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by ruhiginoue

大野病院事件で控訴断念は政治的

 無罪判決を覆すのが難しいと検察が判断したと言うのは、ウソだと断定できる。それなら最初から起訴しないものだ。起訴したからには、面子にかけて控訴する。そしてとくに刑事事件の場合は、高裁では一回で弁論終結して同じ証拠によって強引に逆転有罪判決となるものだ。これを日本一露骨にやるのは周知のとおり東京高裁である。
 手を回さなくても、もともと日本の司法官僚の世界は、政府寄り検察寄り大企業寄りの判決をどれだけ厚顔に重ねるかによって、地裁から高裁さらに最高裁へと上昇して行く仕組みで、退官した後には天下りして仕事もせず高い給与を貰う構造が出来上がっている。
 先進国の裁判制度では、無罪になったら控訴不可か、それと同趣旨の制度であることが多い。有罪になって、それはおかしいというなら許されるというように、被疑者の利益を優先させるものだ。そして無罪になった後から別の証拠が出て来て有罪だと言える場合は、被害者が賠償を求める形になるなど、あくまで国民の利益を考える。
 ところが日本の制度は、国民ではなくお上の利益がはかられる。後から別の証拠が出たわけでもなく、同じ証拠で無罪をくつがえすよう控訴できて、しかも多くの高裁判事はまず逆転ありきの対応をする。検察官となれ合っている裁判官もいる。検察庁舎にマイカップが置いてある裁判官もいるほどだ。
 それでも控訴しないのは、したら余計な問題が起きそうな場合と相場が決まっている。だから敗訴しても金払って済ませ沈静化させようと考えたら控訴しない。
 あるいは、ハンセン病国賠訴訟のように、控訴するという官僚たちに対して、選挙目前ということで内閣から控訴断念するよう迫られた例もある。
 本件の場合は、医師たちが大騒ぎしたことで、おそらく厚生族議員を通じて圧力もかかっただろう。医学界のロビー活動は壮絶で、億単位の札束が舞うことなど日常茶飯事である。
 今は自民党にかつてのような力が無くなっていて、厚生族のボスだった橋本龍太郎元総理は死去し、総理クラスは一時身を退いている状態の小泉純一郎元総理が控えているだけであり、医師会のドン故竹見太郎の息子が自民党の国会議員だったが先の選挙で落選しているなどの状況である。そうでなければ、この事件は最初からもみ消されて裁判などならなかった可能性が高い。
 そもそも、この事件は、専門家が問題ありと指摘したから裁判沙汰となったものだ。ところが、病院の規模などから出来て当然の体制が整っていなかったという問題になるならともかく、たまたま担当した医師個人の責任にされる典型的な矮小化であった。
 つまり当の医師が無罪となったのは良いとしても、相当な程度の医療機関が充分な体制を保てない現状を作った政治の責任が消えるわけではない。これは医師たちも指摘している。
 また、これに便乗して、一切の免責を医師に与えよと運動するずうずうしい医師たちもいるが、専門家にあるまじき悪質なミスも現実に少なくないのだから、免責なんてゆきすぎもいいところだという指摘は医師たちからもある。
 しかも、なにか問題があったとき、医師たちが専門家として沈黙せずにいれば患者と社会のためによかったのに、という残念なことが数えきれないほどあるのに、たった一人であっても医師が渦中の人となったら、大勢の医師がどこから湧いて出たのかという感じで、声を上げ法廷の傍聴席を埋める。この現実には、医師の中にも「恥ずかしい」と言う人がいるほどだから、一般人の医師不信は増大して当然だ。だから無罪になったで済ませず、司法が介入するまえに専門家が公正に客観的に審査する制度の確立を急ぐべきだ。これは前から言われているが、なかなか実現しない。
 また、ネット上にいるニセ医師(本物だとしたらひどい出来損ない)のように、法的知識がなく俗語解釈での読み違えなどをして法曹批判している者は論外である。こういう軽率な人は、本業でも危ない。
 
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by ruhiginoue | 2008-08-30 03:54 | 司法 | Comments(0)