宝塚音楽学校の卒業式という報道が、またあった。
卒業式での送辞と答辞が、実に芝居かがった口調なのが特徴で、よく報道される。
ここでも華やかな陰で虐めがあったりで、司法沙汰になったこともある。少女マンガでは、主人公のトウシューズの中に針が入れられていたりなど定石となっているが、現実も凄いらしい。
かつて、あの『B組シリーズ』といわれる学園ドラマに、こんな話があった。中三になって進路というとき、クラスのボーイッシュな美少女が宝塚に行きたいと言う。こういう例は初めてだから担任教師は戸惑う。
そこで、他の女性の教師が対応する。この役で出演していたのが、当時、宝塚よりテレビのほうで売れっ子になっていた遥くららだった。彼女ふんする先生が調べたところ、宝塚歌劇に出るには、宝塚音楽学校に行くことが必要で、入学試験は歌とバレエということだった。
自信あるかと問われて、女子生徒は驚き困惑する。実は、彼女の両親が、将来は宝塚に行けと言いながら、歌もバレエもやらせていなかった。
教師は呆れてしまい、これを両親に問うと、「おてんば」で困るけど顔立ちは良いから、将来は宝塚で男役にでもなればよいと言っただけだという。
それは小学生のころまではただの夢であるとして許されるが、中学生ともなれば現実に進路ということになるので許されない。無責任な親のため子供は恥をかき傷ついてしまう。
ただ、そういう親はよくいるものだ。ロシアの映画『この道は母へと続く』は、孤児院の子供が母親を探しに脱走する話だが、この主人公の少年はイタリアの富裕な夫婦へ養子の話があった。子供を亡くして寂しがる人などによくいるのだが、養子をもらいたくても、所得は問題ないが年齢が高すぎるからと拒否されてしまい、それで金にまかせて外国の孤児を探す。
そして孤児院は運営資金で困っていたから、養子の話に飛びつくのだが、人身売買の誹りを受けたくないので、職員がこう少年を説得する。
「おじさんが君くらいの歳の時は、この国はソ連で、宇宙飛行士のガガーリンが英雄で、みんなの憧れだった。だけど、パイロットになるには、宇宙局か軍の養成所に入る必要があり、試験は競争が激しく田舎の庶民にはとても難しい。そういうことを、おじさんの親は全然わからない人だった。だから、都会のお金持ちの養子になったほうが、ちゃんと教育が受けられて、将来も幸せなんだよ」
こういう現実は、確かにある。
ところでロシアといえばプーチンさんだが、彼の小学校の担任教師だった女性がインタビューで言っていた。教室で、「将来なにになりたいか」というよくある話をしていたとき、みんないろいろなことを言うなかでプーチン君は「スパイになりたい」と言ったので、大変に印象的だった。
しかし、どうせ活劇もので憧れただけだと思っていた。そうしたら、後に卒業生たちがみんなどこへ就職したかという話で、プーチン君はKGBに入ったと聞き、「えーっ、じゃあ、子供の頃の夢をかなえたのね」と驚いたそうだ。
これについて、当のプーチンさんが言うには、小学校のころには確かに活劇で憧れただけだったが、中学のとき進路のことを考えて、前に憧れたスパイになるにはどうしたらいいかと思い、KGBの建物に行って、そこに出入りしている人に、どうしたら入れるのかと直接尋ねたそうだ。
そうしたら、まず大学を出ることだと言われたそうだ。KGBは大卒でないと入れない。活劇とちがって、普段は膨大な文章を読んで分析している。その多くは外国語で書かれている。だから、外国語その他の色々なことを知っていないといけないから、大学も出てない人は門前払いだそうだ。
それで、プーチンさんは大学まで行くことにし、他の職業でも学歴は必要になることが多いし、また政治家に転じても外交などで外国語は大いに役立っている。
そういえば、前に、もと内閣調査室を売りにするジャーナリストの野田敬生氏に会って話したことがあるけど、彼は最終学歴が東京大学と言っていた。
つまり、小学校までは夢だけでいいが、中学からは違い、しかし、そういうけれど大人が解ってないことが多く、特に親の意識の低さは影響が深刻だが、それ以前にプーチンさんのようにまず自分で意識を持たないと駄目だということだろう。
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