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by ruhiginoue

刑事事件の公訴時効

 殺人は時効があるべきかとの問題提起があるが、それについては前提がしつかりしていないと、まともな議論にはならない。 
 まず、時間が経過すると処罰感情が薄れるということは、もともと大した理由ではない。なんで刑事罰があるのかは、応報とか教育とか抑止とかいろいろ説があって、意見は分かれているから何とも言えないのだ。
 問題は、正しい裁判になるかである。
 時間が経過すると証拠が散逸するからわからなくなるが、科学捜査の進歩で解決できるというが、現実は違う。
 そもそも日本では昔も今も刑事事件の証拠の王様は自白である。だから、時間が経過すると忘れてしまうからダメだという程度のことである。
 そして自白の現実とは惨憺たるもので、弁護士もつかず警察官に取り囲まれて、密室で取り調べられる。これはアメリカの法務省が世界の現状を比較した報告書の中で、日本は北朝鮮とともにトンデモなやり方をしていると批判したほどだ。
 拷問や誘導や時には勝手に書かれた調書に数人で押さえつけられて力づくで拇印を押されて、それがどんなに内容的につじつまが合わず怪しくても、裁判では内容とは無関係に「自白に高度の信用性がある」「全体的には矛盾していても主要な部分では信用できる」という紋切り型で有罪にするとの不文律がある。この判決文の言葉は裁判官用のワープロに登録されていて、ワープロがなかった昔はハンコになっていたと言われているほどだ。
 三浦和義氏の話が出たが、彼も勝手に作られた自白調書に力づくで拇印を押されそうになったため指を噛み切って抵抗した。指はちぎれなかったが負傷したので捺印できなくなったらしい。
 DNA鑑定も実は、刑事事件だと病院で検査するのと違い、僅かだったり汚れていたり混濁していたりしているから、正確でないことが多い。もちろん、捏造も少なくない。
 それに、裁判ではまず有罪ありきだから、物的証拠の科学的な検証と矛盾していても、自白が優先されたり、自白が無いと怪しげな目撃証言が採用されてしまう。
 つまり、最初から無視されてきた科学捜査の進歩など、意味がないのが現状なのだ。
 それに、いいかげんな捜査であれば長い時間かけても無駄なことに変わりはない。時効撤廃に唯一意義があるとしたら、ごくたまに犯人が偶然に判明することがあり、そのときだけだろう。
 しかも、科学捜査の証拠捏造として有名な「弘前大学教授夫人殺害事件」のように、真犯人が時効だと知って、自分の身代わりに捕まった無実の人を助けようと名乗り出た事件があるし、被告の死後に再審で冤罪と認められた「徳島ラジオ商殺し事件」のように、被告が、裁判よりも時効によって犯人が名乗り出るのを期待して上告を取り下げて、実際に犯人という者が名乗り出た(警察が不注意で逃がしてしまったが)のようなこともあるから、冤罪大国日本としてはむしろ時効を無くするより短くしたほうがまだチットはマシではないかというのも実態である。
 
 
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by ruhiginoue | 2008-06-22 12:19 | 司法 | Comments(0)