井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

カテゴリ:国際( 403 )

 外国人観光客を迷惑がる態度により寿司屋と市電が問題になっているが、これは後から態度が豹変するはずだ。外国でも、最初は観光客を煩わしく思っていても、利益になるので後から歓迎の態度に変わった例がある。
 例えばアメリカの日本に対する態度がそうだった。アメリカ人は、日本人の観光客がカメラぶら下げてやってくるのに対して好感をもっていない人がよくいたものだ。

 その中で、かつてハワイは日本で憧れだった。景品の一等賞とかクイズ番組の優勝賞品といえばハワイ旅行という時代もあった。芸能人は休日をハワイで過ごすと自慢していたもので、これをエバラ焼き肉のタレのテレビCМがネタにし、女優の浅茅陽子が正月に一家でハワイに行った設定で焼肉をしながら「芸能人みたいだね」「芸能人は浮き沈みが激しいの」とギャグめいた調子で話していたし、プロレスラーのジャイアント馬場はハワイに別荘を所有し、寒い時期は温暖な地で過ごしながらトレーニングしていたということで、これをラッシャー木村に「ハワイでグアバジュース飲みながら鍛えてるんだろう」と言われていた。続けてラッシャー木村が「俺は日本でポカリスエット飲みながら鍛えている」と言ったので観客席が爆笑となったものだ。

 そして、ハワイは日本人ばかりになったとアメリカ人は言い、「真珠湾攻撃以来の日本人大襲来だ」とも言われていた。先日、京都に住んでいる人が「今の京都は中国人でいっぱい」と言っていたが、それと同じような感じだ。
 もともとハワイは世界各地から観光客がやって来るところだったが、最近では火山の噴火や気候の変化で過ごしにくくなり、観光地としての地位が危ないのではないかと言われている。

 その後、日本人観光客にウザいという態度をみせることもあったアメリカだが、外国から観光客が来て外貨を使ってくれると経済にとってたいへん有益であることから、より積極的に観光に誘うようになった。情勢が変わり海外旅行もしやすくなったので、懸賞や商品も外国旅行よりグルメ券になっていた92年に、当時のブッシュ大統領(父)は自ら日本むけのテレビCМに主演して、アメリカに観光旅行に来ませんかと呼びかけ、風光明媚な所があると言ってせっせと紹介していた。 

 それで、観光客が来てくれるとありがたいというのは北朝鮮も同様のようで、こんな華人むけポスターがある。面白いのは右上の売り口上で、ISのテロがない、治安がよい、スリがいない、地震が発生しない土地、というもの。
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 もともと北朝鮮は外国人に対して閉鎖的であったが、観光客の受け入れには態度を変えている。そして北朝鮮は冬は寒いが夏の避暑には良くて山や湖など景色の良いところがあるということで北海道と同じだが、あと酒が好きな人には良いという人もいる。行った人によると、酒は色々と美味いものがあるそうだ。
 そして美女がお酌してくれる。日本で「東男に京女」というように、朝鮮半島では昔からイケメンは南、美女は北、といわれる。韓流スターというと男が主だし、スポーツ大会でやってきた北朝鮮の美女軍団というのも話題になった。
 それで、観光客に美味しい酒を出したうえ美女がお酌してくれて、赤坂や北新地よりずっと安いから最高だということだ。これも、外国人が観光に来たら金を使わせて外貨を獲得すれば経済に有益だからだ。

 こういうことで、アメリカでも北朝鮮でも共通して外国人観光客は歓迎しているのだから、日本も外人ウザいとか言ってないで「サービス、サービス」で金を使わせるべきなのだ。




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by ruhiginoue | 2016-10-17 19:51 | 国際 | Comments(7)
 北朝鮮が開発中の核とミサイルを実験したが、これの何が悪いのか。

 これを言ったら、知り合いで社民党に所属する地元の議員は、「武力とか戦争ではなく対話をするべきだ」と反論した。それはいい。社民党の方針と同じだから。
 しかし「軍事力増強は戦争するためではなく戦争を抑止するためである」とか「外交で交渉するにも力の裏付けがなければいけない」とか「何でも話し合いで解決するべきだなんてのは甘い」とか、そう普段から言ってる人たちが、北朝鮮を擁護しないで逆に非難しているのは整合性に欠ける。
 
 また、北朝鮮はアメリカと休戦しているが、日本はアメリカに敗戦している。この違いにより、北朝鮮は核実験をし、日本は外国軍の基地を作るために自国を破壊し反対する国民を弾圧している。
 この現実を多くの日本人が認識しようとしないのは何故か。

 しかも、北朝鮮が核実験をしたら非難で、もっと悪質なイスラエルの核は見過ごす。支援企業やユダヤ資本がマスコミに広告で圧力をかけているからだろう。原発も業界からの広告収入欲しさに同じことだ。ワクチンを打ちましょう安全ですというメディアは公正を保つため製薬業界の広告は断っているだろうか。
 これらみんな同じ図式だから騙されてはいけない。

 こうしたスポンサーに弱いマスメディアだけでなく、そこで働いている(いた)記者も、本質に迫ろうとしない。例えば、金正恩が独裁者だからとか個人に帰そうとしている。しかも、独裁者とか政治家に対する評価も紋切り型とかステロタイプとかである。金正恩って独裁者だろうか。彼は周りに担がれている神輿じゃないの。やくざ映画のセリフのとおり、神輿が勝手に歩けるか。

 ところで北朝鮮の核実験は 建国記念日の9月9日だから国威発揮のためだろうが、わざわざ9時にして「9・9・9」と並べたらしい。

 松本零士は「9」が好きだと言っていた。次の単位には足りないが次へのステップであるということだ。だから『銀河鉄道999』とか、万年筆のデザインをして「セーラーナイン」と命名している。

 しかし北朝鮮のほうは金正恩の父・金正日が「9」をラッキーナンバーと言っていたためとも言われる。もしかすると映画ファンの金正日だったから『太陽を盗んだ男』の沢田研二が「俺は9番」と言っていたからではないか。アメリカ、ソ連、中国、フランス、イギリス、インド、イスラエル、南ア、の8ヵ国に続いてという意味だが、そういえば今は何ヵ国が核保有しているのだろうか。


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by ruhiginoue | 2016-09-13 09:04 | 国際 | Comments(6)
 前に韓国で、貧しい家の女の子がマスコミに取り上げられたら、全国から同情の寄付金が寄せられ、そのお母さんは「取材を受けたのは社会制度について訴えるためで、寄付金が欲しいからではありません」と政府に改革を求め寄付金は辞退したということがある。

 ところが日本では、厳しい生活で進学を諦める人というよくある問題について取材を受けた女の子が叩かれ、国会議員がテレビ局に苦情を言った。

 これについて、韓国のほうが人情味があるとか、日本が残忍すぎるとか、そういふうに考える人たちがいて、これはもっともだろうが、日本より韓国は「民度」が高いと言う人もいて、これはちょっと違うと言わざるを得ない。

 その、韓国の貧しい家庭のお母さんが言う通り、貧しいこと自体は自分で努力していくし、社会制度について改善をしてほしいのでマスコミの取材を受けたのだから、同情されて寄付金を集めるのが目的ではなかった。
 
 ほかにも、結構前になるが日本でもマスコミで紹介された韓国の貧困の話で、5人(6人だったかも)姉妹が、貧乏の子だくさんであるため殺鼠剤か何かの毒薬をみんなで飲む自殺未遂事件があった。これが報道されると、韓国全土から同情の寄付金が寄せられた。

 しかし、その家庭は確かに貧乏の子だくさんだったが、何とか生活していた。なのに娘たちが自殺を図ったのは、その下に弟がいて、その弟が両親にとって大事だから自分たちは邪魔で、自分たちがいなければこんなに貧乏ではないと娘たちは考えたのだ。

 その両親は、跡取り息子が欲しくて、男の子が生まれるまで何人でも子供を作ろうとしていた。そしてなかなか男の子が生まれず女の子ばかり続き、やっと男の子が生まれて喜んでいた。だから5人姉妹の下に弟がいて、貧乏の子だくさんで、大事なのは息子という親の態度から、姉妹は死のうと考えたのだった。
 つまり、韓国に根強い男尊女卑が原因だった。最近では胎内を透かして見て性別が早くに判り、しかもその機器は安価なのでよく普及しているから、女の子だと中絶してしまうことがある。
 
 こういうことを社会問題として見ずに、貧しい可哀想な人と同情してお金を送る人ばかり韓国に居たというわけだ。こうなると日本の「24時間テレビ」と同じである。
 もっとも、「24時間テレビ」も昔は今は亡き大橋巨泉氏が司会をしていた時、最後に「政府や自民党のみなさん見ていますか。子供が1円玉を集めて寄付しにきたりしているけど、ほんとうは政治の役目なんですよ」と言って締めくくったことは語り草だが、それから退行しているわけだ。

 こういうことだから、日本に残忍さが幅を利かせていることは確かだが、そうではない韓国でも民度という点では如何かということになり、これらは問題が別であるということだ。


 



 


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by ruhiginoue | 2016-08-26 21:09 | 国際 | Comments(2)
 欧米メディアがアレッポの少年を一斉に騒ぐのはプロパガンダではないかと言われている。これは、アサド大統領とイスラム国と、どちらかを悪者にしたい勢力の意図ではないかという見方とは別に問題がある。

 なぜなら、シリア内戦の犠牲となった子供というなら、血まみれの遺体や原型すら留めない遺体など、もっと悲惨な写真は幾らでもあるのに、今さら救助された少年を強調する不可解さのためだ。
 
 そこで穿った見方をすると、戦争に巻き込まれた子供の写真ならもっと無残なものがいくらでもあるが、それだととにかく停戦するべきだという世論になっちゃうので、戦争の悲劇を訴える形をとりながら、実は戦争をやめてほしくなくて、こんな写真を出したんじゃないか。他にも色々な可能性を疑ってみるべきだ。

 
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 また、欧米のメディアが同じことを同じように一斉に騒ぐからプロパガンダだと言われるのだけれど、それ以前に「民主的な欧米の言論報道の自由のある下での様々なマスメディア」といったって、ニュースの配信元は同じだし、スポンサーになっている企業も同じだ。

 このようにプロパガンダかと疑われる一方で、これはオナニーだと言って批判する人もいる。この程度だから嗚呼可哀想と言って済ませて自分に満足するというわけだ。
 そもそも、今の戦争報道と世界の価値は、子供に降りかかった災難を哀れんだり悲しんだりするふりをして、実は他人事をエンタメとして楽しんでいるのが実態だ。
 だから、子供を気の毒だと感じる自分の心の善良さによるオナニーだということだ。

 ともあれ、今になってこの一斉報道は、裏を疑ってみるべきだ。


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by ruhiginoue | 2016-08-24 07:02 | 国際 | Comments(0)
 アメリカ合州国大統領選挙の共和党候補ドナルド トランプ氏は、テロ対策でイラクのサダム フセイン大統領を称賛した。ABCニュースによるとトランプ氏はある催し会場でこう語った。

 「サダム フセイン氏は悪い男だった。そうでしょうか。実際に悪かった。彼はどんな良いことをしたか知っていますか。彼はテロリストを殺した。しかも非常に上手く」

 また、昨年の秋にはすでにこう述べていたのだ。

 「イラクの大統領だったサダム フセイン氏やリビアのムアンマル カダフィ氏が今も権力についていたならば、世界は100パーセント良くなっていただろう。

 たしかに、イラクのフセインとリビアのカダフィの両氏は、世界を変えるにはテロではなく経済であると主張し、実行した。それで欧米に睨まれ、また過激派に反発された。
 そして欧米は、過激派に反発されていることを民主化運動と宣伝し、軍事介入して両氏を殺害したのだった。

 また、英国のブレア首相によるイラク戦争への参戦の経緯や侵攻後の占領政策について検証した独立調査委員会(チルコット委員会)は、参戦は誤った情報によるものであったことが後に判明したが、それ以前に当時から「最後の手段ではなかった」と断じた。
 これに対してブレア元英首相は、あくまで自分の非を認めず、さらに、フセイン氏が殺害された影響でリビアが核開発放棄をして穏健な路線に転じたなどと正当化した。

 しかし、そこへ付け込まれたリビアはNATO軍の侵攻を受け、カダフィは殺害され国はイラクと同様に混乱した。このことから北朝鮮が態度を硬化させ、核開発を加速させた。つまりアジアの緊張は米英のやり方が元凶である。

 そのうえ、英国と同様に日本も対米追従してきたし、検証するだけ英国はマシで、日本は戦争を支持したままだ。そしてテロ対策としてバラマキ予算のうえ武器輸出などの利権も拡大させているから、日本人が海外で殺害される事件が相次いでいる。

 こういうことについて日本の報道が追及しないどころか追従してばかりでいるから、本質が見えてこない。その点を問う者もいるが、まだ少数であり、一見は中東によりそう態度で実は欧米にベッタリという記者ばかり。

 これについては拙書『朝日新聞の逆襲』でも指摘してきたが、これもあちこちの出版社から理解されず、引き受けてくれたのは第三書館で、ここは中東問題に力を入れ、カダフィ著『緑の書』の邦訳も出しているという出版社である。しかし日本ではなかなか受け入れられないので時間をかけて訴えることにしていると同社は説明している。
 
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by ruhiginoue | 2016-07-08 18:29 | 国際 | Comments(0)
 ソ連、ユーゴの次は連合王国(UK)崩壊かもしれないといわれているが、それより前にカナダが分裂すると思っていた。しかしフランス語圏が独立の一歩手前だったところ1パーセントの僅差で否決だった。カナダ人と結婚してモントリオールに住んでいた人が、どうなることかと思ったと言っていた。

 世界各地の分離独立の要素は、井上ひさしが『吉里吉里人』でネタにしていた。東北の一部が日本から分離独立を宣言するさいケベックなどと提携する。同時に金本位制でドル支配に対抗。これは今ではイスラム国が初めたし、元はリビアでカダフィが提唱したことだった。だからNATOに殺された。これはすでに拙書『朝日新聞の逆襲』で触れているとおり。

 先に述べたショーン コネリーのスコットランド民族主義は有名だが、もうひとつアイルランドといえばポール マッカートニーが子供のころに成績優秀で表彰までされるほどだったけどアイルランド系であるため、どんなに勉強しても出世できないからムダだと思って、好きな音楽ばかりになったうえ不良少年と言われていたジョン レノンと親しくなったので親が嘆いたという話は有名だ。

 かつて沖縄出身の仲間由紀恵は、まだ新人に近いころ、結婚するならどんな男がいいかと問われたら「沖縄を独立させてくれる人」と答えていた。元は琉球王国という独立国だったから沖縄独立論は昔からある。
 『ドラゴン怒りの鉄拳』で、租界の入り口に「中国人と犬は入るべからず」という表札をブルースリーがぶち壊す場面があるが、沖縄では米軍むけの店が「日本人お断り」という表示をしていることがあって、これが関西では「朝鮮人と琉球人お断り」と表示していた。関東や東北では関西近畿の露骨な差別感覚に驚く人が多い。

 それに、米軍基地問題も沖縄が主権国としてアメリカと交渉したほうが良いから、日本でも独立を問い国民投票すべきではないか。
 ただ、もしも日本で国民投票を実施したら、あの電通が世論操作するのではないかと言われている。いかにもやりそうだ。
 
 とにかく、日本で改憲がかかった選挙中に、国民投票がいかに危ないポピュリズムやナショナリズムに影響されるかという実例を示してくれた英国には感謝しなければならない。

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by ruhiginoue | 2016-06-29 12:34 | 国際 | Comments(2)
 ブリテンの半分くらいを占めるスコットランドは、もともと英語を話していなかった。後からイングランドに飲み込まれるようにされた歴史だ。
 これに反発する人たちがいて、ジェームズ ボンドはスコットランド訛りをわざと話すが、それは演じるショーン コネリーが意識してのことで、彼は世界的に知られる大スターなのに、どうしてビートルズやアレック ギネスのように勲章をもらえないのかというと、スコットランドの民族主義運動に熱心だったからだとささやかれていた。
 そう思われていてはまずいと英国政府も思ったのか叙勲ということになり、するとショーン コネリーはエリザベス女王の前にスコットランドの民族衣装を着て行ったのだった。
 また、国歌斉唱でゴットセーブザクイーンを唄わないサッカー選手もいて、スコットランドの出身者としては、女王陛下とはあくまでイングランドのクイーンだというわけだ。

 あとはアイルランド統一の問題がある。ブリテンに近い北アイルランドは連合王国に属しているが、アイルランドはアイルランドに属するべきという主張も根強い。
 かつてはアイルランド共和国軍(IRA)と名乗る過激派組織が、今のイスラム国やアルカイダより目立っていて、爆弾テロ事件でサッチャー首相が危ない目に遭ってもいた。

 しかしEUでみんな一緒となることで落ち着いていた。それなのに離脱で再燃という次第で、ソ連崩壊の次は連合王国(UK)崩壊かもしれず、ところが投票率7割を超えた国民投票で、実は多くの英国民が「離脱」の意味を理解せぬまま投票していたようだという問題になっている。

 英国は日本と違って民度が高いと誤解している人たちがいる。しかし、フランスでは、ちょっとインテリになるともう「国営放送を真に受けるのはバカ」と言うけど、イギリスでは、ちょうど日本の田舎者がNHKを信奉するみたいに「国営放送だから」と盲信し、よほど左寄りの一部の人が「BBC視聴登録ボイコットしよう」と呼びかけているのが実態だ。

 また『ガーディアン』や『タイムズ』といったクオリティ紙はごく一部の知識階級が読み、圧倒的多数の庶民は『サン』や『スター』など発行数百万部を誇るゴシップ紙を読むという国だ。 日本だったら、朝日新聞より東京スポーツが何倍も売れているというようなものだ。ガーディアンやタイムズや朝日新聞といったクオリティー紙が無条件に良いとは言えないが、英国の民度はたかが知れていて、そこで国民投票しても結果はその程度ということだ。


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by ruhiginoue | 2016-06-28 12:33 | 国際 | Comments(4)
 中国の「天安門事件」の日が来るたびに、ずさんな報道ばかりだと感じる。
 まず「天安門事件」といえば本来は周恩来総理の死去にさいして天安門広場で追悼の集会が任意で行われていたところ、それが「周総理は立派だったが、四人組の連中はひどすぎる」という糾弾に発展し、それでその四人組の指示で警官が出動するなどして強引に解散させようとしたため負傷者が出た事件のことだ。
 だからその後に起きたのは「第二次天安門事件」と言われていた。それがいつのまにか「天安門事件」と言われるようになってしまった。

 また、集会を蹴散らすには放水や催涙弾を用いるのが普通で、それで充分だったはずなのになぜか軍隊が出動したため流血の事態となったことについて言及されない。
 これは、政治改革を求める穏健な集会に趙総書記が不適切な対応をしたため暴動に発展したという嘘を李鵬首相が流布し、鄧小平も騙されて軍隊が出動し、総書記は失脚した。総書記を邪魔にしていた首相の陰謀による中国政府の内紛だった。ところが日本の報道からは欠落しているので本質が見えず、訳が分からなくなっている。

 また、若者の青臭い理想論では社会が混乱するだけで発展しないことは文化大革命で証明済みだから、経済を優先して暮らしをよくすることが本当の民主主義だと多くの中国人が言っており、しかもそれを日本の戦後の発展を見て確信したと言う。鄧小平も日本に来たら中国の政治闘争がムダだったと気づいたと言う。

 一方で日本からすると、企業にとっては貿易の都合があり、一般的には学生運動世代の老人の非常識な言動から学生運動に対する悪印象があり、中国の天安門事件に寛容になってきた。
 そして自民党が逆に昔の中国共産党のようになって、経済と暮らしより不毛な政治闘争ばかりを志向し改憲を唱えるなどして嫌われているとの現実がある。

 なのに日本の報道は「民主化を求める集会が軍隊に弾圧された」というだけで掘り下げることがなく、それが言葉づかいに表れている。中国の天安門事件でもシリアでもミャンマーでも「民主化」という言葉の使い方があまりに軽々しい。それぞれ内容は異なることなのに。
 もちろん「東欧の民主化」以来の、敵対する政権に反対する運動だけ「民主化」と呼ぶプロパガンダが報道に名を借りて行われているからであるが、それ以前の問題として、全体的にマスコミ報道がステロタイプになっている。これは記者の能力か劣化したということもあるし、それ以上に、型にはまったことしかできない仕組みになってしまっているからなのだろう。

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by ruhiginoue | 2016-06-10 17:33 | 国際 | Comments(0)
 シリア情勢などで川上泰徳は、現地取材によらず間接情報の受け売りをし、その中立性と信憑性を指摘されると、他に方法が無く、信じられない証拠が無い、という逆立ちした屁理屈を繰り返している。反対側の情報と比較し検証するのは常識なのだが。

 これは、欧米の大手メディアに同調する彼の姑息な処世術のためだ。こうしておくことが、今の大手メディアお座敷にあがるには最も好都合だ。朝日新聞のWebRonzaにもCIA雑誌(オリバーストーンの表現)『ニューズウイーク』にも出られる。沖縄の米軍基地反対運動に地元は迷惑しているという雑誌だ。

 ここで川上泰徳は、シリア情勢で政治的中立性のない団体の発表する犠牲者数を受け売りして疑問を呈されると正当化に汲々としている。
  かつて本多勝一が、カンボジア情勢で間接情報から直接証言に迫り理科系の感覚で定量的に分析し同僚を感嘆させた手法とは大違いだ。
 それだけ、 昔に比べて朝日新聞の記者の技量が堕ちているということだ。

 また、本多勝一が右からも左からも付け込まれ叩かれるのを前提にしているから緻密な取材をして慎重な記述を繰り返したのと違い、川上泰徳は欧米メディアやNATOの記者クラブ的な発表を垂れ流し受け売りでヨシとしているから実に安全で、慢心して杜撰な発言ばかりする。

 しかも川上泰徳らは、我々のおかげで国民は知ることが出来ると驕ったことを記者会見して言ったが、それを評価するのは国民の方だ。平気で自画自賛する感覚に呆れるしかないし、そんな立派な仕事はしていない。

 それだけ朝日新聞の記者の使命感とか倫理観とかいうものまでが劣化したのだ

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by ruhiginoue | 2016-05-10 17:43 | 国際 | Comments(0)
 例えばミャンマーの件。
 駐在していた日本の大使が、アウンサンスーチー女史はアメリカの傀儡に過ぎずオルブライト長官の指示をいちいち受けていて、会ったら人柄も最悪で、持ち上げてしまうことは誤りだと述べたところ、軍事政権寄りだと朝日新聞に非難されてしまったと発言していた。

 そして朝日新聞も含めて大手メディアは、スーチー女史を「ミャンマーの民主化運動の指導者」と呼んでいるが、これは肩入れした評価的な表現である。客観的で正確な表現をすれば、スーチー女史は「ミャンマーの反体制活動家」のちに「野党の代表者」となるはずだ。

 これを朝日新聞の記事や記者のツイッターアカウントで指摘しても無視である。NHKも同様であった。この点も拙書『朝日新聞の逆襲』で詳述したとおり。 

 まったく客観的な報道は不可能であり、なんらかの主張があって当然であるが、そのことと、適切な言葉の表現を用いなければならないこととは、別問題である。
 スーチー女史を評価しているということで、自分の言葉として言うなら構わない。ベトナム戦争について、「アメリカの傀儡政権」と言っても「共産ゲリラ(べトコン)」と言っても、そう主張して言う分にはいいが、中立を装って報道する中では「南ベトナム政府」「解放民族戦線」と言わなければならない。

 つまり、事実を述べている中に評価的な表現を混ぜ込むことは不適切であるのだが、こういうことは昔まさにベトナム戦争の報道でマスコミが反省していたことのはずなのに、そういうことも知らない人が、今の朝日新聞でもNHKでもその他でも、幅をきかせているのだろう。


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by ruhiginoue | 2016-05-09 17:31 | 国際 | Comments(4)