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by ruhiginoue

素手で便器を掃除させる精神

 学校の便所を掃除するさい素手で便器をこする作業を子供にやらせているところが話題になっているが、これは昔から一部の宗教系の学校がやっていてマスコミでも紹介されていた。

 ここに日本人の清潔感がよく出ていると指摘されている。素手でトイレ掃除なんて不潔極まりない行為が清めに転じる珍奇な信仰であり、同時に身体への屈辱という野蛮な行為により精神が浄化されるという精神主義も混ざっているというわけだ。
 もちろん、この異様な行為の現実とはノロウィルスなどに感染する危険であり、保健所から止めるように指導されるべき対象であるが、しかし昔から苦行と称して滝に打たれ熱を出す大和尚などがいて、これと同じことだから、くだらないからよせと説得することは困難である。

 こういうのがブラック企業に繋がっていくという指摘もある。
 こうした企業の研修をやらせている側は「バカになってやる」ことを身体で憶えさせるのだと公言していて、これについて佐高信が「社員がバカになってしまうのだから企業で不祥事が起きて当然だ」と批判していた。
 ただ、この「バカになってやる」は、自分が中学の時の一年と三年の担任だった教師がよく言っていたことであった。

 あの当時まだ一年生教師のほんとうに新人だったその若い先生は、自分のような生徒も平等にかまってくれた(当たり前のことだが、それをできない人がむしろ多い)から感謝していて、三年で再び担任になったとき「また先生が担任で嬉しい」とわざわざ言った(言われた先生は不可解そうだったが)ほどだった。
 だから、そんな人が変なことを言うものだと不可解だった。それにこの先生は東京理科大卒の理科担当で、なのになんで不合理な精神主義を説くのかということでも奇妙に思っていた。
 また、この先生はテレビの人気番組について問題があるから生徒に見るなと言うと、その批判の内容はいつも新聞のラジオ・テレビ欄に載っていた投書の受け売りなので、影響されやすく流されやすい人なのだとも思った。

 この先生が掃除のことで一生懸命やれというのはよくて、ただ指図するだけでなく一緒になって床拭きなどもやって「もっとリキ入れろ」と言われると頑張ろうという気になった。そういうキャラだった。
 しかし、「バカになってやるんだ」とも言って、その意味が理解できない生徒がいたり、理解しても不合理だと思う生徒がいたり、という当たり前の反応に対して「なんでわからないんだ。泣きたいよ」などと言って、一度は本当に涙ぐんだことがある。

 そして今思うのは、この先生だけなら、いい人だから問題ないけれど、こういういい人がいると必ず悪いことに利用しようと考える人たちが出てきてしまう、という現実と向き合わなければならないということだ。




by ruhiginoue | 2017-11-29 19:21 | 社会