コメントの他に、表示されている著書をクリックしてその感想をアマゾンのレビューに投稿してくださることも歓迎です。おたよりはこちらへruhiginoue@excite.co.jp


by ruhiginoue

<   2017年 01月 ( 31 )   > この月の画像一覧

 『通販生活』は客を選んだ。原発再稼働まっぴら戦争まっぴらというのが嫌なら申し訳ありません今までご購入ありがとうございました、と言った。
 だからアパホテルだって、南京大虐殺がなかったと言うのが気に入らない人は泊まってくれなくて構いません、と堂々と言えば良いわけだ。

 たとえば、ヨーロッパのホテルには「使っていないシーツやタオルは洗濯しません。経費の節約になるし洗剤の使用量が減り環境にも良いのです。ご理解いただけるお客さんに泊まっていただきたい」と表示してマナーの良い客を選んでる所がある。

 前に旅先で、ちょうど近くのアパホテルは経営者の体質を知っているから避けてスパの仮眠室の雑魚寝で泊まったことがあるけど、客が選ぶ、客を選ぶ、どちらもあってよいはずだ。
 ただし公共性が高い業務の場合、誰でも利用できるようにするため一定の配慮をしないといけない場合がある。宿泊施設の場合、内容的に非常識なものを置いてはいけないと法規制があるけれど、ポルノなどとちがって政治的な問題になるものは微妙だ。アパホテルに置いてある冊子は政治的主張という水準ではなくヘイトであるという批判もあるが。

 ほんらいは、民間で勝手にやったことだから政府は知らないと言えばいいことだった。なのに、慰安婦像で民間が勝手にやったことなのに政府が合意に反するとか文句を言うから、それなら南京事件だって日本の政府が公式に非を認めているのだから、民間で勝手にやったことでは済まないだろうと言われてしまうのだ。これはそもそも政府の不手際だ。

 ついでに、アパホテルのことで思い出したけど、『西部警察』の第一話に出てくる、あの装甲車で暴れまわる右翼の爺さんは、ホテルをたくさん経営していて金持ちという設定だった。「日本よ、目覚めよ!」と狂信的に叫び、大門軍団の刑事は「あの爺、なに寝ぼけたこと言ってやがるんだ!」
 このように、不動産がらみの富豪で政治的野心を持つ人は現実にもいて、このたび就任したトランプ大統領もその一種だろう。
 また『西部警察』には、その後も右翼が悪役で登場することがあった。もともと任侠映画では暴力団と右翼の関わりが描かれてきたから、テレビの刑事ものにも普通に出て来て、石原プロの作品であっても例外ではなかったのだ。

f0133526_17531841.jpg
 今は亡き超個性派俳優・伊藤雄之助がふんしていた極右の狂信者の富豪。『太陽を盗んだ男』の影響が明らかだ。



[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-21 17:54 | 社会 | Comments(1)
 米ハリウッドの人気俳優たちが、「私は生き抜く」と歌う動画がネットに掲載され、トランプ次期米大統領に対する抵抗のメッセージだと話題になっている(正確には、一部のマスコミが騒いでいる )が、ハリウッド映画が面白くなくなったと映画ファンから言われて久しく、もう生きなくて結構というほどだ。
 そして「赤狩り」を告発した広瀬隆の著書『億万長者はハリウッドを殺す』は、トランプ大統領の出現によって別の意味で現実になりそうだ。

 ところで、トランプ大統領就任に合わせたアンチのデモ行進が企画され、東京と大阪でもアメリカ民主党日本支部の後押しで開催されると報じられているが、有名芸能人を指して「セレブ」たちが参加すると謳っているけど、そういうものに対する反発がトランプ現象を生んだという自覚はないのだろうか。
 だいたい、昨年のアメリカ大統領選では、マドンナらがヒラリークリントンを応援する姿が大きく報じられたが、逆効果だったとしか思えない。こうしたマスコミの姿勢にも、トンデモと言われるトランプを勝たせた一因があるはずだが、その自覚がないようで、だからメリルストリープの中身が無い発言を大したものであるかのように伝えている。

 そして日本でも、普段は進歩的な姿勢で見識を発揮している芸能人が、トランプを批判するメリルストリープに便乗している。なぜかと疑問を呈する人たちもいるが、それはおそらく解っていてやっている処世術だろう。今の大統領や総理を批判してはいても、結局は体制側に付いているのだということを示しておかないと、マスコミに干されてしまうと恐れているのだ。
 
 しかもトランプはマスコミ批判をしているから、それを批判することはマスコミで商売している芸人たちにとっての処世術となる。なので、こうした芸能人たちの発言は、権力者を批判する勇気あるものとはまったく違う。
 あのときのトランプによるマスコミ批判は、続けてこう言っている。
 「私は反論出来るから、まだいい。世の中にはメディアによる不誠実な報道によって人生を狂わされた人たちだって大勢いるんだ」
 この発言を芸能人が批判してもマスコミから干されはしない。
 しかし「たしかに冤罪事件などでは、しばしば記者クラブ垂れ流しの犯人視報道が人権侵害をしていて、権力のある政治家と違い一般人は深刻な被害を受けている」などと発言したら、その芸能人はマスコミに干されるだろう。

 つまり、トランプ批判している芸能人は、一時的に権力者を批判するカッコだけで、ほんとうの意味では権力を批判せず、権力と慣れ合うマスコミにおもねって、商売しているのだ。

f0133526_16030113.jpg


[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-20 15:19 | 映画 | Comments(0)
 生活保護受給者の自立支援を担当する神奈川県小田原市の複数の職員が、「保護なめんな」「不正を罰する」などと、受給者を威圧するような文言をプリントしたジャンパーを着て各世帯を訪問していたことが問題になった。
 これは職員が自費で作ったとみられており、市は不適切だとして使用を中止させた。また専門家は「生活困窮者を支えようという感覚が欠如している」と批判している。

 同市によると、このジャンパーを着ていたのは生活保護受給世帯を訪問して相談に応じるなどする市生活支援課のケースワーカーで、在籍する25人の大半が同じジャンパーを持っていたということだ。


 このジャンパーの背面には「我々は正義だ」「不当な利益を得るために我々をだまそうとするならば、あえて言おう。クズである」などの文章が英語で書かれていて、これが報道されて映されると英語の滑稽さが指摘された。


 また「あえて言おう、クズである」は、どうやらアニメ『ガンダム』のギレンのセリフが基のようだと指摘されているのだが、否定すべき悪役の発言として語られた言葉であることが明らかなのに肯定的に使われてしまう現象が、このところ目立つ。

 あの「ラーメンマンガ」で、主人公の熱意を否定し、自分は金で縛ることでしか人を信用しないと嘯く目つきの悪いスキンヘッド経営者の「金の介在しない仕事は絶対に無責任なものになる」を肯定的に使用している人たちも、そうだ。

 これを引用して、舛添前都知事が残った仕事をこなしたいので報酬を返上してでも任期を全うしたいとか、トランプ次期米大統領が自分は大富豪で使命感から政治家になったのだから報酬は受け取らないで働くとか、そうした政治家の発言や、ひどい場合はボランティア活動にまで、的外れな非難を浴びせている人たちがいる。


 この調子では今ごろ、このジャンパーを見てNHKが真似して作ろうと考えているのではないか。「NHKをなめるな」「こちとら日の丸つけて君が代ながす放送局だ」「あえて言おう受信料不払いする者はクズである」というジャンパー作って、みんな着て訪問しようって。

 このジャンパーは2007年に制作したものだそうで、この前の2006年に「美しい国づくり」を掲げ安倍内閣成立し、2007年には北九州で生活保護を打ち切られた病気の男性が「オニギリを食べたい」と書き残し餓死している。なんと美しい国であるか。


 もともと、生活保護の不正受給と財政負担は、特に問題にしなくても良いことが数値から明らかなのに、なぜこのように変な騒ぎ方を、無知な素人ならともかく、詳しいはずの役人たちがするのか。これが問題だ。
 これについて唯一可能な説明は、福祉の仕事している人たちの中に弱い者いじめをして面白がる奴がいるということだ。前にも話題にしたことだが、福祉の仕事を志望したのは相手が弱者だから威張れるとか虐めてやれるとかいう不純な動機の人が時々いるのだ。
 そういうこと言ってる人を実際見たことがあるけれど、学校でいじめられっ子だったとか、出た高校が定時制だとか大学が夜間部だとか、そんなことを変なコンプレックスにしてる人だった。
 あの片山さつき議員が、自分は東大を出て大蔵省に入ったと誇り、年収400万円台の庶民たちを見下して悦に入り、それが良いから支持している有権者たちがいるけれど、それよりさらに社会の下位にいる者たちが、上に向かって怒りの声をあげることができず、労働運動も頼りないので、弱い者がさらに弱い者を叩くということになるのだろう。


f0133526_15300327.jpg


[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-19 15:58 | 社会 | Comments(0)
 ネトウヨと呼ばれる連中は、なんでもいいから権力の側にすり寄って自己拡大したがる者という定評があるけれど、その習性のために、権力がなにか規制しようとすると、そこに危険が指摘されても賛成し、反対する者を罵る型が決まりきっている。

 この型には思い出がある。高校の時に、学校側が髪型について神経質になりすぎているから、校則と対応を見直して欲しいという意見があったのだが、これに生徒の側から反対する者もいた。そういう者もいることはむしろ当然に予想ができることだったが、それにしては凄まじすぎる反発をする者が一人いたのだ。
 
 その同級生は、壮年性脱毛症だった。神経性ではない。稀には早い人だと十代の後半から壮年性脱毛になるが、彼は同級生の髪型を見ては校則違反を咎め、もっと自由にしようという生徒会役員を「アカだ!共産党だ!」と罵っていた。そして狂ったように「きょ~さんと~、きょ~さんと~」と喚き散らした。これは安倍総理の「にっきょーそ、にっきょーそ」を、もっとヒステリックにしたようなものだった。

 この印象が強烈だったので、ネトウヨの発言を見かけると、これを書いている人は若禿ではないかと一瞬思ってしまうほどだ。


 この間、共産党を除籍された松崎いたる板橋区議員は、その少し前に、共産党の議員でありながら、安倍総理の政策対応を問題にした共産党の小池晃議員にケチをつけたため、共産党員と熱心な党支持者たちから批判されていたが、これは少子化問題で小池晃議員の発言のうち「安倍総理には子供がいない」という言葉尻をとらえ、自分も安倍総理と同じで結婚したけど子供ができないと喚いたのだった。子供がいないと駄目という趣旨の話ではなかったというのに。
 そして共産党員などからは、党員しかも議員でありながら…という批判をされていたが、党外からは「きっと松崎板橋区議は『必殺シリーズ』の中村主水のように姑から『婿殿!』『種無しカボチャ!』などと罵られていたのではないか」というネタにされていた。
 それは冗談にしても、当人としてはたいへん気にしていたのではないか。それで神経過敏になってしまい、党員で党議員でもある立場を忘れてしまったのではないか。

 そもそも、政治的イデオロギーなんて付け焼刃だが、身体的コンプレックスは根が深い。


f0133526_15570317.jpg




[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-18 15:58 | 政治 | Comments(13)

大島渚の命日と思い出

 1月15日は映画監督・大島渚(1932-2013)の命日だった。

 彼が病に倒れてから久しぶりに公の場に表れたのは2008年の日本映画監督協会創立七十周年祝賀会だった。この時の大島渚は、車椅子に乗って小山明子に付き添われていた。
 これに参加して雑誌に記事を書いたが、むしろ実行委員をしていた杉井ギサブロー監督のほうに熱心に話しかけていた。アニメの世界ではたいへん偉い人だから仕方ない。
 この話は前にした。

 ところで、大島渚は「初めから解らないのはあたり前で、初めから解るならこんな映画を作る気は全然ないし、初めは解らなくても映画の最後になって初めて解る、そういう映画をオレは作りたいんだ」と言っていた。
 これに対して「アメリカの観客は最初の15分で解らないとガッカリする」と言ってロバートレッドフォードは知り合いが原作者である『戦場のメリークリスマス』出演を断ったのだった。
 この話は、よくハリウッド映画のパターンについて語るさいに引き合いに出されている。

 また、大島渚は「普通、俳優さんが演技力と思っているものは、まあ、邪魔ですよ」と言っていたけれど、もともと「意余って力足らず」くらいが良く、あまりに上手な役者は好きではないと彼は述べていた。
 それで、『戦場のメリークリスマス』の当時、大島渚はブロードウェイで『エレファントマン』観たらデビッドボウイの演技がすごく上手くて、これでは上手すぎるんじゃないかとむしろ心配になったらしい。

 あと、大島渚は日韓問題に拘りがあり、『戦場のメリークリスマス』でビートたけし軍曹にいたぶられる朝鮮人軍属の話は原作にない脚色だった。この役をキャロルの中で唯一在日の家系であることを公言して運動もしているジョニー大倉が熱演したのだった。
 ほかにも『帰ってヨッパライ』で主演のクールセイダーズの『イムジン川』がキーワードになっていたし、『ユンボギの日記』や『忘れられた皇軍』などドキュメンタリー映画もあった。

 そして小松川事件を基にした『絞首刑』に主演し『少年』でも在日男性を演じた俳優は、今では出版社の経営をしている。
 ここは和多田進氏の社会派ジャーナリズムが主体の会社だった。実はかなり昔のことだが、この出版社が従業員募集していたので面接に行ったことがあり、編集が希望だったが欲しいのは営業ということでダメだった。
 そしてしばらくしたら同社は全体的には変わっていないが、そこへ日韓問題とか『チャングム』とかの本が目立つようになっているから驚いたものだった。


f0133526_15330233.jpg


[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-17 18:02 | 映画 | Comments(0)
 トランプ次期アメリカ合州国大統領は、同じことを言うにも受け狙って威勢よくしているが、そのうち受けているのが「製薬会社は殺人罪を犯している」というものだ。

 これで思い出したのが菅直人もと総理の厚生大臣時代のことだ。彼は歴代の厚生大臣とは違い、製薬業界ではなく患者の側に立ったことで評価されている。そして、陳情の手紙に対しては秘書の代筆だったりするけれど一応は返事を出すなど誠意を見せていた。
 これと大違いなのが小泉純一郎厚生大臣だった。常に業界寄りで、献金を受けて贅沢な暮らしをして海外旅行したりグルメ三昧だったりし、改革派を自称するので薬害などの被害者が陳情の手紙を出しても全く返事を出さなかった。

 このように、菅直人は小泉純一郎などとは大違いだったのだが、それで名を挙げた勢いで新党を結成して総理になったものの、それまでの過程で、多くの患者とその家族と支援する市民や弁護士たちの努力の上澄みを浚い、すべて自分の功績のようにしてしまった。
 だから、薬害など医療問題に関わる運動や裁判をしてきた人たちから、菅直人はけっこう評判が悪いのだ。それでも、小泉などよりははるかにマシということでもある。

 それなら、いっそのことトランプ次期大統領のように威勢よく過激なくらいに製薬業界を批判していたら良かったかもしれない。ただ、あの当時の日本では、そういう威勢の良さが受け入れられなかった可能性もあり、そこで発言することは博打になってしまう。
 しかし、今の菅元総理は失うものがないのだから、今のような半端なことをしていないで、もっと積極的な言動をとるべきだろう。

 ところで、アメリカの人気ドラマ『ER』は民主党支持を明確に打ち出しているが、そうしたら薬害についても、批判は陰謀論とか無知とか言う誹謗を根拠もなく主人公に語らせているなどしていて、アメリカのリベラルは虚飾ばかりであることを再認識させられる。ジョージクルーニーもメリルストリープも偽装のリベラルであることは、その言動から暴かれている。このことは既にここでも指摘した。
 こうした実態が、トランプ当選の一因だろう。

f0133526_16030113.jpg





[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-16 15:52 | 国際 | Comments(3)
 長州藩出身の政治家で井上馨は歴史上よく知られているが、井上薫という弁護士がいて、現役で女性と男性の両方がいるということを、あのプール着替え室で水着姿自撮りで話題の岡口基一裁判官がTwitterで写真付きで紹介していた。

f0133526_17415015.jpg
f0133526_17420285.jpg

 薫という名は男女ともに付けられるものだが、これで思い出したのが中学の時の同級生で、桐山薫という女の子だった。
 だから、普段は「桐山さん」か「薫ちゃん」と呼ばれているけれど、よく「隊長」とも呼ばれていた。そして、「桐山さん」か「薫ちゃん」と呼ばれると「はい」と返事をするけれど、「隊長」と呼ばれると「なに!」と言った。成績の良い真面目な子だがユーモアもあった。



[PR]
by ruhiginoue | 2017-01-15 17:50 | 司法 | Comments(3)
 トランプ次期米合州国大統領の会見で、毎日新聞の社説が「メディア差別は許されぬ」という題で「驚くべき光景だった」と書き出しているが、この「社説」のほうが「驚くべき」内容であり、日本のマスメディアの退廃の凄まじさを改めて再認識させられるものだった。


     この記者会見でトランプ次期大統領は、CNNの記者に対し、自分は他の記者を指名しているのだから割り込まないようにと言うなどして険悪な雰囲気になっていたのだが、それを毎日新聞は、単にCNNの記者が「あなたは(ツイッターでも)我々を攻撃している。質問の機会を与えるべきだ」と迫ったのであり「食い下がったのは理解できる」とし、「それでもトランプ氏は『わきまえなさい』『質問は受けない』などと拒み通した。民主国家の最大都市ニューヨークで、トランプ氏は独裁国家の指導者のように振る舞った」と、手あかのついた紋切り型の言葉で単純に非難した。

     

     そもそも、その「CNNの虚偽報道」は根拠が不明確であり、それをことさら思わせぶりに騒ぐから、これでは印象操作だという批判が起きている。それなのに毎日新聞は、「報道したメディアの質問を拒む権利はない。『偽ニュース』ならなおさら、質問させて堂々と答えた方が、あらぬ疑いを持たれずに済むはずだ」と、すっかり情報操作に乗っかっている。みすみす印象操作にからめとられる愚は避けようと拒絶したら、堂々と答えないのはやましいからだと非難する。これは情報操作・印象操作の常套手段だ。

     

     このようになった場合、CNNが虚偽報道したかが先ず問題なのに、そこを検証せず「メディア差別」と非難する毎日新聞の社説は「批判の為にする批判」でしかなく、そのうえでメディアが権力を批判することは大事であるという建前をアメリカの過去の事例を引っ張ってきて取って付けて言うのは問題のすり替えであり、具体性を欠いた観念論による手抜きである。


     このような怠慢だから、沖縄の二新聞を潰せという自民党や、基地反対運動は金で雇われているというテレビなど、国内のメディアと権力の問題には向き合いもせず、大上段に振りかぶって中身の無いことを外国へ向かって偉そうに言うのだ。

     これは毎日新聞の社説に限ったことではないが。


    f0133526_08151901.jpg


    [PR]
    by ruhiginoue | 2017-01-14 09:42 | 国際 | Comments(2)
     うかつにも気付かなかったのだが、名優・米倉斉加年(よねくら・まさかね)さんが亡くなったとき、「モランボンのジャン」のCMに出演していたことが報道では軽く触れる程度だったけれど、この背景について辛淑玉さんが次のように書いていた。

     「焼肉のタレといえば『モランボンのジャン』がすぐ思い浮かぶ。スーパーの肉コーナーには欠かせない一品だろう」
     「そのジャンのコマーシャルには、今では想像もできないほどの産みの苦しみがあった」
     「なにしろ『チョーセン』という言葉を口にすることさえはばかれた時代だ。まして放送の中ではタブーを超えていたと言ってもいい」
     「そんな中、『朝鮮の味、ジャン!!』というナレーションと共に、美しい映像がテレビ画面いっぱいに流されたのだ」
     「私は、その映像に釘付けになった」
     「モランボンのコマーシャルは、何度となく放送局から拒否された」
     「また、『朝鮮』を掲げた企業のコマーシャルに出演してくれる俳優を探すのも困難を極めた」
     「俳優生命の終りを意味するほどの差別感情が社会に蔓延していたからだ」
     「抜擢されたのは、CMには決して出ることのなかった名優、米倉斉加年さんだった」
     「その彼が、30年前、全鎮植氏(注:モランボン創業者)の求めに応じて、朝鮮風のパジチョゴリを着てコマーシャルに出演したのだ」 
     「そのせいで米倉さんが受けた仕打ちは凄まじいものだった。まず、すべての役から下ろされ、メディアへの出演も断られた。仕事がまったくなくなったのだ」
     「もちろん米倉さんの子どもも無事ではいられなかった。学校で『チョーセンジン』といじめられて帰ってきて、『ねぇ、お父さん、私の家は朝鮮人なの?』と尋ねたそうだ」
     「その時、米倉さんは微動だにせず『そうだ、朝鮮人だ。朝鮮人で何が悪い?』という趣旨の言葉を子どもたちにかけた」
     「米倉さんは、1934年に福岡で生まれた日本人である。しかし彼は、自分は日本人だとは決して口にしなかった。それは、このコマーシャルを引き受けるときの彼の覚悟でもあったのだろう。当時を振り返って、『あのとき、このコマーシャルはただ焼肉のタレの宣伝ではない、社会意識への挑戦であり、文化を伝える作業だと認識していたのは、全さんと私と、あなた(私のこと)だけだったかもしれませんね。わっはっは』と愉快そうに語ってくれた」

     この79年の宣伝を、はっきり覚えている。米倉斉加年が「朝鮮の味」と言いながら食べる様子がほんとうに美味しそうで、これがきっかけで初めて買った。気に入ったので他人に奨めると、みんな賛同した。
     そのあと、学校の行事でキャンプをしたさい、飯盒炊飯のオカズで焼肉にジャンを使用した。校長先生が味見をして回っていたが、うちの班の焼肉だけは「これは美味しい」と絶賛し、全部食べそうな勢いを理性で止めたような様子だった。これほどだったのだ。
     だから思い出が深い。ところが、その宣伝の陰でこんなことがあったとは…彼は「私の師匠は宇野重吉」と、反骨の俳優の弟子だと誇っていたが…

    f0133526_14302631.jpg



    [PR]
    by ruhiginoue | 2017-01-13 14:27 | 芸能 | Comments(12)
     ゴールデングローブ授賞式で非難されたのが面白くないからと、トランプ次期アメリカ合州国大統領は、そのメリル ストリープを「過大評価された女優だ」こき下ろしたそうだが、そのように政治的な問題よりずっと前から、メリル ストリープって何であんなに高く評価されているのか不可解だった。
     もちろん、その出演作のほとんどが趣味に合っていなかったということもあるが、その芸も特筆すべきというほどだと感じなかった。しょせん趣味の問題だろうが。

     このメリル ストリープとロバート デ ニーロは、どちらも今はトランプを非難しているが、どちらもかつて『ディアハンター』なんていう映画に出ていた。アカデミー賞作品だが、アメリカ兵がやっていた虐殺を北ベトナム兵がやっているように描くトンデモ映画だった。

     一方、ベトナム戦争映画『地獄の黙示録』の主演者マーチン シーンは、息子が主演したベトナム戦争映画『プラトーン』の監督オリバー ストーンが続けて作った『ウォール街』で共演もしているが、この時の役と同じように反権力の気骨を示すことが目立つ。
     そして、戦争反対や公害企業に抗議のデモや座り込みに参加し何度も逮捕されているし、反対運動で銃撃されそうな人に付き添い、芸能人と一緒ならテレビに映るということで、自分も危険にさらしながら身体を張って守ったことがある。
     このようなことが続いたので、マーチン シーンは役を降板させられそうになったこともあった。

    f0133526_11472306.jpg

     それとは大違いのメリル ストリープは、受賞式の場で綺麗な言葉で反対勢力に沿いながら安全に批判してみせ賛辞を受けた。そんな器用な人は尊敬しない。
     そうした器用な人に便乗し、彼女はエライねえと言うことで自分も何か意味のあることをしたような態度の人たちもいる。特に醜いのがそうした日本の芸能人たちである。トランプという億万長者が政治権力まで手にした人だからと擦り寄るのも、セレブのスターがリベラルそうにしているからと便乗するのも、まったく同じことだ。
     どちらも、自分の意見が持てないとか発言する勇気が無いとか、主体性がないことでは同じなのだから。



    [PR]
    by ruhiginoue | 2017-01-12 11:34 | 映画 | Comments(0)