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by ruhiginoue

苦し紛れの検察

 光市事件のやりなおし裁判で、赤ん坊の殺害について証言があった。
 被告は「赤ちゃんを落として死なせていたと思っていたが、取り調べの際、検事に『たたきつけない限りできない(頭の)あざがある』と言われ、そうなのかもしれないと思い認めた」と述べた。
 さて、これを検証してみよう。
 もともと検察は論告求刑などで「被告は赤ん坊が泣き止まないため激昂し、自分の頭上に持ち上げた姿勢から床に思いっきり叩き付けたが、まだ泣き止まなかったので首を絞めて殺した」と主張していた。
 これに対して被告は、「泣く赤ん坊をあやそうとしたが慌てていたため落としてしまった。叩き付けてはいない。首に紐を巻き付けたのはあやそうとしての飾り付けで、蝶結びにしたのであり絞めてはいない」と主張した。
 被告は身長が175センチで、それが頭上から床までとなると2メートルくらいになる。その高さからただ落ちただけでも、骨も固まっていない0歳児は死んでしまう確率が高い。しかも18歳の男性の力で思いっきり叩き付けたとしたらほぼ確実に即死だ。
 なのにまだ生きていて、だから首を絞めて殺したという検察の主張はどうもおかしいと言われてきた。また、0歳児なら強く絞めなくても蝶結び程度で窒息して死んでしまうことは充分に考えられる。
 このように、複数の法医学者が鑑定意見を述べており、したがって、もともと殺意はなく、誤って死なせたのもあり得るというのが弁護団の主張だった。
 してみると、被告の述べる「床に落として死なせたと思っていた」は、真偽はともかく少なくとも検察の主張よりは常識的である。
 ところが被告は、検察官に迎合させられてしまったと言う。記憶に反した不本意な調書を無理に認めさせられてしまったというのは、有実でも無実でもよくあることで、冤罪事件では定石ともいうパターンだ。このため本件では義憤にかられた弁護士たちが名乗りを上げたのだろう。
 しかし「意見よりまず証拠だ」
 すでに(裁判傍聴もせず、関係調書も閲覧せず、扇情的かつ政治的意図丸出しなマスコミ報道とネット風説だけに頼っている者以外にとっては)周知の通り、死んだ赤ん坊の遺体には、強打された痕跡も、首をきつく絞められた痕跡も無い。なのに、検察は何を根拠にして、かかる主張をしたのか。
 これについて、法廷で検察官は、赤ん坊が打撲傷を負っていないのは、「思いっきり床に叩き付けようとしながら、いったん手を止めたのではないか」と言って失笑を買っていた。激昂して思いっきり叩き付ける動作の途中で、何で手を止めるのか。そのうえ、それでも駄目だったから絞殺したというのは矛盾も甚だしい。だから検察側の鑑定人もお手上げの状態だ。
 これは裁判を記録した調書にも残されている。傍聴していた遺族も、もちろん目の前でのやりとりだからすべて知っている。そのためか最近はボルテージ低下が著しい。「検察に乗せられて引込みがつかなくなっているようだ。検察もむごいことをしたものだ」と、権力からセカンドレイプされてしまった遺族は、法曹関係者たちからも、報道関係者たちからも、同情されている。
 このことは同時に、取材した記者たちもわかっているということだ。実際に記事も書いていると聞く。しかし、今のところは、記事は没にされる。「事実でも、反感を買ったら商売に差し障ると上からのお達しだ」と。あくまで、「今のところは」である。


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by ruhiginoue | 2007-09-19 23:07 | 司法 | Comments(0)