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by ruhiginoue

今日の朝日新聞に掲載された赤川次郎の投書と『プロメテウスの乙女』について

 今日の新聞各紙を買って読んだところ、国会の強行採決について最も力がこもっていたのは東京新聞だったが、毎日新聞は一面の見出しなど厳しい調子ではあるが公明党についてさりげなく擁護していて、やはり前から言われているとおり創価学会との癒着の噂は本当なのではないかと思わせた。

 ところで朝日新聞の投書欄にはトップに作家の赤川次郎さんの投書が載っていた。共謀罪などを批判し「安倍さん、あなたが『改憲』を口にするのは100年早い」という厳しい言葉で結ばれていた。
 この投書の冒頭は、ウィーンフィルがナチに迎合したことを反省した話を引き合いに出していたが、政治の話をするさい大ファンのクラシック音楽の話題を用いるのは相変わらずである。

 もともと政治の話を真正面から語りたがらない赤川さんだが、主に推理小説を書いているので、社会の歪みが現象となって浮かぶ犯罪を題材とするなら、社会に批判的な視点が無いと書けないと述べていたことがある。
 そして今の時世は、かつて読んだ赤川作品『プロメテウスの乙女』が予言だったかのようである。

 これについて出版社の紹介によると「日本は急速に右傾化の方向を辿り始めた。武器輸出解禁、秘密警察によるスパイ狩、徴兵制の準備等、声なき声は圧殺され、軍国主義一色となった。さらに時の総理滝の肝入りで、国を愛するうら若き乙女の軍団が組織され、庶民に対する弾圧粛清は厳しいものとなった。戒厳令下、反対勢力は、体内に爆弾を埋めた3人の女性テロリストを滝首相の許へ派遣するが……。来るべき時代の恐怖を描く、近未来サスペンス小説の傑作」ということだ。

 そうした警告をちりばめながら、あくまで物語の本旨は、主人公の若い女性が恵まれた家庭の出身であった縁で弾圧する側に当然のように身を置いていたものの、なぜか最後に反体制側に寝返り自爆テロを実行しようとする動機の不明確な破滅である。
 これは他の赤川作品にも形を変えて様々なバリエーションとなり反復して描かれる。

 この作品の中で、国葬で葬送行進曲を演奏させられる指揮者が「ベートーヴェンは、こんな男のために作曲したのではない」と言って指揮棒をへし折り拒否し、権力に歯向かって逮捕の直前に自殺する挿話があり、これについては、芸人とくに音楽家がこんな蛮勇を発揮するわけがなく、逆にもっとも積極的に権力に迎合するはずだという指摘も、よくみかけた。
 こうした音楽界の体質を告発する赤川作品は無いと思うが(それとも知らないだけで存在しただろうか。あるなら教えてほしい)おそらく今日の投書のように日本以外の国では日本よりマシだったという話を赤川さんはしたかったのもしれない。

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 かつて読んだときは上記と違う表紙で、改定されたらしい。



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Commented by ケーキイーター at 2017-06-15 21:34 x
 凶暴な採決の仕方。私が書くと、文学的センスないね。
 ふうん。やはり、東京新聞て、ちょっぴり違うところあるんだ。きちんと読んだことないけど。
 以前、草加せんべいをかじっていて、歯が欠けた事があったので、懲りちゃった。
Commented by ruhiginoue at 2017-06-16 19:12
デーブスペクターも同じことを言ってました。
Commented by ケーキイーター at 2017-06-16 21:14 x
え? 「凶暴な採決」の事❓ それとも、草加せんべいの事? 採決の方かな? それから、凶暴な採血も嫌~。
Commented by ケーキイーター at 2017-06-16 21:22 x
え~と。たった今、ツィッターの方を読んだところです。
 やはり、採血されるのは嫌~~。
Commented by ケーキイーター at 2017-06-16 21:24 x
これを書き忘れていた。赤川さんの著書を読んだことが無かったの。
Commented by 名無し at 2017-06-17 11:55 x
共謀罪をゴリ押しした側と賛成で持ち上げた側のマスコミの情報操作方法は
本当に何か変です。あくまでも史実ではなくて
テレヴィジョンの中の水戸黄門アンチだとしか思えません。

国民の大多数がハハート平伏して、かつ「和の政治」の模範的存在としても
賛成する最強の切り札なる存在の紹介と投入を全くしていないからです。
特に日本人は「成功した先例がある」とか「隣の芝生は良く見える」にも
弱い民族であるのに、こういった情念に訴える作戦も賛成側は一切行っておりません。

ググれば幾らかの詳細が判明するのですが、インドのナレンドラ=モディ現総理は
安倍総理とは単なるお友達の範疇を越えて義兄弟の契りを結んだ存在であり、
モディ総理が兄貴分・安倍総理が弟分でして、インド連邦では共謀罪改正運用の
一環としてマネロン防止法改正案実行運用での電撃作戦大成功を収めた事実を、
なぜか共謀罪推進派の日本の大きなマスコミは紙面でも電子版でも取り上げておりません。

日本のマスコミ媒体は、単に取材費をケチりたいセコイ側面だけではなくて
機能不全家庭研究者の一人でおバカ低知能な存在ゆえに却って人気者になった
御堂諦(みどうあきら)氏の説の通りにボンビーになってるのかも知れませんね。
Commented by 名無し at 2017-06-17 15:57 x
やや訂正致します。
日本の支配者層という人々は「徳川家康脳」ではないでしょうか?
世界有数の財閥にのし上がっても、個人的に自由裁量で私用できる
金額は地位の高さの割には非常に小さいという意味において。
徳川家斉でさえも個人的理由を動機としての自由裁量で使えた金額は、
当時のオランダ軍大尉ほどいう長崎ネーデルランド商館長の記述があります。
何と「日本は社会主義国か?」との決め台詞もありました。

2009年6月の第一次麻生政権の時にアメリカ合州国政府との交渉で
日本政府が保有するアメリカ政府発行の国債の持ち主名義人を
IMF世界銀行に書き換える行為は、日本政府の独断で行ってよいとの
大成果を得ました。日本政府の財政健全さは、ドイツ連邦を遥かに
凌駕する超弩級黒字経営であります。なのに日本政府の支配者が
在住している居宅はアメリカ合州国市民の中産階級の邸宅と比較致しますと
ボンビーな構造でもあります。

Commented by keitan020211 at 2017-06-17 16:51
民主党など、野党が必ずや潰れてゆくのは赤川次郎のような人物に支持されるに相応しい政党たり得ていないと思われるからでしょう。
願わしいことではあるけれど、要求値が高過ぎると思います。
Commented by ruhiginoue at 2017-06-17 17:41
進歩的な立場から社会に向けて発言したいが党派性を出したくないという人たちばかりで八十年代に集会を開いたら、そこに参加した人は大物とか売れっ子ばかりで、赤川次郎さんのほかには黒澤明監督などが居ました。
そういう思いがあるのは当然でしょう。
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by ruhiginoue | 2017-06-15 20:36 | 文学 | Comments(9)