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by ruhiginoue

カテゴリ:映画( 186 )

 映画「パイレーツオブカリビアン」が、中国で上映されるに当たって、一部の描写が中国とシンガポールを誹謗するとして、その部分が削除されたとのことだ。昔の、型にはまった醜い容姿の中国人の描写があるためだ。
 外国映画の中に問題になった場面があったため削除され上映ということは、中国に限らず、他のアジアでも、欧米でも、中近東でも、日本でもある。
 もちろん、作品は尊重して、削除せず公開して批判するべきだ。日本も、出っ歯の眼鏡のチビのガニマタのジャップと描いた外国映画に削除はしなかったのだから。問題は、バカにされたことに充分反発しないことだ。
 外国映画で早川雪舟の演じる悪役日本人が迫力がありすぎるとして日本の右翼が騒いだことならあるが、それ以外では容姿を侮辱されても文句を言うどころか手術してまで欧米人に近づこうとし、ついにミスユニバースに日本の女性が選ばれたと大喜びである。
 そして、中国最後の皇帝をヨーロッパの視点から描いた「ラストエンペラー」が、アカデミー賞をさらうなど世界的に話題となったとき、日本上演に当たって南京事件の部分が密かに削除されて国際問題になったこともあった。これに比べたら、自国人を型にはまった醜い姿に描くことに反発したことなど、問題としては単純である。
 日本人は、自国のことに関心を向け、表現の自由は尊重し、文句がある場合はコソコソせず堂々と反論するような日本になれるように努力するべきだ。外国を批判してばかりではみっともない。

 

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by ruhiginoue | 2007-06-18 00:30 | 映画 | Comments(5)
 『私は貝になりたい』が中居正広主演で映画化するそうだ。
 物語は周知の通り。原作は黒澤作品で知られる橋本忍の脚本。最初は白黒テレビ作品でフランキー堺主演。90年代には当時黒澤明監督の「まあだだよ」で俳優として乗っていた所ジョージ主演でリメイク。今度はテレビではなく映画化ということに。
 庶民が戦争に巻き込まれる悲劇というのは表面のことで、奥に隠された主張がある。
 捕虜の米兵を刺した主人公が戦犯として裁かれる。杜撰な通訳と無理解な外人による一方的な裁判を批判的に描いているため、最初の放映では「アメリカを怒らせるからやめろ」と圧力がかかった。
 しかし、なぜ無茶苦茶な裁判となったのかを、むしろ問題としている。
 主人公は、無抵抗の者を殺害するなんて出来ないと拒否の姿勢を示すが、残酷な上官は言うとおりにしろと迫る。「上官の命令は天皇陛下の命令」だから反抗も疑義も許さないというのが日本軍の掟だった。
 「あなたは天皇に直接命令されたのですか?」と問う白人判事に、なにもわかっていないと嘆く主人公。召集令状(赤紙)一枚で有無を言わさず呼びつけられる兵士は軍隊でどんな扱いをされるか。「牛や馬とおなじなんだ」と法廷で叫ぶ主人公は結局わかってもらえず絞首刑にされる。だからこう遺言する。
 「生まれかわれるとしても、もう人間には生まれたくない。動物も、人間からひどいめに遭わされるから嫌だ。私は貝になりたい。貝になって海の底で静かに・・」
 つまり、東京裁判の理不尽を批判しながら、その原因は、外国からは想像を絶する日本の異常性にあると告発しているのだ。
 この影響を受けたのが、橋本忍と双璧ともいえる名脚本家の笠原和夫だった。『大日本帝国』(82年)は、主人公が床屋なのが『私は貝になりたい』と同じ。題名など表層では戦争正当化の軍国主義映画だが、しかし笠原和夫は最高傑作『県警対組織暴力』で、警察が暴力団を退治する話かと思う題名ではあるが実は暴力団の背後に財界がいたり、ヤクザとなれ合う腐敗した警察とか、退治するべきなのはヤクザよりアカとうそぶく警官などを描いて、痛烈な社会批判をこめた人だ。戦争美化のようでいても同時に庶民の立場から戦争の悲惨さを描き出した。
 そして一方的な裁判で戦犯とされ絞首刑になる東条英機を悲劇の人と描き、靖国派を歓ばせ左翼からは非難されながら、実は物語の構造から、東条は昭和天皇の身代わりにされたことが明らかで、同時に、同僚が虐殺するのを黙認した罪で戦犯として処刑される一兵士に「天皇陛下、お先に参ります」と刑場で叫ばせる凄い当てこすりをしている。 
 
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by ruhiginoue | 2007-05-23 12:25 | 映画 | Comments(0)
 「仮面ライダー」の悪役ショッカーのパーティー場面を模した高級ワインセットを販売したら、なかなか好評なようだ。
 見て育った世代が購買層となったからだが、これが一昔前はオウム真理教だった。テレビの子供番組では、悪の組織は秘密基地で毒物をこしらえて「これで東京は全滅だ」などと言っていたものだった。 
 今は六本木ヒルズが「世界征服」もどきを夢見る人たちの牙城となっていて、みんな高い酒を飲んでいるのだろう。もうショッカーワインも飲んでいるかもしれない。
 ハリウッド映画でも、悪役の組織は軍資金が豊富という設定で、設備も職員の服装から食事までも豪華に描き、対立する善玉は乏しい資金で工夫していることにしていると聴く。
 というわけで、私は高級ワインではなく、おやっさんの店でコーヒーを飲みます。


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by ruhiginoue | 2007-04-02 14:27 | 映画 | Comments(3)
 往年の名画が格安ソフトとして販売されているが、そのなかでDVDの販売差し止めの裁判も起きている。
 もともと映画は「古典のない芸術」と呼ばれていて、映画館で一定期間上映されたらおしまいだった。それが、ハードウエアの進歩で事情が変わった。
 しかし、まだ売れて利益がでる作品を、著作権が切れたとして自由に販売され始めたことから、所有している会社は焦り始めた。
 そこでアメリカでは法改正で期限が延長されたが、これにはディズニーなどが国会議員に盛んなロビー活動をしたおかげらしい。
 ディズニーは政治力がある。「千と千尋の神隠し」のアメリカ公開のさい、ディズニーの組織力に驚いた宮崎駿が「やはりアメリカ帝国主義だ」と皮肉ったのも当然だった。
 その影響で、外圧に弱い日本も法改正という次第だったようだ。

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by ruhiginoue | 2007-03-29 22:47 | 映画 | Comments(0)

ヤマトの次は999で裁判

 ただし、今回は、裁判としては訴えたのではなく訴えられた。
 それでも、先に批判したのは松本氏。
 「宇宙戦艦ヤマト」の著作権を巡ってプロデューサーの西崎氏と裁判となり、松本氏は一審敗訴で控訴審では裁判外和解で双方から取り下げ。
 映画だけは金を出した製作者が著作権者という日本の改正著作権法は、財界の圧力があったからで、著作者の権利を規定したベルヌ条約にアメリカが加盟していないのも、資本家の力が強い国だということ。映画は宣伝力が強いうえ製作費用が莫大という事情がある。
 その点については、日本映画監督協会が製作した「映画監督って何だ」がDVD化されるので、これを見れば参考になる。
 さて、今回の騒動だが、槙原氏が作った歌の一節が、松本氏のSFで「ヤマト」と双璧をなす「銀河鉄道999」の台詞を盗用しているとして、松本氏が抗議したところ、槙原氏は盗用を否定し、濡れ衣を着せられたと反発。松本氏は何を根拠に批判したのかと槙原氏は訴えた。
 受けて立つという松本氏は「今日の屈辱に耐える」と言った。これは沖田艦長の名台詞だけど、松本氏は劇中の台詞を格言のようにするのが得意で、それが一つの売りになっている。だから、内容ではなく台詞の一つでしかないものを、普通は問題にしないけれど、しかし今回のようなこととなったのであろう。
 著作権には、財産権に属するものと人格権に属するものとがあるが、今回は人格権の要素が強いようでいて、商業的成功した作品ならではの問題でもある。「ヤマト」「999」は社会現象的に売れたが、アニメ化しなければ果たしてあれほど売れたかどうか。それが西崎氏との争いにもなった原因だ。
 個人的には、アニメ化していない松本作品の「ワダチ」「魔女天使」などが好きなのだが・・・。

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by ruhiginoue | 2007-03-26 13:57 | 映画 | Comments(0)

円谷皐(のぼる)氏の功績

 「ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団」は、日本とタイの合作映画だが、日本の映画館で公開されたときと後にテレビで放送されたときは、本家のとのあまりの違いにずっこけた人が多かった。
 出演者はタイで、特撮が日本なのだが、ウルトラ戦士や怪獣からセットや衣装まで、すでに本家で使用したものの再利用。コストパフォーマンスとしてはかなり優等生だったのではないか。
 こうした企画は、円谷プロダクションの社長をしていた故円谷皐(のぼる)氏の功績だ。偉大なる父・円谷英二と長男で映画監督の円谷一は、優れた映像作家・演出家だったが、そうした才能のない自分は経営者として遺産を受け継ぎたいと言っていた。そしてマーチャンダイジングに熱心に取り組み、外国との共同製作、とくに東南アジア進出に力を入れていた。その中で作られたのが当作品。
 後に円谷皐氏は、円谷プロのCMを製作して、自ら出演までしていた。商品ではなく会社の宣伝というのは、ファッションなど社名をブランドにしたい企業がしていたことだったから、今DVDの冒頭にも出てくる「TUBURAYA」のブランド化も図っての経営戦略だったわけだ。
 惜しい人を亡くしたわけだが、円谷英二も長生きではなかったし、二人の息子も同様で、また孫の俳優円谷浩(宇宙刑事シャイダー)など三十代で病死。短命が少なくない一族なのだろうか。

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by ruhiginoue | 2007-03-24 16:28 | 映画 | Comments(0)