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by ruhiginoue

手段が目的に化けてしまうバザー

 国民的とも言われる人気アニメで主人公の父「ひろし」が二人いて、もちろん『ちびまる子ちゃん』のさくらひろしと『クレヨンしんちゃん』の野原ひろしだが、両者はお人よしであることだけは共通していて、他は大違いだと言われている。
 前者はぐうたらふうで、出勤して帰宅するような場面がたまにあるが仕事をしている場面がなく、自宅ではもっぱら酒に酔っていたりタバコふかしていたりだし、見識ある言動は皆無と言っていいから、ダメな夫・父と受け取られることが多い。
 後者は仕事に熱心な場面がよく出てくる働き者で、新聞の他に読書もするし見識ある言動がしばしば見受けられ理想の夫・父とも言われる。

 この二人の「ひろし」は、バザーで極端に違う行動をしている。
 さくらひろしは、引き出物の食器があるけどいっこうに使わないのでバザーに妻が出品したら、そうとは知らずにそれを買ってきてしまい、あればいつか使えるだろうし安かったから得したと満足げに言って妻を唖然とさせる大間抜けであった。
 野原ひろしは、妻がマフラーを編んでバザーに出品したのを見ていたが、なかなか売れないので密かに自分で買い、そうとは知らない妻が売れたと喜んでいるのを見て嬉しがり、仕事に行くさい家を出てから隠し持っていたマフラーを取り出して自分の首に巻いていた。

 ところで、このバザーに迷惑することが今もあるらしい。
 たとえば、ある小学校でクラブ活動用の備品を購入する5万円のためバザーを開催することになったが、ここで保護者約50人を動員し、商品の供出だけでなく一週間前から打ち合わせに何回か集まって当日は準備のために早朝集合したということで、これでは手間暇など色々と考えたら赤字に決まっていて、なら各家庭から1000円出したほうが効率がよくて楽なはずだ。

 このようなことは昔からだった。自分が小学校のとき、バザーをするので「不要なものを出してください」ではなく、引き出物とか似たようなものばかりでは売れないからと「これを出してください」と学年や組ごとに指定され、「うちに無かったら買って出してください」と言われてしまい、「それならお金を直接寄付すればいいのに」と親たち皆が言うのだが、教師とPTA役員たちの中にどうしてもバザーを行事としてやりたがる人がいて、誰もが迷惑したのだが強要されてしまったのだった。

 これは、親睦のための行事なら他にやることがいくらでもあるのに、役立つことをしようとバザーにしてしまい、みんなで力を合わせて資金を集めるということに拘るあまり、手段が目的と化してしまった、ということだろう。
 こういうことは他にもありそうだが、特にバザーは、金を作ることが目的であるけど、使途が教育とかチャリティーとかであるため資金は「浄財」でありたいということから、滑稽なことになりやすいのだろう。

 どうバザーがあろうと、自分の夫または父は、どちらの「ひろし」が良いかでは、みんな同じではないだろうか。
手段が目的に化けてしまうバザー_f0133526_16383120.jpg


by ruhiginoue | 2017-11-18 17:06 | 雑感