井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

カテゴリ:司法( 512 )

 選挙のついでに民主的な制度のふりをした有害無益な最高裁判事の国民審査が行われる。ここで、この裁判官を不信任しようという呼びかけがされているが、愚かなことだ。

 もちろん、自分としては辞めさせたい最高裁判事がいるけれど、その一方では良い仕事をしていると確信する最高裁判事もいる。
 そして、自分が評価している理由が逆に気に入らず辞めさせたいと言う人達もいる。

 つまり価値観の違いだ。それによって信任か否かと決めるべきではない。なぜなら司法は政治と違うし人気商売でもないからだ。それを投票したところで民主的ではない。こんな制度は廃止すべきであるから、みんな投票を棄権しよう。

 また、毎度のことだが、最高裁判事の審査にさいし、その簡単な経歴と仕事ぶりについて漠然とした情報が与えられていて、これで判断せよというのだから殆どの人たちはわからなくて困るし、そのうえ無知な人達が、わかったふりしたり、わかったと錯覚したりで、デタラメを言い散らしている。
 これは、審査される最高裁判事の関与した裁判について、法律を全然知らない人達の勝手な思い込みによる低劣な扇動である。

 もともと、判例時報でさえ裁判官や弁護士が読んで、その曲解にいい加減にしろと怒りたくなることがあるのだから、まして新聞記事などマスコミ報道はいいかげんな要約をしていることが珍しくない。
 かつて自分が勝訴した裁判について、相手が負けた愚痴を自分のブログに書いていたが、そこで裁判官を罵りながら判決の要旨が滅茶苦茶だったから、同じ被告が別件でも被告になっていたところで、こういうデタラメを書いていたと複写を見せ「チクって」やったのだが、担当の裁判官は率直に話す女性で「まあ、しかし新聞の記事だって司法記者が書いているはずなのに変な要約していることがよくあるのだから、素人ならしょうがないでしょう」と言った。

 なのに、二次情報であるマスコミの報道だけに頼って、裁判の内容を咀嚼しないで記事の切り貼りしたうえで騒いでいる人が大勢いるのだ。
 しかもネットで適当に知っふりしただけのことが多い。例えばあの憲法学の新鋭とマスコミに取り上げられる木村草太という人が最高裁について批判していると言う人の話をよく見たら、そのリンク先は有料会員しか読めない記事で、実際は彼が何と言っているか趣旨を知らなかったから、読みもせず見出しだけ利用しているのがバレバレだった。
 このような人がネット上には多い。

 あと、裁判所は全国各地にあるが最高裁は一つしか無いので全国から上告が集まり、最高裁には最高裁判事でない大勢の裁判官が勤務し下請けで振るいにかけているから、あの判事なら話を聞いてくれるはずだという期待がたくさん裏切られる、という話は前にした。
 このような実態を知らない人ばかり、というより知ることがほとんどできない。かくいう自分だって、東京地裁で原告の立場のさいに、たまたま当たった親切な裁判官から、地裁にいた裁判官が異動で最高裁に行ったことについて、最高裁判所に勤務する裁判官と最高裁判事は違うと指摘され、言われてみれば当たり前のことだが意識していなかったことに気づかされた。

 さらに、日本は三審制といわれるが、事実を争うのは一審と控訴審の実質二回である。最高裁判所での上告審は法律審であるから事実認定は覆らない。
 それに、門前払いでなくても最高裁としては法制度上受け付けられない場合がある。今は亡き団藤重光最高裁判事も、明らかに無実の人が有罪になったけれど最高裁への上告としては不適法だったのでどうしようもないことがあり、中には死刑判決まであったと言っていた。
 そこで最高裁では取り上げられない制度であると伝えたところ、最後の望みをかけていた被告人の家族から「人殺し」と罵声を浴びせられてしまい、つらかったと言う。それで、死刑だけは取り返せないので廃止論を説いた。

 なのに、「この最高裁判事は、この事件でこんなことだったから不信任のバツつけよう」と、口から出任せのようなことを言う人たちが大勢いる。これらは言っているそばから法律も裁判もチンプンカンプンであることがわかってしまう。
 これはネトウヨ連中に限らない。野党の支持者とか現政権に批判的な人達でも、軽薄な人や無知な人ないし極端に左翼っぽい人になると、誤りと独りよがりで冷静な判断ができず、敵認定したらひたすら攻撃という猪突猛進型気質を発揮する。ネットだけなら大した害はないが、運動の現場ではしばしば迷惑な存在と化しているのが現実である。
 そして、最高裁判事国民審査でも同様のことをしているのだ。

 こういうことだから、そもそも最高裁判事の国民審査は制度自体が間違っているけど、今の制度を是と仮定しても、情報が乏しいうえ無知な人が法律や裁判の仕組みを知らずにデタラメを煽っているので話にならないのある。
 だから最高裁判事の国民審査は有害無益であるのでボイコットするべきだ。投票に行ったら「棄権します」と用紙を返却すること。




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by ruhiginoue | 2017-10-16 16:28 | 司法 | Comments(0)
 「私が受けた行為は28年間生きてきたなかで最も醜い人権侵害」
 そう言って、あの詩織さんは損害賠償を請求して提訴したとの報道である。
 そして「最も」ではなく2番目になる。訴訟すれば「セカンドレイプ」が待っているからだ。これは国賠裁判や医療裁判も同じだが。

 先ごろ、アメリカでOJシンプソンが仮釈放された。失った自分のスポーツ記念品を取り返そうとしたが、このさい拳銃を持っていた(当人は否定)ので強盗とされ裁判で有罪となり服役していた。彼はアメリカンフットボールの殿堂入りするスター選手で、その後は俳優など芸能人として大活躍し、日本で公開された映画やテレビの作品も多い。
 そんなスターが「転落」したのは、元妻とその友人を殺害した疑いをかけられたことがきっかけであった。刑事裁判ではお粗末な捜査などが問題となり無罪となったが、被害者の遺族から民事訴訟を起こされると敗訴して多額の賠償金を支払わされる。このあいだ芸能人としての活躍ができなくなり収入が途絶えたうえ裁判で多額の出費を強いられてしまったのだった。
 このように、刑事裁判で納得できないなら民事裁判に訴えることで一定の成果が得られることもある。

 しかし、日本ではどうだろうか。そこそこの名誉回復がされた事件もあったが、逆に追及を諦めないことに対する報復的な対応をされることもある。
 特に詩織さんの場合は政治的な圧力により刑事裁判がつぶされたのだから、まだ民事裁判があると一縷の希望に賭けるしかないとはいえ、やるからには相当のリスクがある。
 まず、請求を棄却されたうえ証拠を無視してて荒唐無稽な認定をされる恐れが大きい。「枕営業」するため自ら誘ったことにされてしまったり、反訴されて逆に莫大な賠償金を払わされたりの恐れもある。最悪、口実をもうけて逮捕されたうえ国際的に悪名高い日本独特の密室取り調べで拷問や暴行を受けることもありうる。なぜなら、そうしたことは現実にたくさんあるからだ。
 そういう不正が存在しない国なら、最初から民事裁判などしなくても逮捕状が握り潰されることなく刑事裁判になっている。

 もちろん、そのような現実を承知のうえで後戻りできない覚悟をして「ルビコン川」を渡ったのだろう。
 だから裁判に付随する問題について、詩織さん側は適切に対応するはずだ。
 例えば、マスコミはまだ相手にしてもいいが運動団体は構ってはならないということ。日本の運動団体は人権擁護に関心がない左翼崩れ老人の自己満足の場。人権侵害を受けた一般市民は支援ではなくネタとかダシにされるだけで、なかでも特に女性、まして性犯罪の被害者は酷い侮辱と嘲笑をされるのが実態だ。
 しかし、これらは言われなくてもわかっていることであろう。



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by ruhiginoue | 2017-10-03 15:12 | 司法 | Comments(0)
 なるほど、ちょっとした閃きだったのだろう。

 中学三年生の女子が、ネット上で、専門学校生の21歳の女性から人気アイドルグループのコンサート・チケットを譲り受ける交渉をし、その話がまとまると自分ではなく、やはりチケットを求めている他の女性に成りすまして、そちらへチケットを送付するように指定した。

 そうとは知らない専門学校生の女性は、指定されたとおり他の女性にチケットを送付し、この代金は専門学校生ではなく売買サイトを通じて中三女子の口座に振り込まれた。これで中三女子は丸儲けである。
 しかし、この他の女性にとっては、チケットを入手してその代金を支払ったので取引が無事終了である。

 それとともに、中三女子は今度は専門学校生になりすまして、やはりチケットを求める高校生など更に別の女性らと交渉し、専門学校生の口座に代金を振り込ませた。
 こうして専門学校生には、その女子高生など別の女性たちからチケットの代金が振り込まれ、これを専門学校生は、先にチケットを送付した他の女性から振り込まれた代金と受けとめて、これで取引は終了したと思った。

 ところが、女子高生らは代金を振り込んだのにチケットが届かない。それで詐欺の被害に遭ったのではないかと疑って警察に相談した。
 こうなると、専門学校生が女子高生などから代金を受け取っておいて商品を渡さなかったと見られてしまう。そして専門学校生は詐欺の疑いで警察に逮捕されてしまった。

 この事件について、今、機器の進歩によりネットでの犯罪は、思いついたら年少者でも簡単に実行できると指摘したうえで、この防止策をどうするかについて説く人の談話が、マスコミに掲載されている。
 ただ、もともと年少者が、犯罪になるということまでは考えが及ばず、ちょっと閃いてグッドアイデアだと実行してしまう話は、よくある。
 例えば、前に小学生がネットで株の売買を知り、小遣いで少額の購入をすると、捏造話で株価を釣り上げ売却益を得ていた事件があった。製薬会社の株を買ってから、同社が画期的な新薬を開発したという噂を各サイトに書き込む、という手口であった。
 こういうのは「風説の流布」という犯罪であり、なぜなら経済を混乱させるからで、当然だと少し考えればわかるが、年少者には考えられない。
 
 だから防止策も必要だが、今回のチケット詐欺は手の込んだこととはいえ中学生がやったことで、誤認逮捕された専門学校生が一貫して否認しているのに、まともに調べず19日も拘留した警察の対応が問題だ。
 このあと専門学校生の女性が自ら郵送の記録を取り寄せて検察に提出したことで真相が判明したが、それは警察が最初にやることだった。
 もともと、日本の警察は、一旦目星をつけたら何が何でも犯人に仕立てようとして事実確認をしようとしない。
 そうなるのも、そんなやり方が裁判で通用するからだ。いくら警察と検察が杜撰だったり無茶苦茶だったりしても、裁判所が追認しなければ、警察も検察も改めざるを得ない。
 だから、最も悪いのは多くの裁判官たちである。




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by ruhiginoue | 2017-09-12 12:33 | 司法 | Comments(2)

菅野完氏の裁判は不可解

 ノイホイこと菅野完氏が女性に性的暴行を働いた件が裁判になり、一審で賠償命令の判決となった。

 すでに週刊金曜日が報じており、それをここでも話題に上げたことがある。菅野氏はどうして一緒に活動している異性に手を出したのか。活動している中で敵がいる場合、手を出した女性が敵に取り込まれることもあるし、最初から回し者でハニートラップを仕掛けていることもある。
 なのに無警戒で疑問だということを指摘した。 2人きりで会うことはしない。そうなりそうな場合には誰か女性に同席してもらう。
 それが当たり前のはずだ。

 ただ菅野氏の場合、週刊金曜日の記事や裁判の記録や彼の訴訟代理人の弁護士の話を照らし合わせてみると、初対面の女性ではあったが、もともとネット上で交流があり互いに良い印象で、そして直接会ったとき菅野氏はその女性に好意を持ち、インターネットを使いたいから自宅に行っても良いかと持ちかけたところ、その女性は少し迷ったようだったが承諾して招き入れてくれたから、「口説いても良いか」と言い、迫ったということだった。

 まぁこういう場合には普通、よい返事を待つものだ。その間に目を見つめたり手を握ったりするなら、そこで拒否されてもそれ以上しなければ何も問題にならない。
 ところが菅野氏は、下手なのか知らないのか忍耐がないのか、押し倒したうえ顔に口をくっつけてしまった。それで拒否されたからやめて、帰るように言われて素直に従った。

 ここで、本当に悪い奴だったら止めたりはしないだろう。初対面の男性を女性が自宅に招き入れたのは事実だから、彼女の方から誘っといて後から気が変わったとか、いくらでも言えるだろう。

 しかし菅野氏は、やり方はまずいし、やった内容も良くないけれど、それ以上は強引なことをしなかったうえ、自分に非があると認めて謝ってるわけだから、まだ同様の事件の中では悪質さが低い方だと言える。
 少なくとも、薬飲ませて強姦し、逮捕されそうになったら総理に媚びて作ったコネを利用し権力の力で握りつぶしてもらう、なんて奴に比べたら、良心的なくらいである。

 それなのに、なぜ和解できなかったのか。その女性は条件として菅野氏にTwitterを止めるという条件を突きつけてきた。この件についてTwitterで説明をし謝罪をしろとか、あるいは逆にこの件については一切触れるなと言うのなら当然のことだろうけども、 Twitter そのものを止めるというのは、この件と関係がない。

 これはとても相手が飲めるような条件ではないし、また裁判でも認められないだろう。これは最初からわかっていて当然である。だから無理な条件を突きつけることで和解を壊し裁判にしたかったとしか考えられない。

 そうなると、そのときの菅野氏の行動が、よほど女性にとっては恐怖だったか、信頼を裏切られた思いだとか、そういうことで許せなかったと言うことかもしれない。

 とにかく、この裁判は不可解である。


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曇の形が変わり、季節の移りを感じさせる。


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by ruhiginoue | 2017-08-09 13:22 | 司法 | Comments(0)
蓮舫の二重国籍という違法でもないことが騒動にされ、これに便乗して騒ぎデタラメや差別をする人たちの中に、裁判所でよく見かける「阿蘇山大噴火」と名乗る傍聴マニアがいる。
ここで彼は法律無知をさらけ出して差別までした。問題になってから慌ててツイートを削除したとのことだ。

彼はただの野次馬根性で裁判を傍聴して性犯罪などを面白がってたりする男。そんな興味本位と冷やかしの傍聴人は映画『それでもボクはやってない』にも描かれていた。
彼はもともとお笑い芸人で、裁判をネタにして笑いをとってるだけだったのに、それが急に政治の話を始めて野党の代表者を攻撃し始めたということは、背後からそののかした者が誰かいたのではないか、そうでなければ彼はそういうことに関心を持ったり発言したりはしないはずはずだ、という指摘もある。

そういう事はあり得るだろうが、それ以前の問題として、この「阿蘇山大噴火」と名乗る人は、いつも派手な格好して裁判所にやってくるから目立つけれど、裁判所の前で情宣活動している人たちがいても関心を示さず、訴えのチラシも彼は必ず受け取らずに無視をして素通りするから、社会的な関心は全く無い人なんだろう、と裁判所に出入りする人たちは、みんな言っていた。

そういえば「霞っこクラブ」という女性たちもいる。被告を見て面白がる悪趣味集団で、おそらくあの「オウム真理教事件」の時に、教団幹部をアイドルに仕立てる「上祐追っかけギャル」に触発されたのだろうが、被告人の男性に逢いに行くと言ってオシャレして傍聴に行き、はっきりと社会派の関心がある人お断りとあらかじめ宣言している。

それは個人の趣味とはいえ、深刻な人権問題とか社会問題を茶化してしまうのだ。そしていずれ変な利用をされるという図式だから、放置してはいけない。批判するベきは批判しないと。


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by ruhiginoue | 2017-07-24 10:40 | 司法 | Comments(0)
 奈良市の地裁で27日に判決の言い渡しがあったさい、地裁の葛城支部と勘違いした被告側の弁護士が遅刻してしまい、このため開廷が約2時間遅れたそうだ。
 この言い渡された判決は無罪で、その弁護士はマスコミの取材に「せっかく無罪を勝ち取ったのに、場所を間違えてしまい、恥ずかしい。関係者に申し訳ない」と釈明したということだ。

 この日、開廷時間の午後1時10分になっても弁護士が来ず、間違えて同支部に行ったことがわかり、裁判官が午後3時からに変更した。延期を告げられた男性被告は「弁護士が間違えるんですか。そんなことでいいんですか」と不服そうに述べたらしい。
 この被告は奈良県天理市内の男性(79)で、カラオケ店の女性経営者に約1週間のけがを負わせたとして、傷害罪に問われていたが、判決は「女性の供述には不合理な変遷があり、信用性が乏しい」などとして男性に無罪(求刑・懲役1年2月)を言い渡した。判決について検察は、控訴するかどうかなど「判決内容を精査し、適切に対応する」とのこと。

 これは弁護士が交通機関や健康上の問題が急に発生したのではないのに遅刻したのが珍しいということだろう。原告と被告は間違えることが珍しくないし、あと、時間通りに来たけれど緊張してしまいトイレに駆け込むことがよくある。
 これで前に知り合いに頼まれて傍聴したとき、被告の男性がそうだった。裁判官に限らずエライ人は自分が待たされると怒るが、そこは法曹人ではない不慣れな一般人だから緊張してしまうことを弁護士が裁判長に説得していて、裁判長も了承していた。
 そして遅れて来た被告人の男性は「すみません。気が張って尿意を催してしまいました」と言い、裁判長が「しょうがない」というように頷くと「シッコ猶予ということで」と言った。
 これは意識したダジャレだったのか、そんな余裕が緊張しているのにあるのか、と思っていたが、とにかくこの人は微罪ではあるが有罪となることは諦めていて情状酌量を求めていたところ実際に「執行猶予」付きの判決となった。

 ところで、判決の言い渡しで別の法廷になることはあり、伝言ミスか言い間違えか、当日行ってみたら違ったので遅刻してしまうということは過去にもあった。
 これは他でもない自分にも経験があり、これは拙書『防衛医大…』でも述べたとおり、早めに行ったので聞いていた法廷と違うことがわかってから間に合ったが、弁護士は間に合わず、勝訴だったので「だったら聞きたかったな」と弁護士は残念がっていた。

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by ruhiginoue | 2017-06-28 15:45 | 司法 | Comments(2)
 この件で前回すでに述べたとおり、高須クリニックの院長が裁判を起こしたのは宣伝と目立ちたがり屋のためであるとしか考えられず、この指摘は誰でもみんなしていることだ。

 この推測を補完する事実として、その質問をした大西議員と高須院長とどちらを支持するかという「投票」がネット上で行われ、高須院長は自分の圧勝だと勝手にはしゃいでいる、ということがある。法的問題を素人の多数決に委ね、しかも投票はいくらでも多重にできて、匿名の野次馬による無責任なものである。これを本気で「支持」されたとか「勝」と思っているとしたらよほどのバカであるから、そうではなくただの悪ふざけであろう。

 しかも、Twitterで高須クリニックの話に反応する多くがネトウヨのアカウントで、それらは一部の例外を除いて同じ内容のものばかり。tweetもretweetも画像から言葉づかいまで完全に同じなものがほとんどで、ヘイトスピーチとその団体および代表者を支持してることでも共通している。また独りで多数のアカウントを持っていることが確認できたものもある。

 そもそも、議会で質問するからにはスタッフが調査をしていて、高須クリニック固有の問題もよく知ってのことだし、高須クリニックが宣伝ばかりしていることを否定するのは不可能だ。
 しかし、問題はその宣伝ではない。あの議員の質問は、つぎのようなものだった。
 「だからその、非常にですね、CMも陳腐なものが多いんですね」
 「皆さんよくご存知のように、例えば『イエス、○○』と、クリニック名を連呼するだけのCMとかですねぇ」
 この「陳腐」という表現が高須院長は気に入らないと言う。この語彙は「ありふれている」とか「ありきたり」とかで、よくない意味ではある。
 しかし、あの国会質問は医療に関わる宣伝の法規制についてのものであった。だから、その質問趣旨からすると、規制があるため漠然とした具体性のないものにならざるを得ない、ということである。この前提に立ち、そういうものばかり幅を利かせている現状は消費者にとって如何なものか、ということだ。

 このため当然ながら、同議員は高須院長が「誤解」していると言ったのだ。
 あのときテレビの宣伝に言及したことは質問の趣旨と直接の関係はなく、あくまで例として出すのが目的だった。だから特定の医師や診療所を質問にかこつけて攻撃するものではないという意味で固有名詞は出さなかった。
 なのに「名を伏せても判る」という非難は的外れである。
 それに、広告の問題を一般論として述べているわけだから、具体的にどこが悪徳かどうかは別問題であり、そういうことはそれに相応しい別の場でやることだ。

 こんな当たり前のことも理解できないとは、いくらパフォーマンスでやっていることであっても無様としか言いようがなく、こんなことに付き合わされた弁護士は金のためと割り切っているにしても恥だが、そうと気づかないのだろうか。




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by ruhiginoue | 2017-05-21 13:17 | 司法 | Comments(2)
 美容外科の高須克弥院長が、大西健介民進議員と蓮舫代表を名誉毀損で提訴するという。
 これは厚労委での質問の中で同議員が、医療機関によるイメージ宣伝は利用者にとって有益ではないと指摘したことに対してだ。
 そのさい一例として「イエスまるまる」とクリニックの名を連呼するだけのものがあると言っていたが、これは高須クリニックの「YES!高須クリニック」という宣伝を指していることが解るので名誉毀損だと言う。

 これには驚いた。あのCМで高須院長は「YES」と言ってたのか。「Nazis」だと思ってた。普段の発言から、そうとばかり思っていた。

 しかし、あのときの同議員の質問とは、医療機関の広告には厳しい規制があるから具体性の無い広告しかできないが、するとイメージ宣伝が幅を利かせ、この現状はいかがなものかという内容だった。
 この質問自体は当然のことで、一例として出した広告はそうした規制の範囲という趣旨だ。広告を出したほうが怒ることではない。
 そして、すでに法的な指摘が専門家たちから出ている。

 まず、憲法51条に「議院で行つた演説、討論又は表決」は絶対的免責的特権がある。また、国家公務員である国会議員の職務上の行為について違法性を追及するには国家賠償法によらなければならず、その場合は個人責任を問うことが認められていない。
 だから二重に勝ち目がないというわけだ。
 これは法にそう規定のうえ、過去の判決でもそうだった。最高裁平成9年9月9日のスリーナイン判決は、ある国会議員がある病院長の問題行為を例に出して質問したため名誉毀損で訴えられたが、免責となっている。
 しかも、国家賠償請求なら可能とはいえ「職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があること」が要件であるから、これにまったく該当しないことは明らか。

 それでも高須院長が訴えると言うのは、宣伝とか目立とう精神発露とかのパフォーマンスであろう。
 なのに引き受けた弁護士は、法的に無理だと専門家なら解って当然なのだから、勝訴の見込みが皆無に近いのに金のため付き合ったという悪評が立つだろう。

 そういえば昔、東進スクール最初のころ、経営者がネトウヨみたいに「日教組が学校教育を悪くした。だから塾が繁盛している」とわめきちらし、これを日教組の悪口ならなんでも飛びついていた週刊新潮がとりあげ、そうやってタダで宣伝してもらった。
 これと同じことを高須クリニックも意図しているという、毎度のことだろう。



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by ruhiginoue | 2017-05-19 19:39 | 司法 | Comments(1)
 『報道ステーション』というテレビ番組は、周防正行氏をゲスト出演させ「共謀罪」についての批判を語らせていたが、それは彼が『それでもボクはやってない』という映画を作り日本の司法が抱える問題を追及し、これをきっかけに法制審の委員を務めるなど発言を続けていたからだ。
 ところで、この映画は電車で痴漢と疑われ逮捕された男を主人公にしたものであったから、先日の事件すなわち電車で痴漢と言われて逃走した男性が転落死したことについて、何かコメントするだろうと期待した人もいたのだが、この期待は裏切られたという。

 この、痴漢にされそうになった場合の対処について、あるマスコミにもよく出る弁護士は、逃げられそうならその場から一目散に逃げてしまうのが一番だと、テレビなどで公然と発言していた。なぜなら、逮捕されるだけでも大変なことになり、そのあと裁判になったらもっと大変で、しかも裁判が公正とは到底言えない実態があるからだ。
 もちろん、これは逃げきれたらの話で、失敗してしまうこともある。そうなると不利になるだろうし、線路に逃げたら鉄道から損害賠償を請求されるし、それ以前に命の危険もある。
 だから、逃げないで弁護士を呼ぶべきだという弁護士たちがいて、これには疑問や反論が出ている。それらは要するに「きれいごと」だというものだ。

 まず、警察は弁護士を呼べないようにするものだ。「先進国」なら警官は弁護士に連絡する権利を告知しないといけないなどと決まっているが、日本は違う。
 また、弁護士を依頼したところで冤罪から救われる保証はない。日本では逮捕イコール犯罪者に近い。
 なにより、弁護士はあくまで「法の枠内」で勝つ専門家にすぎず、我々はそれより大きな「人生の枠内」で勝たなければならないのだ。罪を被せられた時点で既に大打撃であり、そのあと無罪を勝ち取っても破綻した人生は取り戻せない。
 こうなると、ほんの数パーセントでも賭けて逃走するという考え方も理解できなくはないし、だから弁護士のなかにさえ、それで成功するに越したことはないと言う者がいるのだ。

 そもそも、潔白なのに逃げると危険があるってことくらい誰でも知ってる。言われなくたって解っていることだ。それでも命がけで逃亡するのは、弁護士や裁判官が信用できないからだろう。それほど日本の法曹界は不信を買っているのだ。国選弁護士や弁護士会の当番弁護士に裏切られたとか、裁判は暗黒の魔女狩りとか、そういう現実が歴然とある。これを無視して弁護士を呼ぼうというのでは「きれいごと」と批判されても仕方ない。
 だいたい、有罪でも無罪でも勝訴でも敗訴でも、裁判の結果がどちらにしても、依頼人は人生を浪費してしまった負け組であり、どちらにしても報酬を得られる弁護士は勝ち組である。それでも弁護士に頼もうと呼びかけるのでは、善意で言っても商売のためかと疑われるだろう。

 前にも述べたが、知り合いの男性はカフカの小説さながらに逮捕のうえ性犯罪の犯人とされ刑務所に入ったが、真犯人が捕まり自供したので潔白と判明し国から賠償金が出た。
 このさい彼は国選弁護士に裏切られ、知らぬ間に勝手に犯行を認めたことにされてしまっていたのだった。これが問題になると、その弁護士が所属する弁護士会は、金を出して私選弁護士を雇わなかったのに文句を言うなと開き直った。

 あのとき、逮捕されたころへ来た弁護士が、任せなさいと言うので信用していたら、囚われている間の知らぬ間に犯行を認めたことにされ、勝手に親族を尋ねて被害者に慰謝料を払うからと出させていた。それも自己責任というわけだ。
 そして性犯罪の前科者となり偏見を受け、複数の免許を持ちながら職が無い彼は自殺未遂までした。リストカットの傷跡が痛々しかった。
 その後、名誉回復され社会復帰したが、捜査の不当性を問い国賠訴訟を起こしたら、職場に対し警察が嫌がらせをした。すると「人権派」「左翼」の人たちが「支援」すると寄ってきたが、「反権力」を叫ぶネタに利用されただけ。
 ついに彼は、裁判のため弁護士費用その他で出費がかさみ、無実なのに刑務所に入ったことにより受けとっていた賠償金を使い果たしてしまった。そのうえ心身ともにボロボロになって働くこともできなくなり、生活保護を受けて病気療養している。

 このように、潔白が完全に証明された人でさえ、いったん権力から目を付けられてしまったら人生が破滅的となるのだ。
 これについて弁護士に文句を言っても酷というものだ。どんな名医でも保健福祉政策はどうすることもできないのと同じだ。
 また、不当逮捕され無罪となった経験があるため同じ目に遭った人の相談に乗っている人が「弁護士は自分が逮捕されたことがないので実態を身をもって知らない」と言っていた。これは専門医が病気について詳しく知っていても病人の苦悩は知らないというのと同じだ。
 だから専門家の話は常にそれゆえの限界があるということを前提に話を聞かなければならない。
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by ruhiginoue | 2017-05-14 17:42 | 司法 | Comments(5)
 「政府を、捜査機関を信用しなさい」「犯罪とは無縁の一般人は心配しなくていい」とただ繰り返しても、受け入れられるはずがない。

 これは朝日新聞5月12日の社説『共謀罪』審議 採決ありきは許されぬ」である。まったく正しい。大賛成である。
 しかし朝日新聞の最近の他の記事と整合性を欠いている。ほかの記事では逆のことを主張していた。以下、その4月18日の記事から引用。

 「俺じゃない!」 13日時45分ごろ、車内で女子中学生ら2人の胸や下着を触ったとして駅で降ろされた男性は、こう叫んで線路に飛び降り、走って逃げた。電車は約14分間、運転を見合わせた。都内では3月中旬以降、同様の事案が少なくとも6件起きている。 
 なぜ線路に逃げるのだろうか。鉄道営業法では、正当な理由なく線路に立ち入ることを禁じている。警察は都迷惑防止条例違反(痴漢)に加え、鉄道営業法違反の疑いも視野に捜査している。ある署の幹部は「線路から敷地外に出られる付近の防犯カメラを洗い、検挙する」と話す。
 一連の「逃走劇」には、鉄道会社も頭を抱えている。上野駅で、痴漢を指摘された人が線路に飛び降り、電車にはねられて死亡する事故が起きた。JR東日本によると、線路上に人が立ち入った場合は安全を最優先し、駅員らが人がいないことを目視で確認できた段階で運転を再開する。万が一の見落としも想定し、再開直後は徐行で運転するという。
 地下鉄の場合、さらに危険性が増す。東京メトロによると、線路脇に送電線が引かれている路線では、感電の恐れがある。送電線の電圧は600ボルト。人が立ち入ると電気を止める作業も必要になる。担当者は「地下鉄はトンネルなので、逃げても次の駅まで出られません」と予防線を張る。
 大阪市では12年、市営地下鉄御堂筋線で線路に降りて約1キロ逃げた男が駅員らに取り押さえられた。
 線路に逃げた人たちが、本当に痴漢をしたのかどうかは定かではない。痴漢をめぐっては、ネット上で「被害を申告した人と一緒に駅事務室に行くと現行犯逮捕される」といった内容や、冤罪(えんざい)を避けるために疑われたら逃げることを推奨する書き込みもある。
 これらについて、警視庁の捜査幹部は「申告があれば何でも逮捕するわけじゃない」。申告内容や第三者の目撃の有無などを検討してから判断する、としている。
 もし疑いをかけられたらどう対処すればいいのか。冤罪事件に詳しい立教大の荒木伸怡(のぶよし)名誉教授(73)は「やっていないならはっきり主張し、その場から動かずに弁護士を呼ぶことだ」。線路に降りる行為はやめた方が良いと言う。「業務妨害に問われる可能性があり、鉄道会社から損害賠償を請求される恐れもある」と指摘している。
 
 以上引用。
 この記事には、裁判がデタラメで信用できず、そんなもののために一生を棒に振るから命がけで逃げるのに、そうした司法の問題にまったく触れず、脅すばかりの法律家の話とともに、警察の言い分だけ一方的に紹介している。これでは共謀罪の強行する側が、「捜査機関を信用しろ」「一般人は関係ない」と同じである。

 もともと朝日新聞は、冤罪に対しては読売新聞より権力寄りなのは昔からずっと。
 かつて本多勝一記者が「あるスピード違反」という記事を書き、これは裁判所が警察の一方的な言い分を鵜呑みにするので捕まったら最後の「暗黒裁判」であるという実態を告発したものだった。
 すると、他にも酷い冤罪があるので取り上げてほしいという手紙が大量に来たそうだ。本多記者は周知のとおり司法が専門ではない。だから要望に応えられなかったというが、それなら大量の要望があるのだから新聞として力を入れてもよいはずだ。
 ところがそうはなならない、それどころか逆である。具体例は前にもここで挙げている通りだ。そうしたら、またこんな記事である。映画『それでもボクはやっない』の周防監督も、その時の経験で知った司法の問題から共謀罪を批判しているというのに。
 こんな批判精神も問題意識も無い記事の一方で、社説で国会審議についていちおう批判する。ここに朝日新聞の堕落がある。

 追記
 弁護士など他の専門家たちは、「駅の事務室に連れていかれると、職員に取り押さえられたとの解釈で後から来た警察に現行犯逮捕とされてしまうから、その場で毅然として潔白を主張して立ち去り、自分で言うだけでは相手が納得しないなら弁護士を呼ぶと言うべきだ」と説いている。
 この記事に出てくる「冤罪に詳しい」立教大名誉教授も「その場から動かずに」と述べているので、その前にある「被害を申告した人と一緒に駅事務室に行くと現行犯逮捕される」について、だから行くなという意味で言ったのに朝日新聞の記事ではその説明が欠落して単にネット上の風説であるかのようになっていた可能性がある。

 
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by ruhiginoue | 2017-05-12 17:55 | 司法 | Comments(1)