新聞が高価な景品や値引き販売を規制しているわけ
2017年 05月 28日
新聞業界が、公正競争規約を遵守すると宣言するチラシを配布した。この規約は、景品の提供を制限したり、値引き販売や無料提供を禁止するものだ。
このチラシを見た人が、これはカルテルであり新聞だけが特権を持っていて不当だと非難していた。
しかし、この制度の趣旨は報道と言論の自由を守るのが目的である。この規制がもしもなかったら、どうなるか。大企業や大富豪やカルト団体や外国の諜報機関が金を出し、高額な景品や無料や値引きにより自分らに都合の良い報道と論調の新聞を安売りさせ、そうでない新聞の経営を圧迫することができてしまう。
これを知らない人がいたというわけだ。この人は医師で、四人の子供がいると言っていた。その年齢からすると、90年代の当時はとうに成人していたはずだ。
あの時「自由競争」と言って規制を無くせと言い出した人たちがいたので、言論と報道の自由を守るべきだと声を上げた人たちがいる。筑紫哲也など報道の仕事をしている人たちは当然のこと、スポーツ選手だった長嶋茂雄らも加わっていた。
こうした、社会の中で起きたことに無関心でいる人が、それなりの地位にいて子供もあり、それでいて的外れなことを言っていることには、よく出くわす。だから個人を批判しても仕方ないが、どうしたらいいのかと困ってしまう。
ところで、かつて筑紫哲也が言っていた。新聞に活気がない原因は宅配だ、と。商売にとっては好都合でも報道にとっては良くない。いい記事が載ったからみんな読もうとして買うので売れる、ということであるべきだ。そういう指摘だった。
その点では、先日の朝日新聞が加計学園の件でスクープし大いに話題になり、コンビニや駅のスタンドから朝日新聞だけ早々に売り切れとなったことは、結構なことである。
by ruhiginoue
| 2017-05-28 17:58
| 社会