井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

カテゴリ:国際( 403 )

 日本で戦後しばらくは「在日」の人達が日本軍国主義の犠牲者および民族差別の被抑圧者として団結していたが、祖国が南北に分断されて冷戦で対立すると、在日も分断と対立をして、これに日本の悪い人達は大喜びしたそうだ。

 また、戦後しばらく日本共産党を熱心に応援していたのも「在日」の人達で、やはり同じく軍国主義の弾圧を受けてきたからだったが、二つの祖国が独立してその国民になったから日本での参政権がなくなり選挙の投票もできなくなったということで、運動に関与しなくなった。
 しかも、冷戦がはじまり、南では軍事政権ができて反共主義を標榜、北は国際共産主義運動(コミュンテルン)から主体(チュチェ)という民族主義に移行、どちらも日本共産党とは相いれないから疎遠となった。

 そして今まで対立が続いている。北部朝鮮共和国が軍事開発をすることに対して、南部韓民国の系列である在日団体が、北側の系列である在日団体を非難した。
 これを報じるマスコミは、歴史的経緯と現状を正しく認識していない。例えば朝日新聞の報道だ。
 いかなる理由や事情でも核兵器はいけないと身をもって知る立場から訴える被爆者団体の抗議なら報道する意義があるけど、政治的に敵対する団体の非難をとりあげたうえ「抗議」と報道している。これは客観的ではなく不適切である。
 また、それでは核実験やミサイル開発をやめたらアメリカに攻撃されてしまうことについては、どう思っているのだろうか。そのあたりを訊ねない報道では意味がない。

 一方、全ロシア世論調査センターの調査では、「朝鮮半島の対立は米国の責任」との回答が57%になり、北朝鮮が悪いと考える人はわずか12%だった。これは、朝鮮半島にある米軍の核戦力が脅威となっているとする北朝鮮の主張に理解を示しているためだ。
 それ以前に、そもそも世界一の超軍事大国と小国との対立で、小国に責任があるというほうがむしろおかしい。

 ところが、世論調査どころか日本では、対立の原因と責任を論じること自体がまるで禁忌のようになっていて、ただ脅威を煽り内閣の醜聞隠蔽に協力する以外は大手マスコミに許されていないかのようだ。
 この現実、日本の報道の自由度が劇的に低下しているという調査結果と合わせて考えれば、よく理解できることだ。




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by ruhiginoue | 2017-09-21 15:59 | 国際 | Comments(0)
 ミサイル開発と核開発の実験により米朝対立が深まっていることから、拉致問題の解決が遠のいていると関係者は危機感を抱き、それについて訴えるため訪米するなどしていると報じられている。

 そもそも拉致問題は、南部韓民国と間にある離散家族問題とともに、北部朝鮮共和国が解決に向けて前向きになり、恥を忍んで大幅な譲歩をしていた。対決姿勢一辺倒ではなく近隣国との融和と国際協調の路線をとるべき時期ではないかと北朝鮮側が判断し、またそうするほうが利益にもなるとロシアなどから説得されて、このほうが現実的であろうと、その時は判断したからた。
 そこへアメリカが付け込んで介入してきた。「不意打ち食らった」と金正日は言ったと伝えられる。そしてロシアも怒った。この結果が今の状態である。
 
 また、北朝鮮は中東やアフリカと、経済や軍事で密接な関係があった。だから欧米とその同調国が制裁をしても「抜け道」がある。険悪になっていたミャンマーとも「敵の敵は味方」ということで手を組んでいた。
 ところが、中東やアフリカで欧米がそそのかした「アラブの春」「民主化」の偽装とそれに協力する名目でNATOの軍事介入があり、これでイラクにつづきエジプトやリビアでの政権転覆とシリアの内戦が起こされ、ミャンマーでは今でこそ化けの皮が剥げたスーチー女史が民主化のリーダーとしてノーベル平和賞を授けられたうえアメリカの傀儡政権を樹立した。

 だから、日本では欧米メディアの受け売りやNATO軍記者クラブからの垂れ流しばかり報道されているため欺かれているけれど、北朝鮮はもともと建設や軍事の技術者および医師などの交流があるため実態と真相を知っているので、直接の圧力と同時に外堀を埋められている現実に危機感を抱いた。
 これでは、何を言われようと、どう圧力をかけられようと、断固として妥協しない。だから軍事開発も絶対にやめない。

 つまり、軍拡はどこの国でもやめるべきだし、拉致などもってのほかであるが、しかし、もともと核拡散防止とは核兵器を持っている国が持たない国に対して危険だから持つなと説教するものだったし、そのうえ、既に一旦は外交で解決に向かっていたことがアメリカによりこじれてしまったという経緯であるから、こうした背景を理解しないと、単純に圧力の一辺倒で何とかなると錯覚するのだ。

 ここで深刻なのは、これを日本の政治家たちが理解していないことだ。
 この人達は自分に不都合な時だけマスメディアを目の敵にしていて、国際関係のように最も信じていけないことは鵜呑みにしている。
 だから、諸外国が確信犯的に対応していることに対して、そうとは知らず真面目に同調してしまうのだ。そして困ったことになる。




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by ruhiginoue | 2017-09-14 18:15 | 国際 | Comments(4)
 ミャンマー西部ラカイン州における少数派イスラム教徒ロヒンギャへの人権侵害が報告されている問題で、アウンサンスーチー国家顧問は国連人権理事会が派遣を予定している調査団に入国ビザを出さないよう指示し、各国のミャンマー大使館に通知しているとのこと。
 これは6月30日に同国の国会において外務副大臣がロヒンギャ問題について答弁した中で「アウンサンスーチー氏は、我々は国連の調査団に協力しないと言っている。各国の大使館に調査団員にはビザを出さないよう命じる」と発言し、また同国外務省関係者によるとスーチー氏から同省に指示があって大使館に一斉に知らせたということだ。

 同国では、昨年10月にロヒンギャの過激派とみられる武装集団が警察施設などを襲撃してから、ロヒンギャに対する人権侵害が国連などによって報告されている。
 このためミャンマー政府も独自の調査をしているが、これでは「不十分」として国連は調査団の派遣を決めていた。
 するとミャンマー側は「これは国内問題だ」などと反発。スーチー氏は訪欧の際、調査団受け入れに「同意しない」などと発言していた。
 こうした対応をめぐり、同国の事実上の指導者であるアウンサンスーチー国家顧問に授与されたノーベル平和賞を取り消すよう求める請願運動がネット上で行われ、これまでのところ36万を超える署名が寄せられている。

 さて、日本だと、今ではアウンサンスーチーなんて小池百合子と同じだと評する人たちがいるが、それよりずっと前、かつてアウンサンスーチーに会った日本の外交官はすでに否定的な評価をしていた。
 そのだいたいの趣旨は、彼女は重信房子みたいな感じの人で、赤軍派とか全学連とか昔の過激派を思い起こさせるタイプで、性格は実に悪いということだった。
 また、そんな人をアメリカが傀儡として利用しているという指摘もしていた。
 これはアメリカがアルカイダのような過激派をそそのかして利用しているのと同じ図式である。アメリカのいつものやり方であり、すんなり受け入れられる話だ。

 ところが、この証言をしたことで同外交官は朝日新聞から「軍事政権寄り」と非難されてしまったということだ。
 なのに、そんなアウンサンスーチーを朝日新聞は今さら批判的に報じている。
 こうなることは予想できた。
 だから、我田引水だが拙書『朝日新聞の逆襲』(第三書館)で、すでにスーチー女史の偽物ぶりと、なのに美化報道するマスメディアとくに朝日新聞の浅はかさを指摘していた。
 「だから言ったじゃないか」という心境だ。

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by ruhiginoue | 2017-09-09 19:55 | 国際 | Comments(0)
 自民党の石破もと幹事長は、北部朝鮮共和国がミサイル開発の発射実験をしたことで、非核三原則を見直して米軍の核持ち込みの是非を議論すべきだと発言したそうだ。
 それで抑止力になる可能性があると考えているとしたらマヌケな話で、すでに指摘は出ているが、そもそも北朝鮮はイラクやリビアの二の舞を恐れてアメリカをけん制しようとして核抑止と射程延長をめざして武器の開発をしているのに、そこへアメリカではなく日本を標的にしろとでも言うような、かえって危ない話である。

 これは、日本の政治家たちが世界情勢について正しい認識をもっていないためだ。イラクやリビアがなぜ悲惨なことになったかを知らないのだろう。
 そもそも、イラクそれ以上にリビアは、欧米と融和しながら石油の利益により軍事よりも福祉を重視する政策に転換することで国民を説得し、あくまで欧米と対決するべきとするイスラム原理主義などタカ派勢力の反発を抑えてきた。
 ところが、その反発を欧米は利用し、過激派をそそのかし反乱を起こさせたうえ民主化支援と称し軍事介入して政権転覆したのだった。

 これについて、日本のマスコミは欧米メディアからの受け売りや「NATO軍記者クラブ」からの情報ばかり垂れ流している。
 それを日本のタカ派政治家たちは好んで受け入れている。自民党の政治家や民進党の代表に返り咲いた人など、日本のタカ派政治家は対米従属が圧倒的主流派であるから当然だ。

 これに対して北朝鮮は、もともと医師や技術者を外貨獲得のため産油国に派遣していたから、リビアなどの実態について直接知っている人たちから情報を得ている。
 だから、なんと非難されようと核実験とミサイル発射実験を繰り返しているのだ。

 つまり、日本の政治家たちより北朝鮮の政治家たちのほうが正確な情報を得て的確な判断をしているのだ。政治家のレベルでは北朝鮮より日本のほうがよほど「井の中の蛙大海を知らず」の状態なのである。
 それが日本にとって最も危険なのだ。


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by ruhiginoue | 2017-09-07 17:05 | 国際 | Comments(3)
 ナチスとヒットラーを賛美してきた高須院長が、そのことを外国に翻訳されて伝えられたうえサイモン=ウィーゼンタール・センター(SWC)が動き出したために焦ったような態度になり、また高須院長の発言を擁護してきた百田某も、この件に関しては沈黙してるので、やはりSWCを恐れているのだろう。

 このSWCは、サイモン=ウィーゼンタールという人の志を基に作られた機関である。彼は、ユダヤ人であるために、ナチスの強制収容所に家族とともに入れられ、自分は生還したが家族を亡くしている。
 その体験から、逃亡したナチスの残党を執念深く追跡し続けた。

 これと同じことはイスラエルの諜報機関モサドもやっているが、彼の場合、復讐ではなく、自分の家族が犠牲になった戦争の狂気を再来させないよう社会に理性を取り戻させるため、犯罪者を逃さず、しかし冷静に裁判にかけるべきだと言って地道な調査活動をしてきたのである。

 そんなウィーゼンタールの死後、その名を冠したSWCは、経済的に成功したユダヤ人たちから寄付を集め、しかしナチスの残党たちは捕まえられるか死亡するかしたのでやることなくなったから、今度は反ナチの運動と称してマスメディアに監視の目を光らせ始めた。
 だから「ナチス狩りではなく言葉狩りを始めた」という批判もされたのである。

 そんなウィーゼンタールの原点である活動すなわち財政難の中で地道に活動してきた姿を主人公のモデルにした小説が『ブラジルから来た少年』であった。

 この『ブラジルから来た少年』は、『ローズマリーの赤ちゃん』のベストセラー後10年も大作を発表しなかったため一発屋かと言われていたアメリカの作家アイラ=レビンが沈黙を破って発表したところ傑作だった小説である。
 余談だが、この『ローズマリーの赤ちゃん』も、映画化が大変有名だけども、小説のほうが面白い。

 この『ブラジルから来た少年』は、死亡するまで南米で逃亡生活をしていたヨーゼフ=メンゲレ博士の陰謀を暴こうとする話である。ここでメンゲレ博士はヒットラーのクローン人間を作ろうとしていた。
 この陰謀を断片的な事実から解き明かしていくまでがよく描けていて、見事なアイディアである。

 このメンゲレ博士はナチス強制収容所での残酷で荒唐無稽な人体実験で悪名高いが、こういうことがあったので、医師である高須院長がヒトラーとナチスを賛美して問題になるのである。

 また、メンゲレ博士は逃亡中によく小説や映画のネタにされて、危ない実験や研究をしている話が何度も描かれていたけれど、その中には日本のテレビドラマもあった。
 これは円谷プロが製作した連続SFドラマ『戦えマイティジャック』で、メンゲレ博士が日本に密かに潜入すると美容外科で大儲けしていた。日本人の女性に対して「白人のような鼻にしてやる」と持ちかけ、手術で高くしてやり大金を得ていた。

 このように、人種的な特徴を美意識に結びつけて外科手術で変えようとする差別的な発想は『ブラジルから来た少年』の劇中メンゲレ博士がいかに危ない医師かという会話の中に出ているが、そもそも美容外科にはメンゲレ博士が行ってきた発想が根底にあるのだ。

 だから、高須院長が弁解して、ナチスの医学など科学の進歩に寄与したことを評価したのであって政治的な思想に対してではないと言ったけど、滑稽である。
 


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今夜の大沼湖畔は月が出ている。

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by ruhiginoue | 2017-08-25 17:17 | 国際 | Comments(0)
 高須クリニックの院長が散々ナチスとヒトラーを賛美しておいて、国際的な批判を受けたら焦るような態度を見せた。
 これは、ユダヤ系の反ナチ団体サイモンウィーゼンタールセンター(SWC)が乗り出したからだろう。
 この団体のやり方は、親ナチ言動を載せたマスメディアに対し、ユダヤ資本への影響力を行使し、その企業および取引先にも同調を呼びかけ、広告ボイコットなどの圧力をかける。

 おそらく高須院長は、これまで大量の広告によってマスメディアに経済的な影響力を行使して好き勝手なことを言ってきたから、自分はスポンサーなので大丈夫だと、たかをくくっていたのだろう。

 しかし、SWCの呼びかけにより多くの大企業がマスメディアと広告代理店に対し「高須クリニックの宣伝や院長の発言を載せたら、こちらの広告は全て引き上げる」と通告したら、どっちを取るか。高須クリニックを干すこと確実である。言うまでもないことだろう。
 そうなると、よく「技術よりも宣伝で経営している」と評される美容クリニックチェーン店は、ひとたまりもないだろう。

 ただし、かつての文芸春秋社や今の高須院長のように、道理ではなく力関係しか通用しない歴史修正主義に対してだけ圧力をかけるなら仕方ないといえなくもないが、それ以外にも例えばイスラエルに不利な報道したら同じ手を使うということもやっている。

 その影響が、日本のマスメディアにもあることは、既に拙書『朝日新聞の逆襲』で述べたとおりで、その影響下にある欧米および日本の大手マスメディアの中東情勢やイスラム圏の報道は信用してはいけないのだ。

 その問題に触れていたので『朝日新聞…』は、いくつもの出版社から、前半の部分すなわち右派の朝日批判を斬っているのは面白いけど、後半の中東情勢やイスラム圏の報道問題は、多くの人がマスメディアを疑っていないので受け入れてもらえないと言われてしまい、中東イスラム情勢にこだわっている出版社だけが引き受けてくれたのである。



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by ruhiginoue | 2017-08-24 20:04 | 国際 | Comments(2)
劉暁波という中国の反体制派が死去したとの報道はあるけれど、この人がどんな主張していたのか、それが中国の体制側にとってどう気に入らなかったのか、ということを明確にする報道や論説がない。

そして気になるのは、反体制派知識人あるいは反体制活動家というのが客観的な表現であるのに、民主派や民主活動家という評価的な表現をマスコミが使用していることだ。肩入れをして論説をするならともかく客観的な報道の中で評価的な表現を用いるのは報道の表現として不適切である。
そしてこういう場合必ずアメリカと対立している国の反体制ということで「民主」という言葉を使う。アメリカ=民主でありアメリカと対立する国は非民主、そこの反体制派だから民主派になる、という単純で滑稽な図式である。

これはミャンマーのアウンサンスーチーと同じことである。あの人が親子2代にわたって米英の傀儡であった事は周知の事実であるが、アメリカのオルブライト長官から一々指図を受けていたことを指摘した日本の大使が朝日新聞から軍事政権寄りだと非難されてしまったと文句を言っていた。

これと同じように、劉暁波を批判したり疑義を呈したりすると共産党寄りだという単純なレッテル貼り攻撃をされる。しかし中国当局による対応の是非はともかく、劉暁波を英雄として讃える動きには怪しさを感じないと危ない。

劉暁波はノーベル平和賞に値するか
タリク・アリ(作家・歴史家)は指摘する。劉暁波は公に次のように述べていると。

「中国の悲劇は、欧米や日本に少なくとも300年間、植民地にされなかったことだ。されていれば、中国は明らかに文明化きれただろう。」
「朝鮮戦争とベトナム戦争は、全体主義に対するアメリカの闘いであり、米国の道徳的威信を高めた。」
「ブッシュがイラク戦争を始めたのは正しかった、ケリー上院議員が行った批判は名誉棄損だ。」
「アフガニスタン戦争?驚きはない。NATOの戦争を全面的に支持する。」

これではまるで親米ポチのネトウヨである。

ところが、そんな人物を無邪気に讃える人たちに共通することは、ミャンマーのスーチーや「アラブの春」についてそうだったように、大手マスコミが報道の基本を無視していることに気づかないということ、また、大手メディアと「人権擁護団体」の一方的な言い分の垂れ流しを鵜呑みにしていることだ。

これは常識的な普通のリテラシーを持っていれば疑問が生じることであり、少なくとも違和感を覚えるはずだ。
それの無い人たちが、朝日新聞を含めた日本の大手マスコミから共産党まで含めた野党に少なからずいる。

まったく困ったことである。


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by ruhiginoue | 2017-07-16 08:26 | 国際 | Comments(10)
 いまドイツに関する本を連続して読んでいるが、その中に、かつてドイツではナチスが高支持率の一方で増大する軍事費のため税金と社会制度の掛け金が値上げされ国民が苦しみ出す、という話が出てくる。そして無関心だった人からナチスを支持していた人にまで疑問が発生するのだが、その時ナチスは反対を取り締まり弾圧する体制を整えていた、ということで、今の日本もそうだろう。

 だから選挙で共産党の候補者が「憲法九条を守る」と街宣やポスターで謳っているのを見かけて思ったのだが、それだけでは観念的で具体性が無いし、自衛隊を海外に出す危険という話はしているけれど身近さが乏しいのだから、軍拡による高負担が庶民にのしかかってくる恐怖も訴えるべきだろう。

 ところで、ドイツのコール元首相が死去したという報道が先日あった。ドイツ統一(正確には再統一)の立役者という報道しかされていなかったが、この人が中心になって行われたドイツ統一は、その後の世界に多大な害毒を垂れ流したので、実は今の世界の混乱の「戦犯」の一人と言っていい。

 この人の所属する旧西独の政党「キリスト教民主同盟」は、宗教界との関わりがあったのではなく、ただヨーロッパ共通の伝統的価値観という意味でキリスト教を名乗っていただけで、すなわち保守派ということであり、これと同じ名前の政党は旧東独にもあった。
 そして西側の党が東側の党を抱き込んで、西が東を併合する形で統一するという公約を掲げて選挙をしたのだが、統一したら東西の貨幣を等価交換するという条件であり、これだと西に比べて安い東のドイツマルクは突然価値が何倍にもなるわけだから、実質的には有権者の買収であった。そして選挙で圧勝する。

 その後は倒産と失業で混乱が起きるのだが、そこまで見通すより金の力に負ける人が多かった。そういう有権者だけが負けたのではなく、東側で権力から迫害されながら人権や自由のために運動してきた人たちと、その支援をしていたキリスト教会(政党名に掲げただけの保守派ではない本当の聖職者たち)の推す勢力は惨敗した。

 これは世界中に影響し、自由とか人権とか民主とかいうけど要するに金だという風潮が世界中に定着してしまい、進歩的な勢力は無力感に陥り、欧米の資本主義は無条件に正しいので世界中に介入して金任せでも武力任せでもやりたい放題ということにエスカレートしたのだった。
 つまり今の世界中にあるもめごとの原因の、少なくともそのうちの一つであるのだが、そういうことをマスメディはろくに追及していないのでイライラさせられる。



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by ruhiginoue | 2017-06-27 15:38 | 国際 | Comments(2)
 最近、分断国家と呼ばれた国についての本を読んで感じたが、ベトナムとドイツは共通していても朝鮮半島は違うということだ。ベトナムの南北は北が南を併合して統一したが、もともと南は傀儡政権だったので国としての体裁だけだったし、ドイツの東西は西が東を併合して統一したが、もともと東は連合国の分割占領が統一されたことから取り残された地域が後から国の体裁を整えたものだった。
 これらとは違い、朝鮮半島はもともと二つの国として成立しているので、片方が優勢となったり逆転したりということはあったけれど、どちらか片方があまり国ではないというベトナムとドイツの分断とは明らかにことなっていて、だから朝鮮半島にはまだ二国が存在しているのだろう。

 ところで、その二国の略称は、南が「大韓民国」で、北が「朝鮮民主主義人民共和国」であり、略称として「韓国」と「北朝鮮」というのが最もポピュラーだ。
 しかし日本が「北朝鮮」と言ったことに対し同国の外交官が「ジャパン」を「ジャップ」というように省略することで蔑称にしていると非難したことがある。ただ同国の人は略して言う場合だいたい「朝鮮」か「共和国」である。日本側は地域を言っただけだと反論したけれど、たしかに蔑称ならもっと省略して「北鮮」と「南鮮」と言う。
 これは英語では「ノースコリア」と「サウスコリア」だから、「北朝鮮」「南朝鮮」と書くこともあり、「高麗」ともいうが語源であり、この言い方を嫌う人もいるそうだ。
 どちらにしても国ではなく地域を言うだけである。

 だから、米国を近隣国と区別して北アメリカ大陸にあって「アメリカ」を国名に付けている連邦ということで「北米合州国」というのと同じように、自称の「大」と「民主主義人民」を取り、南が「韓民族の国」という意味の国名にしているから「南韓民国」、北は「朝鮮半島の国」という意味の国名なので「北朝鮮共和国」というのが外国から呼ぶさいには正確であり、この略称を「韓国」と「朝鮮国」にするのが適切ではないかと思うのだが、どうだろうか。



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by ruhiginoue | 2017-06-26 16:36 | 国際 | Comments(3)
 下のグラフは英国選挙での有権者の購読新聞ごとの投票先。

 政党は、青が保守派「保守党」、赤が革新系「労働党」、橙が中道「自由民主党」、黄色が民族主義「スコットランド民族党」、緑がエコロジー「緑の党」、紫が右派「イギリス独立党」、灰色がその他つまり諸派か無所属。

 一番上の保守党支持が圧倒的な『テレグラフ』は一般紙の発行部数一位、論調は保守的で保守党議員に元記者がいるなど親密、一般紙だが三面記事重視、ということで日本なら明らかに『読売』である。

 その下の『エクスプレス』『メール』はどちらもタブロイド紙で保守的であるからライバルだが、部数では『メール』が三倍と圧勝。

 その下の『サン』は右派でゴシップなど下品で有名だが、それだから売れていて英国で発行部数一位である。日本なら『東スポ』だ。

 上記は庶民の読者が多いが、その下にある『タイムス』は高級紙(クオリティペーパー)で、富裕層や知識階級とかインテリとか言われる人に読者が多く、論調は保守的。

 その下の『ファイナンシャルタイムス』は経済紙で、英国より外国での部数が多く、英字紙で発行部数が一位。日本ではしいて言えば『日経』か。

 その下の『スター』は芸能や下ネタが多く、『サン』のライバルのような存在。

 その下の『ミラー』は中道左派で、労働党支持を公式に標榜している。英国メディアがイラク戦争に翼賛か日和見だったのに対し、唯一反対を表明した。

 その下『インディペンデント』はリベラルな高級紙で、かつては紙の新聞も出していて『ガーディアン』から読者を奪っていたが、経営の問題からオンラインに特化した。

 一番下の『ガーディアン』は『タイムス』とともにジャーナリズム研究分野で英国の新聞としては世界的高級紙とされ、インテリ好み、保守の『タイムス』よりリベラル、娯楽味がある『テレグラフ』より硬い記事が多めである。日本なら『朝日』に近い。

 この調査が正確なら、イギリスでは新聞の傾向と選挙での投票がはっきりしている。これに対して、日本ではここまでにはなるまい。宅配が多くて報道や論調を意識しないでいる人たちがけっこういるからだ。


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by ruhiginoue | 2017-06-14 20:36 | 国際 | Comments(2)