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by ruhiginoue

チケット詐欺で誤認逮捕は裁判所が悪い

 なるほど、ちょっとした閃きだったのだろう。

 中学三年生の女子が、ネット上で、専門学校生の21歳の女性から人気アイドルグループのコンサート・チケットを譲り受ける交渉をし、その話がまとまると自分ではなく、やはりチケットを求めている他の女性に成りすまして、そちらへチケットを送付するように指定した。

 そうとは知らない専門学校生の女性は、指定されたとおり他の女性にチケットを送付し、この代金は専門学校生ではなく売買サイトを通じて中三女子の口座に振り込まれた。これで中三女子は丸儲けである。
 しかし、この他の女性にとっては、チケットを入手してその代金を支払ったので取引が無事終了である。

 それとともに、中三女子は今度は専門学校生になりすまして、やはりチケットを求める高校生など更に別の女性らと交渉し、専門学校生の口座に代金を振り込ませた。
 こうして専門学校生には、その女子高生など別の女性たちからチケットの代金が振り込まれ、これを専門学校生は、先にチケットを送付した他の女性から振り込まれた代金と受けとめて、これで取引は終了したと思った。

 ところが、女子高生らは代金を振り込んだのにチケットが届かない。それで詐欺の被害に遭ったのではないかと疑って警察に相談した。
 こうなると、専門学校生が女子高生などから代金を受け取っておいて商品を渡さなかったと見られてしまう。そして専門学校生は詐欺の疑いで警察に逮捕されてしまった。

 この事件について、今、機器の進歩によりネットでの犯罪は、思いついたら年少者でも簡単に実行できると指摘したうえで、この防止策をどうするかについて説く人の談話が、マスコミに掲載されている。
 ただ、もともと年少者が、犯罪になるということまでは考えが及ばず、ちょっと閃いてグッドアイデアだと実行してしまう話は、よくある。
 例えば、前に小学生がネットで株の売買を知り、小遣いで少額の購入をすると、捏造話で株価を釣り上げ売却益を得ていた事件があった。製薬会社の株を買ってから、同社が画期的な新薬を開発したという噂を各サイトに書き込む、という手口であった。
 こういうのは「風説の流布」という犯罪であり、なぜなら経済を混乱させるからで、当然だと少し考えればわかるが、年少者には考えられない。
 
 だから防止策も必要だが、今回のチケット詐欺は手の込んだこととはいえ中学生がやったことで、誤認逮捕された専門学校生が一貫して否認しているのに、まともに調べず19日も拘留した警察の対応が問題だ。
 このあと専門学校生の女性が自ら郵送の記録を取り寄せて検察に提出したことで真相が判明したが、それは警察が最初にやることだった。
 もともと、日本の警察は、一旦目星をつけたら何が何でも犯人に仕立てようとして事実確認をしようとしない。
 そうなるのも、そんなやり方が裁判で通用するからだ。いくら警察と検察が杜撰だったり無茶苦茶だったりしても、裁判所が追認しなければ、警察も検察も改めざるを得ない。
 だから、最も悪いのは多くの裁判官たちである。




by ruhiginoue | 2017-09-12 12:33 | 司法