NHKから国民を守る党の非常識
2017年 07月 07日
先の東京都議会議員選挙で、「NHKから国民を守る党」の立花孝志という人が葛飾区(定数4)から立候補し、4463票で候補者8人中最下位の落選だった。最下位当選は2万2120票。それでもまた立候補を予定しているらしい。
この人は船橋市議会議員の経験があるけれど、その後に団体を作ってさらに多くの支持を獲得しようとしたのだろうが、あの非常識では無理だろう。
もとNHK職員として、その当時に職場のやり方の汚さを直接知ったので、NHKの強引で詐欺的な受信料徴収に対してボイコットを呼びかけている、という運動には賛同する人が多かった。
それならいわゆるシングルイシューでNHK問題を訴えるべきだ。もちろんシングルイシューには他の争点が隠れるなど問題がある。そして法的に政党と認定されていなくても「党」を名乗るなら他の政策も標榜しないといけない。
そのためにたくさん調べたり勉強したりするべきだし、そこまでできなくても他の政党の政策を調べて、自分なりに賛同できるものに倣えばよい。
ところが立花孝志という人は一部に奇をてらったことを言うことで独自性を発揮していると錯覚しているようだ。
そしてNHK問題の他に挙げた唯一の政策とは福祉だが、なんと生活保護受給者を強制収容所に入れて強制労働させるというものだった。福祉の施設を作り能力に応じて働いてもらうとは言うが、ナチスの収容所だって能力に応じた労働であるし、生活困窮者を働かせるための場を作るというのでは前々世紀の「貧乏農場」である。
また、施設を作るのでは医療など様々な施設が必要だから余計に費用がかかるし、利権の温床にもなる。あのハンセン病隔離施設のような人権侵害にも発展することは必至で、その過去の失政が問題になり国も反省と謝罪をしている。
だから到底現実的ではないし、そもそも生活保護の根拠である生存権をまるで理解していない。
しかも、すでに非難轟々だが、立花孝志という人は、例の山口敬之「総理ベッタリ記者」を実名告発した詩織さんの件で、裁判所が証拠に基づき発行した逮捕状を刑事部長が横やりで執行させなかった問題について、「そうすることが正当」「準強姦は立証が困難だから」「いつもしていることと区別しにくいから」「自分だって酔いつぶれた女性を介抱したあとにセックスしたことが二回ある」と公言する非常識である。
これでは、最下位落選も当たり前であるし、今後も無理だろう。
こんな人がNHKの職員だったということは、TBSだけでなくNHKでも同じことをしている男がいるのだろうと思われるだろう。それで受信料ボイコットがさらに増えたら結構なことではあるが。
by ruhiginoue
| 2017-07-07 19:50
| 政治