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by ruhiginoue

日本では投票の秘密が守られていない

 先に、最高裁判事の国民審査は色々な問題があるので棄権するよう呼びかけたが、そもそも信任するかを多数決によっているのが根本的に誤りなのである。

 例えばLGBT(性的少数者)の扱いが差別に当たり違憲と判断した最高裁判事がいたら、少数者の権利を認めたことに反感を持つ者は当然ながら多数派である。そうなると、どうしても国民審査で不信任する者は多くなる。しかし、この件に限らず、少数派の人権こそが特に憲法の問題になるものだ。
 なぜかといえば、ほんらい多数の利益とは一部の者が金力や暴力によって権力を欲しいままにしてはならないということであるから、権力を抑制するためにある憲法についての判断も強者に自制を促すものであり、それゆえ少数派が弱者である場合には多数の利益という論理を当てはめてはならず、逆に少数派の利益こそ尊重されなければ、憲法の存在意義が失われてしまう、ということになるからである。

 それなのに、最高裁判事が行った憲法判断についてどう思うかを材料にして、最高裁判事を信任するか否かを、多数決の対象にすること自体が不適切である。
 このような誤った制度は廃止しなければならない。

 また、日本の選挙は投票の秘密が十分に守られていないという問題もある。特に田舎がひどい。立会人が地元の人それも役所員や自治会長などだから無言の威圧になり、見慣れてくると候補者名や政党名の字の特徴と手の動きから投票先がだいたいわかってしまう。これは立会人をしたことがある人が、よく言っていることだ。
 だから、立会人は地元の人ではなく他所の自治体と互いに交換しあうようにしてやるべきだ。なのに、こんな当たり前で簡単なことが実施されていない。つまり投票の自由を守りたくなくて、それが利益になる者たちがいるということだ。「ムサシの集計機が~っ」と疑惑を叫ぶより前に、まず立会人をなるべく遠いところから呼ぶべきだ。

 そして、最高裁判事の国民審査は○×ではない。○と×を書くのでも手の動きが違うから後ろから見ていてもわかってしまうのに、不信任の時だけ×をつけるので、誰か最高裁判事を不信任したことがわかってしまう。これは田舎だと「お上に逆らう非国民」「アカ」であるので、昔から何も書かない人が多い。どう判断してよいかわからないという以前に村社会の威圧がある。

 こういう調子だから、憲法改正の発議で国民投票となったら、どうなるか言うまでもないだろう。



by ruhiginoue | 2017-10-19 14:58 | 政治