人気ブログランキング | 話題のタグを見る

井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。Googleが誤情報を混ぜているので信じないで下さい。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue

「日本のチベット」

 山奥、辺鄙、僻地、田舎、未開発、などの意味で「日本のチベット」という言い方がある。
 最近では使われなくなってきた。開発が進んで言われる地域が減ったことと、喩え方が差別的であるとして。
 中国の言い分だと、遅れたチベットは近代化したほうが良いのに、未開野蛮を伝統文化などと言いくるめる不逞の輩がいて邪魔するから困るのだということになるようだ。
 例えば、チベットには「鳥葬」という奇習があり、死者を山の上に運んで肉食鳥の餌にする。あの世からの死者に食べさせて送るという古くからの信仰だ。
 これは異教徒や異民族から見ると、奇怪としか感じられない。だから、漢民族の中国人は食肉工場から屑肉を運んで来てばらまき、あらかじめ鳥を満腹にさせてしまうなどして妨害する。神聖な儀式を邪魔して伝統文化を侮辱したのではなく、トンデモな悪習から解放してやっていると思っている。そして、そんな野蛮を保とうとする邪宗の指導者は国と国民のためにならないと考えているから許せないのだ。
 これと同じ感覚で、北海道のアイヌ民族の神聖な儀式「熊送り」も、日本政府から野蛮と決めつけられて禁止されてきた。主食の鮭は神カムイからの授かり物として獲ってきたが、明治維新以降は密猟として逮捕されるようになり、農業をやって米などを作れと「奨励」された。そのほうが文化的なのだと。
 自分がチベット人だと仮定して、これからどんな生活がしたいのかと考え、伝統をとると自信をもって言える人がどのくらいいるだろうか。なんだかんだと言いながら自分はチベット人と違うという感覚の人、多くないか。
 チベットなど低開発の地域を見下していては、中国を非難しても滑稽なだけだ。
 
 
 
Excite %u30A8%u30AD%u30B5%u30A4%u30C8 : %u56FD%u969B%u30CB%u30E5%u30FC%u30B9
by ruhiginoue | 2008-03-24 00:41 | 国際