学校に行かず自宅で学習することについて
2017年 11月 16日
韓国で14歳の女子が大学に合格したそうだ。韓国南東部の釜山にある霊山大学の法学科に、2018年度新入生の随時選考(日本の推薦入試に該当する試験。高校の内申点や面接、論述などの方式で進められる)に合格したという。
同じ年齢の子は中学3年生で来年は高校に入学するが、その女子はすでに小卒認定試験と中卒認定試験に合格していて、2017年に入って高卒認定試験に受かり大学入試に応募する資格を得て、ついに大学に合格した。
このイ・ジヨンさんは小学2年生の夏休みからホームスクール(自宅学習)をはじめた。彼女の母親は「ジヨンが幼い頃に英才教育の対象者として判定を受けるほど、非常に賢い面があった。従来の、学校という閉ざされた枠よりは、自由に学習できるホームスクールを選んだ」と明かした。
また「近所にはホームスクールの家庭があまりなく、生徒間での交流ができなくて残念でした。ジヨンが、10歳の弟の面倒を見て、家で勉強をしていたのが一番大変そうで、それが偉いと感じた部分」とも。
イ・ジヨンさんは「弟と携帯電話の使用をめぐってたびたび喧嘩した。それを協約書で解決した」「その時から、周囲の法的紛争に関心を持つようになった」と言い、それで法学科を選択したそうだ。
彼女は、大学に通って一番やりたいことを訊かれると「思う存分、図書館で本を読みたい」と語った。家庭環境のため、読みたい本をすべて読めなかったという。そして大学の総長と面談した後、すぐ図書館に向かってプラトン『国家論』を借りた。学校側は、彼女があまりにも本が好きなので、入学前の図書の貸し出しを特別に承諾したという。
このように、特別に熱心で優秀だったということだが、親が自由に意欲と才能を伸ばすべきだと考えた結果でもあり、また家庭の事情から大変でもあったというわけだ。
ここで日本の反応は、学校や職場などでみんなと一緒でなければいけないという同調圧力に悩んだり、過度にみんなとつながろうとして疲弊したり、という問題が指摘されている。
もともと、繋がることが奨励され、ひとりで過ごす人は「ぼっち」「非リア」などという言葉とともに、否定的なイメージで語られる風潮も指摘される。
これが問題として語られるということは、それだけ日本も洗練されてきて変わったということだ。一昔前には無下に否定されただけだったから。
かつて登校拒否の中学生が父親の理解により自宅で勉強し続けて司法試験に合格した、ということがあり、この報道に刺激されて自分も学校で教師や同級生に邪魔されず勉強したいと親に言ったことがあった。同級生も良くなかったが、それ以上に学校の教師たちがひどすぎた。
しかし、そういうことは羽仁進(映画監督)の娘みたいに親が文化人で祖父母もインテリ(羽仁五郎と羽仁説子)の家庭なら、家庭の環境が良くて世間からも一種の異端として認められるからできるが、そうでないと勉強する環境がなくて不可能なうえ近所の目もある。うちのような下流家庭では到底無理だと母親に言われてしまい、泣く泣く諦めた思い出がある。
by ruhiginoue
| 2017-11-16 15:58
| 学術