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by ruhiginoue

「移動じゃなくパンだ」

 「隠し砦の三悪人」がリメイクしてまた失敗しそうだ。
 黒澤明監督のこの映画でいちばん迫力があるのは、三船敏郎の侍が馬に乗って敵の騎兵たちを追撃し追いつきざまに連続して切り倒す場面。ジョン・ミリアスが「風とライオン」で真似していた。
 「あんな長い移動レール敷く予算があったら私でも撮れる」
 後輩監督に言われた黒澤明監督。
 「おい、あれが移動だと思っているのか」
 「移動じゃないんですか」
 「移動なんかぜんぜん使ってない。あれはパンだ」
 そもそも、あんな長いレール敷く場所はない。同じ所を何度も走らせて繰り返し撮った。走る馬の足下映像を挿入することでつなぎ、長い距離のように見せた。カメラは停止したところからパン撮影。パンだから背景が流れて疾走感が強くなる。そして繰り返し同じように撮影しているようでいて、次第に迫っている。近づいたのではなくレンズを交換している。
 それを「アラビアのロレンス」みたいにしたと勘違いした人がいたということ。
 黒澤明監督は金をかけたから迫力のある活劇が撮れたのではない。特撮とかCGを使ったのではない。映画技術の基本を踏まえて表現していたということ。

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Commented by yam at 2008-05-01 15:28 x
ちょっと補足すると、望遠を使ってパンすると、移動撮影したような効果が得られます。だから「後輩監督」は間違えたんでしょう。
Commented by ruhiginoue at 2008-05-02 07:04
 なるほど。望遠で深くなると背景がただ横に流れるように感じるでしょうね。
by ruhiginoue | 2008-04-26 04:10 | 映画 | Comments(2)