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by ruhiginoue

高校文化祭の苦い思い出

 東京にある私立高校で、文化祭の模擬店で使っていた家庭用ガスこんろが爆発し、生徒や文化祭に来ていた中学生計14人が負傷した。サッカー部員が焼きそばを売っていたそうだ。
 もっとも考えられる原因は、コンロを覆うようにして鉄板を置き過熱させてしまったことだ。
 この事故の報道により、高校の時の苦い思い出が蘇った。
 生徒会の役員をしていて文化祭の担当だった。何でも頭ごなしにダメダメという学校だったから、文化祭の模擬店も認められていなかった。それで他の学校の生徒などから、相変わらずつまらない文化祭だと言われ続けていた。
 そこで、生徒会や実行委員会が、他の学校の生徒会から情報を仕入れたり、衛生問題について法的規制をクリアするためにはどうすればいいか保健所に問い合わせるなどしたうえで学校側と交渉した。そして頑張った甲斐があり、職員会議の決定は、今年は模擬店などを許可するということになった。
 そして文化祭は盛り上がったが、苦情や批判があった。「高校生が食品を扱ったり火を使ったりして大丈夫なのか」、「教育の場で、文化祭といいながらテキ屋みたいな商売をしてはいけない」、などと。
 これらは学校に匿名の電話もあったし、PTA会報に堂々と書いた人もいた。この人は卒業式で保護者代表として挨拶する立場であり、そのためか校長も追従した。
 これには我慢できなくて、生徒総会で反論の意見を述べたのだが、不規則発言とされ議事録に載らなかったし、話している最中にヤジが飛んで妨害もされた。ヤジった生徒の中には、文化祭で大いに盛り上がって喜んでいたはずの人もいた。「自分は文化祭が楽しかったけど、生意気なことをいう奴はウザイ」ということだ。
 また、学校の禁止に対して、いろいろ調べて理論武装したうえ交渉したことについても、生徒に不利益になるから認めないほうが良かったと言う意見が教師たちに根強かった。100パーセントの進学校ではなく、しかも田舎だったので、卒業してすぐ地元の企業に就職する者もいる。それが不利になる恐れがあると言うのだ。生徒が交渉を仕掛けるような学校の卒業生では、「就職させると労働組合運動が熱心になるのではないか」などと心配されてしまうかも知れない。そんな疑心暗鬼になったわけだ。実際にどうかはともかく、ある程度は現実味があり、少なくとも空想次元のことではない。
 そして、生徒会の顧問の教師から、これ以上は何も言うなと注意された。「就職する者のことも考えろ」とか、「幸い、食中毒などの事故が無かったけれど、何かあったらどうする」などと。そして極めつけはこうだ。
 「教師が責任をとらされるだけではなく、お前たち役員も、他の生徒たちから恨まれるんだぞ。イプセンの『民衆の敵』みたいになるぞ」
 
 

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Commented by なんとも・・ at 2008-09-20 20:21 x
悲しい高校生活でしたね。教師は事故にならない様アドバイスしながら生徒の活動を見守るのが仕事で、何かあった時は一緒に頭を下げてくれる大人だった時代は本当に遥か彼方の夢物語になってしまったのですね。盛り上がった文化祭は一生の心の宝になって、大げさに思えるかも知れませんが、その後の人生の生きる力にもなり得るのにな〜。
Commented by アーバンカントリー at 2008-09-20 21:17 x
おたくの高校がどのくらい僻地かは存じませんが、田舎って一般にそうですよね。私の子供が学校に行くようになったら越境してでもなるべく田舎は避けてやろうと思います。
Commented by 汝臣民 at 2008-09-20 22:40 x
自分は文化祭を楽しんでおきながら、そのために尽力した役員が教師やPTAと対立したから生意気だとはね。
なんて奴だ、と思ったところで気づいたのだった。奴隷根性の染み付いた民衆のいつの世も変わらない反応なのだなと。
Commented by マイノリティ at 2008-09-21 21:32 x
このような事故は学生に限らず大人のキャンプでもありうる。小学生のキャンプでも知識があれば事故にはならない。これは知識の問題である。

だから、
>「教師が責任をとらされるだけではなく、お前たち役員も、他の生徒たちから恨まれるんだぞ。イプセンの『民衆の敵』みたいになるぞ」
マイノリティ続き・・・だから止めろということでない。それでもやりたいのであれば安全についても衛生問題についても勉強し、安全管理も徹底し問題が起きたときの回答まで用意しておく必要がある。さあガンバレよ。

世の勝者と敗者の分かれ目は「知識と知恵」にあるだろう。もちろん運が介在するから100%とは言えないが・・・

だからブログ主の思い出はいいセン行っていたのに、戦い方の落としどころが「単に権力との戦い」となってしまい「教育への有効性を阻害する学校との戦い」では無くなった所に敗因があるように思う。いずれにしても勉強になった思い出となっているハズだ。
Commented by ruhiginoue at 2008-09-21 22:43
 ご指摘があったように、危ないから禁止ではなく、危なくないように出来るよう指導するのが教育ですが、そう考えられるのは日本の現状では進歩的なほうに属し、田舎では何もしない以外は過激であると受け取られます。
 また、どんなに注意しても、何か起きないとは限らず、不可抗力によるものでも、起きてしまえば「そら見たことか」と言われる覚悟はしなければなりません。それは賭けで、負けるリスクをどのくらい低下させられるかということが課題でしょう。
 しかし、賭けなければ当たった配当も外れた損失もない。だから良い方の確率を高めようと努力するべきだと考える人もいれば、何も得られないけれど失敗のリスクは犯したくないという人もいます。
 教師たちは、どうせお前たちは後者のほうにするしか無いのだと言って、生徒への不信を露にしてました。
 そう思われるのも当然で、最初は不満を言っていた生徒も、社会人になって現実が見えて来た位の時期になると、教師の措置に感謝するようになりました。
 「おかげさまで、私たちは可も無く不可も無く、社会的成功者にはほど遠いけれど平凡になんとか暮らしていけているのだ」などと同級生たちは言ってます。
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by ruhiginoue | 2008-09-20 17:17 | 社会 | Comments(5)