手前がやれ」と朝日新聞を批判するツイートをよく見たが、これは記事の読み違いである。そう批判できるのは、それがニューヨークタイムズなど外国の新聞ではなく日本国内の新聞だった場合である。
このニューヨークタイムズについての朝日新聞の記事は、外国と違って日本では政権批判なんて無理だという諦観を表明したものだ。
それなのに、朝日新聞に頑張れとけしかけるのは無責任である。どんなことでも自分でやらずに他者に言うのは簡単だし、それで応援するならともかく、だいたいの人は何もしない。
そもそも日本では無理なことだ。相手が強くても勇気をもって批判する者を応援する文化は、日本に存在しない。モノ申した者が迫害されると権力に便乗して一緒に叩くか、見て嘲笑うか。それが日本の伝統的思考と行動である。
その、ニューヨークタイムズが増益を発表した5月3日は朝日新聞阪神支局事件から30周年だが、これに「ゴミ記者を銃で処分した記念日めでたい」などネトウヨなどが異常者ぶりを発揮しているけれど、右翼はもちろん左翼とか人権派を自称してる連中でも、この話をしながら「ケッ、ケッ、ケッ」とか嫌らしく笑っている。そういう様子をことあるごとに何度も見てきた。
これはただ日本人の習性で、他人のことだと残酷が快く不幸が楽しいのだ。だから強者に媚び弱者を虐げ、これに異を唱える者は生意気だと迫害する。このため、臆病者や卑怯者であることを潔しとしない者は、日本が嫌いだということになってしまう。是々非々というだけで「反日」と言い出す人たちがいるのも、この構造によっている。
これをはっきりと認識して物事に当たるべきである。
by ruhiginoue
| 2017-05-07 11:31
| 社会