井上靜の気楽な日誌です。気楽にコメントしてください。おたよりも気楽にe-mail:ruhiginoue@excite.co.jpまで


by ruhiginoue

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 かつて松本零士が言っていたのを本で読んだのだが、漫画家として売れ始めたころ、原稿料が入ると勇んでビフテキを食べに行き「ウガー」みたいな声をあげながら喜んで貪り、金欠になるとラーメンになったそうだ。
 そのヒット作のひとつ『銀河鉄道999』では、主人公が未来の世界で、化学合成ではない貴重な本物があったと喜んでラーメンとビフテキを食べている場面が何度か描かれる。それにしても、この二種類の料理なのは何故かというと、作者が思い出として語る70年代半ばくらいまでは、日常の美味いものの代表としてラーメンがあり、贅沢な食べ物の代表がビフテキだったからだ。

 ところが90年代の後半にヒットした『新世紀エヴァンゲリオン』では、「ビフテキがごちそうだなんて、だからセカンドインパクト世代の人って嫌ね」というセリフが出てくる。
 それだけの時代変化があったわけで、その代償として、牛肉の生産やハンバーガーの製造販売での環境破壊や不法移民労働者の酷使や低賃金労働が問題になって、アメリカ映画でも『ファーストフードネイションズ』という告発映画ができた。
 この製作は『戦場のメリークリスマス』や『風が吹くとき』 も手がけたジェレミー・トーマスで、ブルース・ウイリスが出演していたから意外であった。アクションスターであるうえ、政治的には共和党支持の保守派である彼が、「911」がきっかけで制定された「愛国法」が大企業のために濫用されていることを批判した映画に出ているからだ。保守派も右派すらも懸念する右傾化という問題は、ちょうど日本でも同様である。

 過日、世代間格差や、若者の非正規雇用、それらが影響している少子化、などの問題について、湯川れい子は「戦争で苦労した私たちに比べて、今の若い人はバイトすれば食べられるから甘い」という趣旨のツイートをして批判された。戦時の混乱で苦労するのと、平時なのに社会構造の歪みで苦労するのでは、そもそも問題の次元が異なるから、比較することではない。
 つまり、年配の人たちは、社会の抱える問題をまるで理解できず、若い人たちの苦悩に冷淡であり、戦争を知る世代が、いかにお粗末かというわけだ。これを象徴する出来事であった。ビフテキがご馳走と思い、それを食べられるようになったから豊になったと信じ、その生産の背景にある問題が見えないのだろう。
 そういう老人が多すぎる。

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by ruhiginoue | 2014-03-31 19:58 | 社会 | Comments(0)
 記録映画の名作『ゆきゆきて神軍』の原一男監督が著書で述べていたが、この映画の主人公である自称神軍平等兵・奥崎謙三は、自らの体験から戦争責任を追及する中で、かつて軍隊で暴虐の限りを尽くし部下を何人も死に追いやった元上官を殺害しようかと考え、その場面を撮影してくれないかと監督に相談したそうだ。
 これについて、記録映画はどこまで許されるのかと監督は悩んだという。よく、本当の殺人場面を撮影したという恐怖映画仕立ての記録映画は、だいたいヤラセの嘘である。

 その一方で、実現はしなかったが、できれば撮影したかったらしい場面もあり、その最たるものとして、奥崎が報道によって知った幼児殺害事件のことがあった。子供を殺された母親が悲しみと怒りと憎しみから「犯人を死刑にして欲しい」と言っていたので、その母親を奥崎が訪ね「死刑は国家による殺人だから駄目だ」と、戦争体験者の立場から説いて聞かせる、という場面を撮って欲しいというものだった。

 つまり、彼は自ら殺人をも厭わないが、殺人事件の犯人を殺すことには反対していて、それは、権力を笠に着て人を死に追いやって責任も取らない者は許せないからテロというより怨恨による暴力も辞さないとしながら、しかし、それゆえ、どんなに許せない犯罪者でも死刑にすれば国家による殺人を容認してしまい、これは戦争にもつながるから駄目というわけだ。

 この発想は、過酷な体験をした者が狂信的になってのものだが、そもそも「疑わしきは罰せず」とか「犯罪者を百人逃しても一人の無辜を罰するなかれ」などといった法律の精神の基となっているものだ。
 だから、この発想が弱すぎる日本が国際世論から批判される現実とは、ようするに、日本では、真に苦労した人たちがないがしろにされているということであり、このところ世間で支配的な死刑の維持推進とか刑事事件での厳罰化というのは、実は逆に世の中の厳しさを知らない甘ったれた人たちの考えということだ。
 これでは社会が衰退して当然で、ほんとうに嘆かわしい。


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by ruhiginoue | 2014-03-30 22:01 | 社会 | Comments(5)
 批評家で元予備校講師の鈴木邦男氏は、右翼民族派の活動家だったことで知られている。かつて代表をしていた団体が、猪瀬前知事の不正な献金を仲介したことについて、直接は関係ないのにあれこれ訊かれて嫌がってないかと親しい人に心配されていた。
 ところで、その鈴木邦男氏が言うには、たまたまミッション系の学校に入り、そこで賛美歌を強制された反発から、国粋主義や民族主義に興味をもち右翼になったそうで、反抗期に強制すれば当然なのだから、学校で君が代を強制している人たちは子供たちを左翼にしたいのかと批判していた。
 たしかに、そのくらいの年齢では、なんでもいいから反抗したいもので、それがないと成長していないのだから困ることになる。自分が高校生のときは、一部の教師たちが『君が代』に反対して騒いだので取りやめになってしまい、せっかく生徒たちが反抗して不起立しようと楽しみにしていたのに、それを潰されてしまった。
 それで、伝統的に行われてきた(一部の大学でやっているのを真似したらしい)卒業生入場でかかる『タンホイザー』の大行進曲に、ワーグナーなんてナチだから反対しようかと言っていた生徒たちがいたのだった。さすがに馬鹿らしいので実行しなかったが、それくらい、とにかく反抗したがる年頃なのだ。だから鈴木氏の言うことは単なる皮肉だけではないだろう。

 今は卒業式に入学式の季節だが、東京大学では『日の丸』『君が代』は無い。自らエスタブリッシュメントだから、媚びは不要なのだ。それ以外が服従を強いられる。ただし、私立大の日本大学とか枝分かれした國學院大學などは、自らすすんで在野からナショナリズムを煽っている。これは新撰組が農民ばかりだったというのと同じことだろう。
 ただ、自分の出た小学校もそうだったが、ほんとうに評判が良くないのはむしろ校歌ということがある。校歌斉唱と言われると、児童たちが憂鬱そうにため息をついた。コネがあって著名な作曲家に校歌を作ってもらったのだが、すると芸術的すぎて歌いにくく、だから子供たちに不評だったのだ。
 こうした校歌は、中田義直とか伊福部昭が作曲した校歌の中にある。もちろん、儀式用に作ったからであるかもしれないが、それにしても、聴くには良いし大人になって歌うには、少ししんどいがなんとかなる、というような歌でいいのか疑問を感じる。これが菊池俊輔や渡辺宙明や渡辺岳夫の作曲だったら、子供たちは喜んで歌うはずだが。


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by ruhiginoue | 2014-03-29 23:00 | 社会 | Comments(8)
 袴田事件で大きな進展があったが、どうして未だにこのような事件が解決しないで、さらに事件が起きるのかも考えなければならない。
 よく言われるのは司法制度の問題だ。これについては、すでに色々な方面から指摘がされているから、それらと重複しないよう別の視点から、かつてここでも、いくつかの問題を話してきた。例えば「袴田事件とヒラメ判事と法学部」【参照】など。

 この一方で、カウンターとなる人権擁護運動がまるでなってないから、権力犯罪はやりたい放題できるという実態についても、色々と述べてきた。例えば極左の過激派だった老人たちが、運動していると言いながら実は運動の妨害をしているということについて、「赤軍派の元活動家が作った人権擁護団体『国賠ネットワーク』内の異常すぎる感覚」【参照】など。

 このほかに、とても醜く悲しい現実がある。
 山田風太朗の小説に、理不尽な裁判で刑務所に入れられた男が、出所後に、自分と同じ破目に遭う人たちを見て喜ぶようになってしまい、悲惨な体験をしたために人間性が荒廃してしまったのだ、という話があった。
 これは実際に、そんな人たちが人権擁護運動の中には大勢いる。これでは、まともに運動などできないどころか、逆になってしまう。先に挙げた老人についても、批判したことに対して、極左の体質というだけでなく、そうした人間性の崩壊があるのではないかという指摘を受けたことがある。

 また、冤罪の被害者だけでなく、重度の身体障害者が他人の不幸を嘲笑しに来る。例えば、今でも思い出すとその醜い態度には嫌悪感だけれど、そんなことをするしかない気の毒さも感じた男がいた。生まれつきの脳の障害で全身の動きから言語まで不自由で、懸命に身体を動かして、また、懸命に言葉を話し、付け回したり、搾り出すようにして侮辱の言葉を発したり、そうしながら、権力犯罪の被害のため人生が狂ってしまった者に向けて、顔の表情を歪めながら嫌らしく笑って見せていた。
 この男は、例の南極に持って行く人形などを身障者割引で買っていたりするという話を、なにかのはずみで口を滑らしたことがあるけれど、それはしょうがない。しかし、囚われの身になり婚約者と別れ、自由の身になった時にはもう歳をとっていた、という人をあざ笑う自慰をしていたから、同情できなくなった。そんなことのために、人権擁護運動の集会に来るべきではない。

 しかし、本当に問題なのは、そうしたふざけた連中にとって居た堪れなくなる雰囲気に、どの運動もなっていないことだ。そして、市民の中に真に対抗する勢力が強く大きな潮流として存在しないので、権力は安心して腐敗し、人権侵害のやりたい放題が続くのである。

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by ruhiginoue | 2014-03-28 22:52 | 司法 | Comments(4)
 猪瀬都知事辞任とまでなった「選挙資金の不正」は、昔から政治の問題として騒がれてきたが、しかし、そもそもこれは「選挙資金は不正」の間違いだろう。資金がないと議員や首長になれず、ほとんどの「有権者」にとって参政権は一票だけ。これが民主主義だと思わされているわけだ。
 ところで、その政治資金の不正疑惑をもたれたのは『週刊新潮』に書かれたことがきっかけということだから、政府は「みんなの党」を潰しにかかったということではないか。そういう情報提供を、また同誌にしたのだろう。

 この『週刊新潮』 は、遠くから望遠で撮影して拡大したらしいことが映像から判る写真を掲載し、また同じ筋から提供されたのではないかと言われている。それは吉良よし子参議院議員が男性とチュッという場面だった。共産党のスキャンダルを狙ったと思われるが、独身なのであまり響かないだろう。
 前に、民主党前幹事長の細野豪志議員が路上チューを撮影されて打撃だったが、それは彼が既婚者で、子供を抱いた写真を宣伝に使うことで良き家庭人というアピールをしていたからだ。そのうえ相手が相手で、よりによって山本モナだった。

 これで思い出したが、石原慎太郎もと都知事は、自民党の国会議員だった当時、テレビで、当時旧社会党の委員長だった土井たか子議員と一緒に出た後、土井さんと話してどうだったかと久米宏アナウンサーに訊ねられたら「接吻したかった」と答えていた。こういうことは所属政党とかイデオロギーと関係ないということか。
 だから、独身女性の議員でも、ファンがショックを受ければ、少しは影響があるかもしれないとの意図だったかもしれない。今の共産党にとって、吉良はスター議員だから。選挙の前宣伝のポスターにも駄洒落で星☆☆を付けていて、共産党にしては珍しく遊び心があると感心したものだった。





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by ruhiginoue | 2014-03-27 20:42 | 政治 | Comments(6)
 今からでも遅くないから、消費税率を上げるのは止めるべきだ、というのは正しいと思うが、日本政府はやめない。やめるわけない。
 あのしょぼい自民党すら止められないのに、ロシアにクリミア併合をやめろというのは、まさに自分の頭の上を飛んでいるハエも追い払えないのに天下国家を論じるというものだ。

 つまり、ロシアを一方的に非難している人たちは、国境線が道理のみに基づいて引かれるものだと錯覚しているお人よしということだ。昔からいわれるように、無理が通れば道理が引っ込む。今、批判している人たちも、ロシアが勝てば容認するしかないし、逆に失敗すれば、自分の批判が正しかったと自信たっぷりに言うだろう。これは消費税率が理不尽に上がっても我慢して取られるしかなく、経済破綻して暴動でも起きれば別だというのと、まったく同レベルのことだ。

 これまで度々ここで取り上げてきたリビアなどの現実を直視していたら、ロシアのしていることを非難するのは安易すぎるし牧歌的すぎる。これは善悪の問題ではなく、勝つか負けるかの問題だ。少しでも妥協すれば、いずれは死につながる。まさに仁義なき戦い。国と国とか、民族と民族とかいうのは、ただの生存競争であり、ヤクザの抗争と変わらない。不愉快な現実こそ直視すべきなのだ。
 もともと、善悪の対立など、この世に存在しない。あるのは主観的な正義同士の対立だけだ。この認識を欠いた人たちが、自分が駄目だから負けなのに、世の中が間違っていると愚痴るのだ。

 よく、裁判のイカサマを糾弾したが、しかし明らかなイカサマを堂々とやっても、そうすることが正義だと信じているから、あの人たちは平気でやっているのだ。だから、それを踏まえて戦いつづけるしかない。これも世界情勢と同様である。範囲が極端に違うだけで、人間のしていることであるのは同じだ。


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 イラク、リビア、シリア、と通り魔が襲ったが、ウクライナには熊が住んでいたので気後れしたという風刺画。熊はロシア系住民が多いということで、通り魔の衣装はアメリカ風で、鞄にはNATOのマークが付いている。


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by ruhiginoue | 2014-03-26 22:53 | 政治 | Comments(11)
 311の黙祷に賛否があったことで思い出したが、高校のとき通学途中で交通事故死した生徒がいて、体育館で教職員と生徒が全員で黙祷というさい、してもいいけど先生に号令かけられるのは嫌だという生徒たちがいた。普段、生徒を粗末に扱っている教師が形だけの哀悼を強制するから、空々しくて嫌悪感を覚えるということだった。
 これは通学途中の事故だったが、それから数年後には学校内で授業中に事故で死者がでている。このときは教師たちは責任逃れの醜い態度、そこで教師が黙祷と号令をかけたから、より直接的に嫌らしかったらしい。
 これは、震災でも同様ではないだろうか。

 ところで、安保の時、学生運動で東京大学の学生が死亡し、集会で学生たちが協力を呼びかけた。
 「今から、亡くなった女子学生に黙祷を捧げます。記者のみなさんも脱帽してください・・・ご協力、ありがとうございます。警察官のみなさんも、黙祷する間だけでいいから鉄兜を取ってください・・・鉄兜を取ってください」
 「そうだ、警察官も鉄兜を取れ」
 「鉄兜を取れ」

 これは大島渚監督の『日本の夜と霧』の最初に出てきたが、音声だけであった。これがテレビでは、警察官たちは誰も鉄兜を取りはしなかったが、若い警官たちがみなうなだれて、一緒に黙祷している姿が映っていた。
 これを多くの人たちが見て、年長者たちがしっかりしないから、こういうことになったのだと悟り、岸総理は辞職することになった。

 そして今、その孫の安倍総理は、集団的自衛権と言う一方でテレビの『笑っていいとも』に出てヘラヘラしているのだった。この政府のもとで、ろくに復興もしないまま、震災の犠牲者に黙祷というのだから、反発する人たちがいても当然だろう。

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by ruhiginoue | 2014-03-25 21:12 | 社会 | Comments(0)
 終了が決まった『森田一義アワー笑っていいとも』に、安倍総理が出演したが、このときスタジオ周辺には『安倍信三アホー辞めていいとも』という皮肉のプラカードを掲げた人たちがやってきた。総理だから警察が警備しているのは当然だが、批判者たちを監視して写真撮影までしていたそうだ。
 このフジテレビに、韓国ひいきだから反日でけしからん、とデモした人たちは、安倍総理が「いいとも」に出たことで、やはり統一教会との癒着は本当だったのだと怒ってデモかけるかというと、そこまで考えているとは思えないだろう、あの連中では。
 果たして、安倍総理は、よい宣伝効果があっただろうか。

 このデモの映像に、皮肉のプラカードのところではキツイ言葉の翻訳テロップ入れ、監視の警察は弾圧に来たとナレーションを入れ、日本国民のほとんどが安倍総理に辞職を求めているが安倍政権は市民を弾圧しているとして、CNNやAPやAFPが世界に配信したら、あとはNATO軍が民主化支援と称し軍事介入できる。だから、テレビに騙されてはいけない。
 かつて、『メガゾーン23』という80年代のSFアニメで、スタジオアルタの画面から人気女性アイドル歌手が、軍隊に入るよう若者たちに呼びかけ、釣られる軽薄な若い男たちが続々で、実はそのアイドルはコンピューターで合成された映像と音声だった、というオチだった。そして『ファイナルファンタジー』とか『初音ミク』 の時代が到来した。
 見聞きしたものは、必ずしも現実ではない。

 「23」といえば、あと『筑紫哲也ニュース23』があった。筑紫哲也と森田一義は、朝日新聞の宣伝で共演したことがあり、ジャーナル時代に「いいとも」で共演したこともある。この話題は後に。


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by ruhiginoue | 2014-03-23 19:45 | 社会 | Comments(2)
 『はだしのゲン』に難癖をつけて弾圧している人たちがいる。そう言う人たちは「右曲り」だろうが、こういう感覚に政治的左右の違いは無いのだ。
 自分が小学生の時に担任だった、当時まだ二十代後半の女性教諭は、戦争の描写が子供には刺戟が強すぎるから読んではいけませんと言った。弾圧の口実ではない。なぜならこの人は、夫婦で旧社会党員だった人で、しかも党内最左派の社会主義協会に属していた。
 また、松本零士の「戦場まんがシリーズ」は、戦争美化だから読んではいけないと叱った。小学生の当時、ドラマの内容はやや薄いが戦争を悲劇として描いてはいると思っていたし、成人してから改めて読んでみると、作者の政治的認識に深みがないから薄味だが、それでも戦争の悲劇を描く姿勢は真面目なものだとの感想は変わらなかった。
 しかし、戦闘機や軍艦や戦車が出てくるから、ただカッコイイと思ってしまう、ということだった。しょせん子供こどもだから、と。
 そんな調子なので、同僚の教師が持っている『カムイ伝』を読んだ児童が、農民一揆首謀者処刑の残酷場面に吃驚したところ、その男性教師が「封建時代には普通のことだった。だから、こんなこと駄目なので、人権という考えが出来たんだよ」と教えたが、その女性教師は「こどもにわかるわけがないでしょう」とヒステリックに反発した。
 また、松本清張や森村誠一が原作のドラマが教室で話題になると、放送時間が遅いから駄目と言った。これには親が怒った。幼稚園か一年生ならともかく、高学年で、もうじき中学だ。社会派ドラマに興味もって当然だ。ちょっと寝るのが遅くなるのと、「ウルトラ」や「ライダー」を卒業できないのと、どっちが問題か、と。
 もっとも思い出して不愉快なのは、思い通りに従わない児童を、教室でクラス全員により集団吊し上げをする手法を好んだことだ。自分でも被害に遭った。あれはまるで『はだしのゲン』で、ゲンの父さんが竹槍訓練なんて馬鹿げていると言ったために非国民と迫害されたのと同じだ。
 そう抗議されると激怒し、「戦争中の日本とは違いますよ。私は中国の人民裁判を見習っているんです。民主主義なんです」と言った。
 これはギャグみたいだけど、こういうことを大真面目に言う人たちが一部にいたのだ。
 つまり、漫画の一部を取り出して難癖をつけている人たちには、もちろん政治的な意図があるのだろうけど、それ以前に読む人を信じていおらず、子供だからと見下しているのだ。
 しかし、そういうアンタなんかより、よほど思考力や判断力が豊富な、しっかりした子供たちは相当いるということを、まず知るべきだ。

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by ruhiginoue | 2014-03-22 22:30 | 社会 | Comments(5)
 先日述べたとおり(参照)、銀座ファースト法律事務所が依頼人から業務への苦情をインターネットに匿名で書かれ、それは事務所の内部についてまで言及されていて、中に入ったことがある人でなければできないことだったが、それなのに同事務所は、前に訴訟で対立した相手方が中傷誹謗で書いたということにしてしまい、それを事務所のホームページに記載し、そこには当方の実名が書かれていた。
 これを問題にして、事務所長の田中清弁護士を、東京弁護士会に懲戒請求したのだが、すると同会は、同事務所の行為は正当であるとした。なぜなら、当方から先にこのブログに違法な業務妨害となる中傷をしたから、必要な反論をしたという。
 では、それがどのような内容であり、それに対してどう反論となるのか、というと具体性が皆無であった。
 そこで、事実無根であるから侮辱罪で東京弁護士会を訴えた。

 これに対して、被告となった東京弁護士会は、ブログに掲載された日付を挙げたものの、その複写すら提出せず、複写がなくても内容や趣旨くらいは指摘してもよさそうなものなのに、何の提出も説明も無かった。

 このため、東京地方裁判所も東京高等裁判所も、東京弁護士会が書面に記述した内容について裏づけとなる根拠が欠けていると指摘し、とくに高裁では、東京弁護士会が書面に記載したことは、その具体的な日時について証拠が無いと判決文に明記した。ただし、その誤りが故意であったという証拠もないので、日本弁護士連合会が是正する制度となっているのだから、そちらに持っていくべきことだと指摘し、慰謝料請求は棄却された。

 このため、日本弁護士連合会に是正を求め、その判決文を提出して、東弁の誤りを是正するよう求めたが、なんと日弁連は、その判決文の提出があっても、それでも東弁が正しいという文書を送ってきた。証拠がなくても、それを東京高裁が判示しても、とにかく東弁が認定すればそうなのだ、ということだ。

 まったく、監査機能が働いていない、どころの話ではなかった。
 どうなっているのか調べるため、情報公開制度を利用して、その認定の根拠は何だったのかと開示請求した。すると東弁は、高裁から証拠が無いという指摘をされたさいに提出した書面だけが根拠であったとの回答をし、いっぽう日弁連は、その東弁から提出された書面のみに基づいているという回答であった。
 つまり、東弁は口からデマカセを書いていて、これに異義があっても日弁連は書面も証拠も見ないで追認した、ということだった。

 この回答を得て、東京簡易裁判所を利用し、日弁連を訴えるとともに、この文書を提出した。日弁連は、東弁の虚偽記載を、高裁から証拠が無いと指摘されたことを知っていながら、また、この他に証拠が無いことも知りながら、東弁の虚偽を追認したのだから、故意による侮辱であると指摘し、違法行為であると主張したのだ。

 これに対し、日弁連は、東京ブライト法律事務所の濵谷美穂(はまや みほ、東京弁護士会・登録/No.31800)を代理人に立てた。濱谷弁護士は、法廷で「反論します」と明言したが、反論らしい反論はしなかった。ただ、高裁判決を知ってはいたが、認識していなかったという抗弁だった。
 たしかに、日弁連の書面には、異議申立および高裁判決の提出を受けたとは書いてあったが、それらを読んだとか調べたなどとは書いてなかった。
 つまり、日弁連は、提出された異議申立の書面と添付された証拠を全く見ないで、とにかく弁護士会のすることは、証拠が無かろうと否定する判決があろうと、何が何でも正しいのだ、と言ったわけだ。

 こうした、まともに業務を行っていないという、とんでもない事実を、日弁連は訴訟代理人弁護士を通じて裁判で認め、開き直ったのである。

 これで困ったらしいのが、東京簡易裁判所である。判決で春名克男裁判官は、問題になった記述が存在しないという判決とした。そして、他にその証拠がないとまで。判決文には、証拠についての記載がなく、事実関係や原告被告双方の主張すら記述されていない、たった2枚のぺらぺら判決文であった。

 これは、明らかに判断遺脱である。問題は、記述が存在するかどうかではなく、存在を前提とし、これを知って追認したことの違法性が問題になっているのだから。しかも、地裁と高裁の判決の存在まで否定してしまった。簡易裁判所としては、大した蛮勇であるとも言えるが、それだけ日弁連を贔屓したかったのだろう。
 もちろん、即日控訴した。

 というわけで、日弁連が業務を適正に行っていないという事実を裁判で暴露したうえ、とんでもないインチキ判決により勝訴してしまった、東京ブライト法律事務所の濵谷美穂弁護士を、いつまでも記憶しておこうではないか。


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by ruhiginoue | 2014-03-21 19:25 | 司法 | Comments(8)