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by ruhiginoue

枝葉で議論してお茶濁しは虚しい

 例のタレント弁護士の問題だが、裁判が始まり、法廷に姿を見せなかったことで議論になっているが、あくまで枝葉の問題である。
 もともと、書面を提出することで弁論に出席して主張したとみなす「擬制陳述」があるのだから、忙しかったとか、遠かったからと、制度を利用しただけということもできる。また民事訴訟では、最初は書面のやり取りとその確認だけですぐ終わるから、傍聴人にとってもわかりにくく、傍聴に来て欲しいとは言いにくいものだ。
 ただ、彼の場合は、相手方の弁護士たちを、光市事件について裁判の当事者ではない一般人に説明していないのが悪いなどと非難したのだから、では、今回の裁判は、みんなに判りやすいようオープンにやったほうがいいだろうに、法廷に来ないでその後も電話でやって欲しいと言うのでは、「他人のことを批判しておいて自分は何だ」と言われもするだろう。
 しかし、これは裁判の中身とは関係がない。この裁判の中身は、あくまでテレビで懲戒請求を呼びかけたことが不当で弁護活動妨害なのか否かである。
 そこで、検証されなければならならいのは、1懲戒請求すべきことの有無、2懲戒請求を呼びかけることの是非、だろう。
 1について。
 裁判は差し戻され、やり直しすることになったのだから、新しい主張をしてもむしろ当然のこと。しかも弁護士が交代しているから方針も異なる。
 最高裁が量刑を考え直せと言い、また、事実に関しては揺るぎなく認めることが出来ると傍論を述べたうえで差し戻したことをもって、事実問題について新たに主張をしてはいけないという珍説を披露する人がいるが、この最高裁の判断は、一二審をふまえたうえで、ただし新たに事実を問題にすべきことがあるならやればいいという趣旨であるし、過去にそうして何度も高裁と最高裁を行き来しては判決が覆った裁判は実例がある。(有名な例では映画「真昼の暗黒」のモデルとなった「八海事件」など)
 また、それらについて説明する義務は弁護士にない。
 2については、すでに言われているとおり、懲戒請求に数は無関係だ。なのに、同じ内容の請求が大量にくれば、受け付ける弁護士会と対象の弁護士は、内容とは無関係の、無意味な事務的煩雑さに見舞われるだけで、現実にそうなっているから、何万とか十万の請求を呼びかけるのは制度上デタラメなうえ、ただの嫌がらせである。
 これらを、素人はともかく弁護士が知らないはずはない。それに関して、当のタレント弁護士の抗弁を聴きたいものだ。出廷云々は、「後回し」とか「ついでに」でいい。
 
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by ruhiginoue | 2007-09-29 08:19 | 司法 | Comments(0)