世界情勢を読めていない日本の政治家たち
2017年 09月 14日
ミサイル開発と核開発の実験により米朝対立が深まっていることから、拉致問題の解決が遠のいていると関係者は危機感を抱き、それについて訴えるため訪米するなどしていると報じられている。
そもそも拉致問題は、南部韓民国と間にある離散家族問題とともに、北部朝鮮共和国が解決に向けて前向きになり、恥を忍んで大幅な譲歩をしていた。対決姿勢一辺倒ではなく近隣国との融和と国際協調の路線をとるべき時期ではないかと北朝鮮側が判断し、またそうするほうが利益にもなるとロシアなどから説得されて、このほうが現実的であろうと、その時は判断したからた。
そこへアメリカが付け込んで介入してきた。「不意打ち食らった」と金正日は言ったと伝えられる。そしてロシアも怒った。この結果が今の状態である。
また、北朝鮮は中東やアフリカと、経済や軍事で密接な関係があった。だから欧米とその同調国が制裁をしても「抜け道」がある。険悪になっていたミャンマーとも「敵の敵は味方」ということで手を組んでいた。
ところが、中東やアフリカで欧米がそそのかした「アラブの春」「民主化」の偽装とそれに協力する名目でNATOの軍事介入があり、これでイラクにつづきエジプトやリビアでの政権転覆とシリアの内戦が起こされ、ミャンマーでは今でこそ化けの皮が剥げたスーチー女史が民主化のリーダーとしてノーベル平和賞を授けられたうえアメリカの傀儡政権を樹立した。
だから、日本では欧米メディアの受け売りやNATO軍記者クラブからの垂れ流しばかり報道されているため欺かれているけれど、北朝鮮はもともと建設や軍事の技術者および医師などの交流があるため実態と真相を知っているので、直接の圧力と同時に外堀を埋められている現実に危機感を抱いた。
これでは、何を言われようと、どう圧力をかけられようと、断固として妥協しない。だから軍事開発も絶対にやめない。
つまり、軍拡はどこの国でもやめるべきだし、拉致などもってのほかであるが、しかし、もともと核拡散防止とは核兵器を持っている国が持たない国に対して危険だから持つなと説教するものだったし、そのうえ、既に一旦は外交で解決に向かっていたことがアメリカによりこじれてしまったという経緯であるから、こうした背景を理解しないと、単純に圧力の一辺倒で何とかなると錯覚するのだ。
ここで深刻なのは、これを日本の政治家たちが理解していないことだ。
この人達は自分に不都合な時だけマスメディアを目の敵にしていて、国際関係のように最も信じていけないことは鵜呑みにしている。
だから、諸外国が確信犯的に対応していることに対して、そうとは知らず真面目に同調してしまうのだ。そして困ったことになる。
by ruhiginoue
| 2017-09-14 18:15
| 国際