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by ruhiginoue

この国の社会は大人に大甘で子供に冷酷

 犯罪をしでかして捕まった者が、酒を飲んで泥酔していて何も覚えていないと言うことがよくある。ほんとうに何も覚えていないとしても、大人なら、自分が悪い。しかし、子供が自分の意志に反して大人から無理強いされたのだったら、どうだろうか。悪いことをしたけれど子供はむしろ可哀想で、責任は大人にあるはずだ。
 ところが少年犯罪のたびに、大人の責任を問わず子供ばかり責める。未成年者に実名報道しろとか厳罰とか死刑などと言う人たちは、悪いことをさせた大人の責任を追及しない。それは、なんてことはない、自分がだらしない大人だからというだけのことではないか。子供を犯罪に走らせた出来損ないの大人と同類である自分を認めたくないのだろう。未熟な子供のしたことだから責任は成熟した大人にあるということになると困るのだろう。自分が大人らしからぬ低い程度だから自信がないのだ。しかし自分がバカだとは信じたくないので、子供のほうが狡猾なんだと思い込む。そして子供は責任をとれると言い張る。
 光市事件なんて、その最たるものだ。
 あの犯行は内容からして頭がおかしくなければ到底できることではないが、産まれてから事件を起こす前々日まで父親の暴力を受け続け、失神や重傷を負うことも度々だった。母親も殴られ続けて自殺。その死体を少年は目の当たりにしてしまい、それから異常な言動に拍車がかかり、ついに数年後あの忌まわしい事件を起こす。
 妻を自殺に追いやり、親父のせいで頭がおかしくなった息子が他所の母親と赤ん坊を殺し、そのため息子は死刑囚になった。だから直接手にかけたのではないが4人殺したも同然である。4人も殺せば死刑のはずだが、この父親は妻に自殺されても反省の色無く、息子への暴力は続き、フィリビン人の女性を後妻として他は知らん顔だそうである。
 ところが、息子のほうを「殺せ」「死刑」と叫ぶ声はやかましいほどだが、父親に対しては静かすぎるほどだ。
 この社会は暴力親父には甘い。なんせ、夫の暴力で離婚を訴えた女性に対して、裁判官が「殴るには理由があるからだ。私だって妻を殴ることがある」と言い放った有名な裁判例があるし、家庭裁判所の参与員なんて老人が暇潰しにやってきて古い考えを押し付けることが多いから、裁判官よりもっとひどい。人権擁護委員も、田舎ではただの名誉職でしかないから似たようなもので、夫の暴力には我慢しろとか「人間は忍耐が大切だ」と延々と説教された女性もいる。
 女性と子供が暴力から一時退避するシェルターを作ろうとすると「家族制度の崩壊につながる」と封建的家制度を今も信奉する人たちが反対する。人が不幸でも枠組みが守られるべきということだ。
 こうした「保守反動派」だけではなく、「左派」とか「人権派」の人たちにも、同類項は少なくない。人権擁護団体の活動家で、「女房を殴ったことがある」と言う人はゴロゴロいる。後悔して言うだけでなく、無反省に言う者もいる。
 そう言う情けない日本社会で、また少年が事件を起こした。親から「死んでしまえ」などと暴言を浴びせられたと言っている。そして、乗っ取ったバスの乗務員や、やってきた警官に、親の仕打ちを打ち明けていたという。訴えるところが無いから、いちおう有っても信用できないから、そうするしかなかったのだろう。
 
 
  
 
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Commented by どりぷ at 2008-07-18 02:12 x
「このクソガキぶん殴ってやる」
と言いたいところをグッとこらえて
「ごめんな、わたしがしっかりしないからおまえにこんなことさせちやったな」
と言うのが大人ってもんです。
そうすると子供は叱られるよりよほど反省するものです。
まあこれも、同じく言っても言い方が下手だと失敗します。
つまり問題は下手な大人が多いということでしょう。
左翼や自称人権派で家へ帰れば暴力亭主という奴がけっこういるものです。こう言う奴らが進歩的社会運動の足を引っ張っているのでしょう。
Commented by 禁煙中 at 2008-07-18 23:21 x
>人権擁護団体の活動家で、「女房を殴ったことがある」と言う人はゴロゴロいる。

井上ひさし。カイより始めろという言葉があるが、妻の人権すら考えない人間が、その他大勢の人の人権を心から考えているとは思えない。
Commented by ruhiginoue at 2008-07-19 01:45
 井上ひさし氏は、妻が浮気をしたのでブチ切れてしまい、思い詰めて自宅で首を吊る自殺未遂までしたそうだから、末期的な状態だったようです。
Commented by 仙頭麻有 at 2008-07-19 09:38 x
>こうした「保守反動派」だけではなく、「左派」とか「人権派」の人たちにも、同類項は少なくない。

彼らにとって、「思想」も「信条」も単なるアクセサリーに過ぎないのでしょう。「サヨク」(「左翼」ではない)になることが何となく「インテリジェンス」で、カッコイイと感じているだけなのです。エゴイスティックなヒロイズムに酔い、西洋かぶれしているだけの「学歴貴族」など、現実の被抑圧者たちを目の前にした時、たちまち醜い本性をさらけだしてしまうものなのです。
Commented by mujin at 2008-07-19 10:25 x
仙頭さんはもしかして「サヨク」をけなすことがカッコイイと思ってませんか。仙頭さんの思い描く「サヨク」像はあまりにリアリティがなく、ご自身の見聞ではなく他人の言葉の受け売りをしているような実在感の薄さがあります。
by ruhiginoue | 2008-07-18 00:25 | 社会 | Comments(5)