篠沢秀夫の死と週刊文春
2017年 10月 27日
フランス文学研究の元大学教授・篠沢秀夫が84歳で死去したとのこと。彼はテレビの人気番組『クイズダービー』に出演して有名になった。
これも司会・大橋巨泉の番組だったが、ケントギルバートと同様に、大橋巨泉の番組によって有名になった人には右翼としての発言を繰り返す人たちがいる。
ただ、ケントギルバートは事業に失敗して金に困っての商売だが、篠沢秀夫は信念の右翼だったようで、金のためというわけではなく歴史修正主義といわれる団体に賛同してきた。
これを「保守派の論客」と書いたマスメディアもあるが、この内容では保守ではなく極右というべきである。
ただし、基本はまともなので保守だと言うべき発言も彼はしていた。
その代表的な発言は、テレビ番組である少年事件が取りあげられたさいのことだ。
このとき週刊文春が少年の実名を報道したことについて、こんなことをするのは明らかに法律違反であると指摘され問題になっていたのに、ここで出演していた歌手の和田アキ子が良く考えもせず軽々しく支持した。
すると同席していた篠沢秀夫は、週刊文春はやってはいけないことをしたとキッパリと言った。そして和田アキ子がただの感情論で、週刊文春だけが正しくて、同じことをしない他のマスメディアが間違っている、と言うのに対し、篠沢秀夫は「そのような態度は人間社会が培ってきたものを否定することになる」と言って毅然と批判した。
このように言える人は、他の発言がどうであろうと保守であると言える。
一方、週刊文春は保守ではなく商売で権力にすり寄っているだけであることは、昔から定評がある。少年事件にしても、実名報道で騒ぎにして売りたいだけなのが見え見えであった。だから、その後、実名報道すれば何がどう有益で違法行為がどう許されるのかということを、きちんと説明できなかった。
この恥知らず商売をしてきたのが、今では月刊Hanadaという月刊willのエピゴーネン雑誌を発行している花田紀凱である。
かつて彼は週刊文春を週刊誌発行数一位にのし上げて「ミスター文春」とまで呼ばれたが、そのやり方がなりふり構わずで汚いと批判もされていて、そしたらついに不祥事を起こして辞めた、という人だ。
そして今ではあの山口敬之に勝手な放言を誌上でやらせてヒンシュクを買っているが、これも商売だということだろうか。
そうとばかりも言えない。昔から彼は女性が自己主張するとムキになって叩く性癖があり、これは業界では語り草だった。
どうであれ、篠沢秀夫には筋の通ったところがあったとだけは言える。
by ruhiginoue
| 2017-10-27 17:44
| 社会