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by ruhiginoue

ほんとうに数学に関心がある?

 政府の教育再生懇談会は、小中高校の教科書を、自習に適した丁寧な記述にしてページ数を増すよう提案したそうだ。
 そこでは、日本の数学教科書が欧米と比べてページ数が少ないことが挙げられているが、数式や記号が中心の数学でも説明部分は言葉を使うのだから、言葉によって分の長さに差が出来るし、欧米語に比して日本語は同じ内容を表現しても短くなるのだから、単純にページ数で比較するのではなく記述の中身を比較するべきであろう。
 また、欧米とだけ比較するものいかがなものか。古代から数学大国だったインドは、コンピューター時代に向けた数学教育を熱心に幼児から行っている。なにせコンピューターの二進言語に不可欠な「0」が発案されたのはインドだから。
 数学の面白さは哲学的というか世界観的というか宇宙的というような考察があるからで、その点で日本の教育は抜けているということはフィールズ賞数学者の広中平祐氏などが指摘して来た。日本の学校は「読み書き算盤」の感覚で、それさえすればいいんだと言った自民党の国会議員がいたが、他にもそういう政治家と官僚が実に多い。
 この調子だと、その懇談会は、中身まで突っ込んだ話が解らないから単純な分量の比較をしていて、それも明治時代の鹿鳴館的発想から抜けられていないのではないかと疑われる。
 しかも算数と数学は考えて理解を深めるのではなく練習問題を増やせというのだから、あの無味乾燥で数字嫌いを増やす拷問のような「ドリル」から抜けられていない。そもそも、この懇談会が作られた経緯からすると、数学も理科も国語も英語もどうでもよくて実は社会科の一部にしか関心が無いのではないか。
 前出の広中平祐氏は、かつて時の中曽根総理が「教育改革」「教育臨調」と言い出したさい参考意見を求められて面会したとき、こう言ったそうだ。
 「スペインに優秀な学者が少ないのは、フランコ政権時代に大臣たちが内政問題に口出しできなくて仕方なく教育問題にばかり口を出していたからだ」
 解釈によっては痛烈な皮肉であるとして話題になったものだ。

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by ruhiginoue | 2008-07-29 07:06 | 学術 | Comments(0)