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by ruhiginoue

「ペットセマタリー」 スチーブン=キング

 ベジャパダル発ロイター伝によると、インドの小さな村で、埋葬3日後の遺体が家族によって掘り起こされ、呪術師による蘇生が試みられたが、駄目だったので家族は遺体を再び埋葬したそうだ。
 インドでは、特に僻地では、劣悪な教育制度のために数百万人が教育を受けられず読み書きができないため迷信がはびこっているとしている。
 しかし、家族の死の悲しみから、迷信だろうとオカルトだろうと藁にもすがりたくなる心情がある。これを現代アメリカが舞台のスチーブン=キングの小説「ペットセマタリー」は、呪術によって家族の死体を生き返らせるというホラーの形をとって巧みに描いている。
 だから、インドの教育が遅れているためだけではない。
 アメリカも、とくに保守的な田舎では、学校で進化論ではなく天地創造説を教えるべきだという人たちがいる。イエス・キリストが死後復活したという聖書物語を史実だと信じ、学校でも教えろという宗教ロビイストらは政界に影響力絶大だ。ブッシュ大統領がアル中のとき相談者だった宗教家は、キリスト教原理主義以外は全否定で、この影響がイラク戦争にも及んで悲惨なことになっていることは周知のとおり。
 日本でも、イタコの口寄せや霊媒といった伝承・伝説があるが、それどころか、テレビに堂々と霊能者などと称する人たちが出て、死者の霊と話が出来るとか最新医学でもだめな病気を治せるなどと言う。
 学校教育が充実していても、オウム真理教にみられるとおり、大学院まで行った高学歴者が、修行して超能力を会得などと信じており、そこには理科系も多くいた。
 歴史上の人物の霊媒と称し口まねをしてみせる「幸福の科学」の大川教祖は東京大学卒で、愛読書は渡部昇一の「知的生活の方法」。
 筑波大学にいたっては科学者出身福田学長が統一教会の熱心な支持者だったから、学内がすっかり同教会の原理運動の巣窟となったし、家庭教師派遣業で知られるふくろう博士こと古川のぼる氏も統一教会の「世界平和教授アカデミー」会員であることを公言している。
 森総理は「神の国」と発言して問題となったが、上記の実態という意味では当たっている。石原慎太郎都知事とインナートリップの霊友会との蜜月は有名で、まるで田中芳樹の「銀河英雄伝説」のトリューニヒトと地球教である。
 宗教団体製の政党が政権与党となって権力をふるっている状態はロバート=A=ハインラインの小説「もし、このままいったら」(早川文庫・動乱2100に収録)を彷彿とさせる。
 山口県光市事件では、犯人が死姦したのは蘇り儀式のつもりだったらしいと弁護士が言ったところ、そんなことないと非難されてしまった。犯人は頭がおかしかったというのが弁護士の主張であり、精神鑑定もした。それをここまで頭ごなしに否定するということは、死体を儀式で生き返らせると言っても異常者ではないということだ。そういう意味に事実上なってしまう。つまり、それだけオカルトに甘い土壌が日本の社会にもあるということだ。
 そもそも「人権派」には左よりで唯物論者の傾向があるから、今度の弁護士たちもオカルト発想する犯人を異常と考えたのだろう。ところが逆の立場の人たちから猛反発されてしまったらしい。
 
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by ruhiginoue | 2007-06-02 10:17 | 国際 | Comments(0)