ハリセンボンバッチと財務省の文書改竄
2018年 04月 01日
「♪ゆびきりげんまん、うそついたら、はりせんぼんのーます」
というのは、周知のとおり約束するさいに命がけで破ったら殺すという意味だ。
ただし、これは子供が冗談でやることだ。わざと大げさなことを言うわけで、それにしても言っている意味は冗談では済まない。「ゆびきり」とは命がけの誓いで指を切断して渡すという意味だ。昔は野蛮だったことに加えて、それだけ深刻な約束をすることが今とは違って在ったのだ。
それを簡単に冗談の遊戯でやるとは不謹慎だが、続けて「げんまん」と言う。これは拳万であり、拳で万の回数殴るという意味だ。さらに「はりせんぼんのます」とは針を千本飲ませるという意味である。魚ハリセンボンのことではないかとも言われ、これを否定する説もあるが、あの全身トゲトゲを飲まされてはたまらない。
このように恐ろしい意味であるのに、無邪気に唄われてきた。
ところで、四月一日は嘘をついても良い「エイプリルフール」(四月馬鹿)の日であるが、もちろんこれは冗談で済む嘘という意味だ。これをネタにした『ドラえもん』の「ハリセンボンバッチ」というエピソードがある。魚のハリセンボンを型取ったバッチで、これを付けている人に対しては嘘がつけないという道具である。もしも嘘をついたらハリセンボンバッチが「ノーマス」と言い、すると嘘でなくなるようにしなければならなくなる。
それで、のび太が(すぐ真に受けるのもマヌケだが)ひっかけられてばかりなので、ドラえもんがハリセンボンバッチがを出してくれる。するとジャイアンやスネ夫がのび太に、これをやると嘘をついてハリセンボンバッチが「ノーマス」するとジャイアンもスネ夫も勝手に身体が動いてしまう。大事なものをやりたくないと言いながらその意思に反して身体が動いてしまうスネ夫の様子は気の毒だが痛快である。
しかし、しずかちゃんが指摘する。嘘でガッカリではなく嘘でよかったいうことでないと冗談やユーモアと言えない。ではどうすればいいかと実践して「のび太さん、あなたの家が火事よ」「ノーマス」しずかちゃんはマッチを持ちのび太の家へ放火しに向かい、のび太が大慌て、という凄いオチで笑えた。
しかし笑っていられない財務省の公文書改竄は、このハリセンボンバッチのオチと同じことだろう。問題になった後から嘘でないことにしようとし、それも嘘ついたらいけないというのではなく火事をほんとうにするため放火するようなものだから。
いったい、財務省にとって誰が(あるいは何が)ハリセンボンバッヂの役割を果たしたのだろうか。パンチ百発とか針千本でなく自殺に追い込まれた人までいるのだから、ドラえもんのひみつ道具どころではないものが現実に存在したこになる。
by ruhiginoue
| 2018-04-01 06:32
| 社会