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by ruhiginoue

ミサイル騒動で映画のつまらない原因がわかった

 「この前、北朝鮮からミサイルが発射された時に、北海道の上空でゴーッって音が響き渡ったらしい」

 という女性の愚かなツイートを真に受けた人たちがいる一方で、デタラメを言うなという人たちもいた。そんな音はしていないし、冗談にしても、ありえないことだから真に受けるほうもバカだという指摘がされていた。上空のミサイルは音が空気を伝わってくるようなところにない。政府がプロバガンダに利用して危機を煽っているから、もっと低く飛んでいるかのように勘違いさせられたとしても無知すぎる。

 しかし、宇宙空間は空気が無いから音は伝わらないけど、『スターウォーズ』や『宇宙戦艦ヤマト』などのSF映画では宇宙で轟音がしてるから、勘違いする人もいるのかもしれない。宇宙空間が出てくるSF映画で音がしないのは『2001年宇宙の旅』くらいじゃなかった。あれはヘルメットの中で自分の呼吸の音ばかりが響いている描写だった。
 ただ、子供だって宇宙で音がするわけないとわかっているから、実際に音がしているのではなく効果音であると解釈してきたはずだ。非現実の映像を盛り上げるために効果音を入れているのだ。

 これでわかった。なんで最近の映画がつまらないのか。違和感がひどいからだ。CGの進歩でリアルな映像が好きなだけ作れるようになったのだから、音で煽る必要はなく、もう効果音も音楽も無用になったのだ。それなのに、昔と同じ表現をしていて不自然なのだ。
 昔、『キングコング対ゴジラ』で、大タコが出てキングコングと闘う場面があったけど、ここでタコはキングコングとゴジラのように着ぐるみとはいかないから、ほんとうの生きているタコをセットの中に入れるなどして相対的に大きく見せていたが、このためタコのニュルニュルした感じがリアルだった。
 そこへ音楽はタコのニュルニュルした動きに合わせてグリッサンドを多用したものになっていたが、作曲した伊福部昭は、本物のタコを使って撮影すると聞いたときは、なら音楽は無用ではないかと監督に言ったそうだ。怪獣は本物ではないから音楽で煽る必要があるけど、本物なら無用だろうということだ。

 また、セットとか特撮とか作り物の中で俳優が演技していても、どちらも現実ではないと思っているから違和感がないけれど、CGで本物そっくりに映像が作られた中に俳優がいると、無名の俳優なら問題ないが、スターとか有名な俳優が出ていると、そこで嘘だと感じてしまう。
 そうなっているのに、相変わらず効果音や音楽で煽ったりスターが出たりと、時代遅れになった方法で映画が作られている。もう俳優も、ほんらいの在り方である舞台にスターがいるべきだ。舞台なら映画とちがって外国人の役を演じたりしていても、もともと例えばシェークスピア劇に出ているのはローレンスオリビエであってハムレットではないと観客はわかっていて、古代ギリシャからドラマとは別人を演じて人間と物事の本質を理解するものだから、むしろ違うとわかっているものなのだ。だから「役者」というのだ。

 もし機会があったら映画を作ってみたいと思うけど、その場合、スターはもちろん有名な俳優はいっさい出さないし、出来れば姿も声も合成し、アニメ以上に完全な作り物として、非現実的な効果音と音楽は一切入れないだろう。




by ruhiginoue | 2017-09-18 21:51 | 映画