コメントの他に、表示されている著書をクリックしてその感想をアマゾンのレビューに投稿してくださることも歓迎です。おたよりはこちらへruhiginoue@excite.co.jp


by ruhiginoue

<   2017年 04月 ( 29 )   > この月の画像一覧

 小学校低学年の当時、もっとも嫌いな科目は算数と音楽だった。なぜなら記号が苦手だったからだ。なんでこんな書き方をわざわざするのかと不可解だったことが原因だ。意義がわからなければ受け容れにくいものだ。
 これを学校の教師に質問しても、とにかく授業でやることだという返答しかなかった。たまたま教師のめぐりあわせが悪かったのかと思ったら、他の学校に行っていた人に訊くと、同じようなものだったそうで、どこも大体そうではないかと言われた。そうでない例外的な教師に出会った人は少数の幸運な人なのだろう。

 また、小学校の理科で地球も太陽もそのほかの星も宇宙にあるという話なので、では「宇宙はどこにあるのか」という質問をしたら「無限」だという教師の答えだった。
 そんな答えでは何も学校で教師に教わる必要がない。SFアニメでも観ればいい。最初に「無限に広がる大宇宙」とナレーションがあったりする。
 
 さらに、高校の数学で、担当の教師に質問していると「おまえは大学に行って数学を専門にしたりフィールズ賞を獲ったりしたいのか?今度の試験で赤点にならなければいいんじゃないのか」と言われたが、これでは単位を取るためだけで面白くない。
 
 ところが、アイザック=アジモフの本を読むと、宇宙がどこまで続くかは解らないと書いていた。それは、大陸の真ん中にいても人間の大きさならその先に行って海があるなどを知ることも可能だが、蟻だったら無理だ、というのと同じで、宇宙に比して人間の大きさでは無理ということだ。
 これなら納得だった。少なくとも学校の理科の教師よりは、ちゃんとした説明だった。

 そして音楽の記号も、伊福部昭の本を読むと、これは楽譜に記載するためだと書いてあった。わざわざ記号にしたり外国語まで使用するが、そうやって共通の表現を決めて使用すれば、他人に伝えることが容易で正確になり、外国人でも解かる。これは録音が無かった時代にはもっと重要だった。
 これなら納得だ。ただ授業で習うのだから憶えなさいという教師より、ちゃんとした説明だ。

 とにかく、学校で習うことも納得できないから親しめないということが多いし、苦手というのも個人的な体験からの偏見だったりする。
 もちろん、全体的に勉強が好きでない人なら、特にめんどくさいと感じる科目に嫌悪感を抱くということもある。
 例えば、曽野綾子が数学の特に難しくないものを、学校に無用だ自分も必要じゃなかったとかギャーギャー言っていたが、ただ手前が苦手だっただけという情けない話だろう。
 それと同じで、百田尚樹も漢文と中国の悪口とこじつけて学校の授業からなくせと喚いているが、ただ学校で苦手だっただけだろう。
 勉強ができなくて小説家になった人が、できる人の邪魔をしてはいけない。

 それに、小説で食えるならそれで満足していればいい。先日、歌手の宇多田ヒカルがタクシーに乗っているとき発声のウォーミングアップをしていたら、彼女だと気づかない運転手に歌手志望かと言われたことが話題だったが、アイザック=アジモフはタクシーに乗っているとき「運転手しながら小説を書いている。SF作家になりたい」と言われ「SFはやめときな。食っていけないよ」と忠告したら「でもアイザック=アジモフは食ってますぜ」と言われたそうだ。

 あと、フィールズ賞数学者の広中平祐は、八十年代に時の中曾根総理から教育改革について意見を求められたら「スペインに優秀な学者が少ないのは、フランコ政権時代に大臣や官僚たちが内政にも外交にも口を出せないので教育に口出したからだ」と凄い皮肉のようなことを言っていた。
 たしかに、独裁政治は教育に干渉するものだが、これは同時に、教育にしか口出せなくなるということでもある。

 そのうえ、独裁政権が有名人を利用したら、その人実は勉強の苦手な人で、なのに教育に口出しということになるから、とても困ったことになるのだ。
 



[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-09 20:51 | 学術 | Comments(6)
 今話題の「忖度」という言葉は日本的で外国語に翻訳しにくいとかできないとか言われて国際的に話題である。

 この言葉は、最初に英訳されたとき「(想像に基づいて)(…を)推量する、推測する、推量する、思う」という意味の"surmise"とされたが、これだけでは言葉のもつニュアンスが表現できていないという指摘もされた。

 そしてドイツ語には、"unausgesprochene Anweisung"(発言なしの指示)、あるいは"vorauseilender Gehorsam"(先回り服従)という表現があり、これは「権力者の直接的な命令に対する服従ではなく、権力者が期待する行動を下位者が自主的に推測して行う服従」という意味で、これに、今の政治問題に出ている「忖度」は該当するという指摘がされている。

 ところが、これだと今の政治問題についてはそうかもしれないが、「忖度」という言葉の持つ元々の意味のすべてを言い表していないという意見もある。つまり、悪い意味だけになってしまうということだ。

 それで思い出したのが、あの田中角栄総理の話だ。かつて彼は近所の人から、たしか風呂場のことだったが、とにかく自宅の設備が壊れてしまい困っているという相談をされ、そこで彼は仕事がら業者に詳しいから、そちらへ話して修繕できるように手配してあげると言った。
 「ただ…」と相談した人はそこで言いかけた。すると田中角栄氏は「わかった!」と強い調子で言って遮り、「ワシから依頼するのだから立て替えておく」と言った。

 これはもちろん、相手が費用がいくらになるかと気にしているわけで、このことは言わなくても判るということだ。
 そして、続けて出てくる「支払いが心配だ」とか、まして「金がない」なんてことは、誰だって恥ずかしかったり惨めだったりするに決まっている。
 だから田中角栄は言わせなかった。もう察していることは手間を省いたほうが効率が良いし、相手の気持ちも普通に感覚を持っていれば理解できる。

 このように、金とか力を持っている側が、そうでない相手のことを思いやってのことなら、日本人が昔からもっている美徳である。
 それがいつの間にか、逆に弱者が強者の顔色を伺うという意味に変わってしまった。
 だから、「忖度」という言葉を、今の政治問題になっている意味だけに解釈されては嫌だと感じる人たちがいるのだろう。




[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-08 20:44 | 社会 | Comments(2)
 八十年代に週刊文春が騒ぎ立てたことから始まった「ロス疑惑」のせいで渦中の人となった三浦和義氏は、芸能人の家系であったことから本人も芸能人っぽく、それで週刊誌とワイドショーに大騒ぎされた。小さいころは子役として映画に出演していたが、その作品はすべて水ノ江タキ子が関係するものだった。彼女が言うには、甥の三浦和義の方から興味をもって出たいと言ったらしいが、どうも芸能が性に合わないと感じて途中で嫌になってしまったと三浦氏は言っていた。

 また、水ノ江タキ子は、映画会社のオーディションに落ちてしまった石原裕次郎を売り出すのに協力したそうで、そのため三浦氏は子供のころ、デビュー前の石原裕次郎に遊んでもらったことがあり、またその兄の石原慎太郎が運転する車に乗ったこともあり、信号無視しまくるなど凄い運転だったと言っていた。

 その石原慎太郎は都知事時代の責任逃れで醜態をさらしていて、「ロス疑惑」をモデルにした映画『三浦和義事件』で主人公を演じた高知東生は引退したのち覚醒剤使用で執行猶予付き有罪判決を受け、三浦氏はアメリカで拘束されたのち自殺したとされたが、あちらのやり方で暗殺されたのではないかと今も言われている。

 ところで、「ロス疑惑」の当時、あれではまるで筒井康隆の小説『俺に関する噂』だといわれた。一般人が突然マスメディアから私生活を面白おかしく騒ぎ立てられ見世物にされてしまうという話で、ずっと後のジムキャリー主演の映画『トゥルーマンショー』に先駆けたような内容だった。
 この話について三浦氏と直接話す機会があったのだが、あの当時、筒井康隆からモデルにした小説を書きたいという打診を受けたと言っていた。そして、自分はよいが家族とくに子供に影響しないように配慮するなら承諾する、という条件を提示したのだが、すると筒井氏はそれについて自信が無いようだったと三浦氏は言う。そして小説化の話は実現しなかった。

 こうしたことが過去にあったので、後に短編小説が教科書に使用され病気についての記述で患者団体から苦情が寄せられたさいの筒井氏の対応のまずさに、筒井氏は自分が書いて発表したものに対する社会の反応はどうなるのかという問題について考えることが苦手なのだろうと思った、と三浦氏は言っていた。

 そして、三浦氏の言っていたとおりではないかという騒動が、また起きた。今度はTwitterで、問題になってすぐに削除したとのこと。
 


f0133526_19390486.jpg


[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-07 20:23 | 文学 | Comments(7)
 フリーランス記者から厳しい質問を受けて会見場から「自主避難」した今村復興大臣は、原発事故の被災者は自己責任の自主避難だと言った。国策である原子力発電の事故が原因であっても国の責任ではなく勝手にしろというわけだ。

 これはアメリカでも同じだった。かつてレーガン大統領は、その金持ち優遇政策で激増したホームレスたちについて、好きで道端に住んでいる人たちだと言い放った。

 ところで、今村復興相が逆ギレしたさい締めていたことで話題の「ヱヴァのネクタイ」とその背景だが、これはそのアニメ映画にからんで贈られたもので、その会社は商売で権力に媚びているという指摘がされている。
 それで、そのアニメの予告編のように「サービス、サービス」ということで気恥ずかしくても我慢というわけなのだろう。 

 このように原発がらみなど大きな金が動けばより大きなプロバガンダが利用され、かつて大ヒットしたアニメと提携することになる。
 そうなると、一昔前の「いわさきちひろの孫が書いた絵本」など相手にされなくなる。あのプロバガンダ絵本も、はすみとしこの「そうだ難民しよう他人の金で」と同様に「避難して援助を受けるのではななく帰れ」だった。

 だから批判されていたし、共産党員たちの中にも「血統は関係ない」と言う者たちがいたが、そうでない盲従隷属党員たちもいて「いわさきちひろ先生と松本善明先生のお孫さんでいらっしゃる」と媚び、さらに批判する者たちにヒステリックな攻撃をして、宣撫工作に見事に乗せられ踊らされる醜態をさらしていた。

 しかし、絵本ごときで大ヒットアニメには敵わない。これだから、媚びて利権のオコボレにあずかろうというみっともない真似はやめたほうが賢明なのだ。

 こうしてみると、大臣も大臣だが、それが偉そうにしていられる背景には、色々なものが存在していることがわかる。



[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-06 21:19 | 政治 | Comments(7)
 このところデタラメの垂れ流しが悪化の一途の『産経』だが、今度はアニメ映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』に登場する宇宙人のガトランティス帝国を「野蛮な中韓のメタファー(隠喩)」などと書いており、ファンからは「中韓とは何ら関係ない」「牽強付会が強引すぎる」「制作陣に失礼だ」と批判を浴びている。
 おそらくこう書けば喜ぶオタクネトウヨが一定いるので、そのウケを狙ったのだろう。
 
 しかし、すでに指摘があるように、「ガトランティス」は39年前の1978年に劇場公開された映画『さらば宇宙戦艦ヤマト』に登場した敵方で、この当時は今のような「中韓」ヘイトの流行はなく、「ガトランティス」は明確にアメリカがモデルであり、そのビルが林立する要塞都市はニューヨークの摩天楼を意識したデザインとなっていて、そこから出撃する宇宙艦隊を指揮するのは「バルゼー提督」といい、これは実際の戦艦大和を撃沈した戦闘の指揮をとったアメリカ軍のハルゼー提督をもじったネーミングである。

 そもそも『宇宙戦艦ヤマト』の一作目は、軍国主義時代の日本をモデルにした地球が、当時は同盟関係であったナチス・ドイツをモデルにしたガミラス帝国と戦い、続編の『さらば宇宙戦艦ヤマト』では、戦後の復興をする日本をモデルにした地球が、その目標であるアメリカをモデルにしたガトランティス帝国と戦う、というもので、この図式により、内なる敵と戦い自己矛盾を克服するのが『ヤマト』のドラマにあるテーマであった。

 さらに『さらば宇宙戦艦ヤマト』の最後に主人公は、敵に対して体当たり攻撃をする決意を述べて、肉体が消滅したら生命は宇宙と同化するので死ではないと説いた。
 これは「肉体の無と、大生命への帰一とが同時に完全融合して行はれるところの最高の宗教的行事が戦争である」という、『生長の家』の教祖・谷口雅春の言葉と同じだった。

 つまり、この軍国調の基盤にあるものは「反米」なのだが、これは『産経』にとって不都合なものなのだ。右翼活動家の中でも民族派で反米派の野村秋介が、「『産経』なんて右派ではなくアメリカ追従の自民党に媚びているだけだ」と言っていた意味が、ここにも表れているということだ。

f0133526_05082749.jpg




[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-05 20:28 | 映画 | Comments(11)
 よく個人商店に創価学会と公明党のポスターが貼ってあり、それが東京では選挙があるので今とくに目立つが、これは入会すると経営する店で会員が購買してくれるなどメリットがあるからで、信仰なんて実はどうでもよいのだ。
 この実態を知らないと「創価学会の牧口常三郎初代会長は治安維持法で獄死した。共謀罪の審議入りに加担した公明党になぜ創価学会は…」などと的外れな批判する。

 また、敬虔な創価学会員の人は「鳥居はくぐりません」と毅然として言っていたはずだが、今では公明党の幹部が平気で「日本会議」の集会に出ている。
 かつて創価学会員は信者になるよう「折伏」すると「神棚なんて燃やしてしまえ」と家から持ち出し本当に火にくべてしまう粛清をしてまわった。勧誘されて信者になった人の親が古い人で神棚に拘っていると、そこへ押しかけて力づくであった。
 これにより逆に嫌になって信者をやめてしまったという親戚がいる。

 そういうことが相次いだから、創価学会は評判が悪かった。今では組織が膨張している時期がすぎたうえ政治的に変節もしているとはいえ、公明党の幹部が日本会議に出てしまうことについて心配じゃないのかと、逆に日本会議の方に訊いてみたいものだ。

 これは『防衛医大の場合は―ドキュメント医療裁判』に出ている一つの挿話だが、創価学会員の医師が患者を宗教に勧誘するのは問題なので、集会に芸能人が来ると言って誘う。「山本リンダが来るよ」などと。
 この部分にだけ読んだ人たちは笑ってしまったそうだが、最近の「幸福の科学」に見られるように、芸能人は新興宗教にとって勧誘の最も貴重な材料である。
 
 また、小学生のとき創価学会員から勧誘をされたことがあるが、これはあくまで『人間革命』の映画のチケットをくれるというので、ありがたくいただいたというだけだった。東宝特撮映画がタダで見られるということだ。音楽も伊福部昭だったが、天理教の宣伝映画にも音楽を付ける仕事をしたので続編には声がかからなかったそうだ。
 こうした映画音楽の仕事は金のためにやっているわけで、それについて伊福部昭は信仰するのは「八百万の神」だから何でもいいと言っていたが、創価学会のほうではそうはいかないということだ。

 あと月刊誌『潮』を読んでいたので勘違いされて勧誘されたこともある。
 あの当時は本多勝一記者の連載があったから購読していただけなのだが。その後、勤め先から「朝日の記者なら朝日に書け」との業務指示で引っ越さないといけなくなり、これは他の雑誌から執筆依頼が来る記者に対して売れない記者が僻み、管理職になったら嫌がらせしただけだったようだ。アメリカの新聞や雑誌では、正社員の記者で他所から依頼が来るのは誇らしいことなのだが、日本は違うようだから情けない話だ。

 そして、フリーで創価学会系メディアを活躍の場としていた「リベラル」「左派」の記者や評論家たちが、その後は創価公明の変節によって場を失ったり合わせて変節したりという無様なことになったが、これは既に『朝日新聞の逆襲』で述べたとおり。

 とにかく、今では創価学会に「平和」とか「人権」で期待しても無駄ということだ。それに小池知事と一緒のポスターである。「小池劇場」も「小泉劇場」と同じ猿芝居であることがはっきりした。




[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-04 21:17 | 政治 | Comments(10)
 千葉大医学医学部生らによる集団強姦事件の裁判で、「重大と言い難い」と猶予付き判決になるなど、甘すぎるという批判と怒りが巻き起こっている。
 それ自体が酷すぎると多くの人にとって感じられるうえ、しかも、既に言われてきたとおりこの事件の犯人の一人が法曹界の大物一家の息子だから対応も甘くなっているようだと危惧されてきたら、判決までその通りになってしまったということだからだ。

 現実に裁判では、有力者とその家族とか、政府の仕事に関与しているとか、そんな話を特に必要でもないのに、わざわざ書面に書いたり法廷での弁論や準備期日ですることがよくあって、そうしておいてだからなんだとは言わず、しかし結果には見事に露骨に反映するもので、つまり今流行りの「忖度」ということなのだ。


f0133526_17562666.jpg




 私事だが、防衛医大の訴訟のときも、これはさんざんやられた。それでもこちらが勝訴して国は控訴しなかったし、防衛医大の内部からも加害医師に対して批判が起きていた。

 ところが、その後、防衛医大の訴訟代理人をしていた銀座ファースト法律事務所の田中清弁護士(東京弁護士会所属)は、無関係の別の訴訟で受任したという人から、訴訟について不満で結果は敗訴だったと「2ちゃんねる掲示板」に匿名で書かれたことについて事務所のホームページに「井上静事件」と題し「中傷誹謗をしている」と記載した。
 しかし、その2ちゃんねるに書かれた内容を調べてみると、銀座ファースト法律事務の中に入ったことのある人でないと知らないことが書かれていて、その所長である田中弁護士の配偶者が事務所で働いていることや、その趣味についてまで記載されていた。声楽であると具体的な記述も複数あった。こんなことは、同事務所の関係者か、法律相談や訴訟代理人の依頼および受任をした人だけだろう。

 なのに、前に敗訴させられたことがよほど悔しかったのか、その相手方だった者に濡れ衣を着せることで、その後に敗訴した別件で依頼人から文句を言われたことを誤魔化そうとした。それ以外に考えられない。
 そこで、名誉毀損で銀座ファースト法律事務を訴えたが、田中清弁護士は相談や依頼を受けた人について知らないと言い、配偶者の趣味については事実かと求釈明されても無視する。
 これについては、あの稲田防衛相の「法律相談も裁判も受けてない」を国会の中継で見ていて連想したものだ。

 そのうえで田中清弁護士は、まともに反論しないでおいて、自分が尊敬する何某とかいう人の著書の人生訓だというものの複写を提出して、これを読めば原告も揉め事を起こそうという気がしなくなるはずだと嘯いた。こんなことは抗弁でも反論でも事情ですらない体の良い悪ふざけであり、また法廷と相手方に対する侮辱でしかなく、とうてい法曹人が裁判でやることではない。
 そのうえで田中清弁護士は、自分はもと高裁判事であり退官後も政府の仕事をしている立場であると強調した。だから何だと言わないが、まさに「忖度」しろと裁判官に求めた。

 この結果、判決は「被告は訴えられたらホームページを書き変えており、もともとこう書くつもりだったことがうかがえるので違法行為ではない」というもの。これでよいなら、誰だってやりたい放題だろう。
 さらに控訴審では、ホームページのデータを提示して、錯誤により書き換えたという抗弁は虚偽であることを立証した。田中清弁護士はまさに「グーの音も出なかった」が、これに対して高裁の裁判長は法廷で、判決文を書く陪席判事に「田中先生のお立場を配慮しなさい」とニタニタしながら露骨に言い、傍聴席から怒りの野次が飛んだ。
 そして判決は、「反論しただけであって誰の名誉も棄損していない」というふざけたもの。問題になっているのは個人の実名を出して人違いをしたことだ。これを無視した。訴えの握りつぶしである。さらに、銀座ファースト法律事務が弁護士会の内規には違反していないなどと無関係なことが判決文に書かれていた。その判断をするとしても弁護士会の仕事であるし、そもそも訴訟とは何も関係がない。
 つまり、屁理屈すら捏ねられず言うに事欠いて関係のないことを書いて誤魔化したというわけだ。

 この田中清弁護士は、防衛医大の訴訟でも、問題の医師が心無い言葉で患者を傷つけたことについて、ただ「医師ともあろう者がそんなことをするはずがない」というだけで、従って「患者の虚言癖を如実に表している」と侮辱をしたが、この医師は後に千葉県で開業して患者にひどい言葉を浴びせ、薬の誤投与も指摘され、この被害者が大橋巨泉というたいへん有名な芸能人だったからマスコミに騒がれ、週刊誌さらにNHKまで取り上げたことは周知のとおり。

 また、安倍総理がデマをメルマガで流布して菅元総理を中傷して訴えられた裁判でも、嘘を流したけど他のことでそんな気がしたはずだから違法ではないという、むちゃくちゃな判決だったことも周知のとおり。
 これだって、裁判官が自ら、なんとかして今の総理大臣に媚びようと無理をやったという「忖度」だろう。

 このように、今流行りの「忖度」という言葉については、特にひどいのが裁判官であり、もっともしてはいけない立場の、他の者がやったら咎めないといけない立場の者が、当たり前のようにやっているため、社会が大変深刻な状態に陥っているのだ。




[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-03 19:06 | 司法 | Comments(3)
 学校の体育で武道があることについては、二つの問題がある。一つは安全、もう一つは良心や信条、ということで周知のとおりだ。つまり、もともと人を殺傷する技術だったから、危ないし暴力になるということで忌避されることがあるわけだ。

 かつて宗教上の理由から忌避した生徒が退学処分となって裁判になり、退学はゆきすぎだという判決があった。
 また信仰している宗教が非暴力主義を掲げているので武道に嫌悪感を持った生徒が、柔道なら素手だからと妥協したけど、剣道は武器を持つのでダメだといって先生と対立したことが報じられもした。

 そういう問題とともに、もともと体育で指導力不足の教師や講師のために身体生命に危険が及ぶことがあるけれど、特に柔道では危険が多く、骨折や脱臼をしたりの重症を負ったり頭など急所を打って死亡する事故が相次いでいる。
 このように危険が多く指導が難しいため事故もよく起きている柔道を、どうして必須科目の体育の授業に取り入れるのだろうか。

 しかも、色々な武道をしてきた人に言わせると、柔道は見物している分には面白いが、やるには武道のなかでもとくに危険が多く、しかも武道の中でもっとも喧嘩の役に立たないそうだ。
 そんな柔道に比べると、相撲のほうがやって安全なうえ身体を鍛えられて技術の応用では武道のなかで最も喧嘩にも役立つし、なにより楽しいという。

 あと、悪い冗談でしかない銃剣術の復活である。例の「髭の隊長」「ニヤケ顔した出世亡者の元自衛官」の自民党佐藤議員が「自衛隊では航空と陸上では必須だ」とか言い出したことも影響しているが、まだ自衛隊でやっていることが無駄だ。刃物同士の戦闘でもまるで役に立たないことは、とっくの昔に証明されている。
 もちろん日常の護身術としても役に立たず、棒を使うなら剣道やフェンシングの応用のほうが強い。

 あとはせいぜい無抵抗の人間を殺すことくらいだが、あの池田小学校の児童殺害事件の犯人の元自衛官は次々と子供を突き刺す手際が良かったので自衛隊で習った銃剣術を応用したのではないかと言われていた。しかし、その直後に語ることがタブーみたいになった。
 そのうち、殺人事件を起こした少年が逮捕され「学校の体育で習った銃剣術を応用した」と供述したとしても、これを勇気のないマスコミは追及できず、週刊誌がまたいつもの調子で「少年法が悪い」と騒ぐだけだろう。

 こうなるのも、現実を直視せず浅はかな思い付きだけで勝手なことを言う人たちがいて、それが幅を利かせている日本の社会が原因だ。




[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-02 19:48 | 体操 | Comments(7)
 学校法人・森友学園の国有地売却問題で、籠池泰典氏の代理人弁護士は、籠池氏が国会の証人喚問で述べた証言について自民党議員が「偽証の疑いがある」などと発言したことに対して抗議文を送り、発言の撤回を求めたことを明らかにしたと報じられている。

 「籠池氏は自己の記憶に忠実に質問に答えている」と、自民党議員が偽証罪での告発を検討していることに対して反論し、「客観的事実とかみ合っていなくても、故意がなければ偽証罪には当たらない。議員の発言は法的根拠を欠いた、籠池氏の人格と尊厳を傷つけるものだ」と指摘している。

 このことは多くの法律専門家から指摘があり、また稲田防衛相も、あの事実に反した国会答弁について訂正と謝罪をしたが記憶違いを強調しており、これは嘘とは違うということを、いくらヘボとはいえいちおう弁護士だったので、よくわかっているということだろう。

 この証人喚問は、「トカゲのシッポ」にされてたまるかという籠池氏に自民党は困ったので、最初から偽証罪に問える形式にしたようなものだから、そもそも不純な動機があった。これはもう周知のとおりだろう。

 このようなおかしなことになったのは、あの佐々淳行もと初代内閣安全保障室長が原因だ。彼はオウム真理教事件のさい「上祐を証人喚問し偽証で逮捕しろ」とマスコミで煽った。東大法学部を卒業して警察と防衛と内閣の中枢にいた者が法律にそぐわないことを言い権力の乱用と弾圧をけしかけたのが尾を引いている。

 もちろん、真に受けるほうも悪い。いまでこそ佐々もと室長は、原発事故の危機管理について嘘を流布したとして菅もと総理から謝罪と訂正を求められたし、また離婚した妻からも佐々もと室長はその人格を告発されているが、それ以前から彼の「危機管理」などマッチポンプで権力の自作自演も同然なイカサマであったし、この証人喚問にしても事実を明らかにするための制度であって人を陥れるためのものではなく、濫用は悪辣なうえ税金の無駄だから、こんな当たり前のことに気づかないほうが悪いとも言える。

 しかし、煽った責任をとってもらわないといけない。佐々もと室長は、オウム真理教に破防法は不適切で効果がないと具体的な指摘があったというのに、それに対して反論もせず、またオウムが問題を起こしたら破防法適用に賛成しなかった人が責任をとるべぎたという荒唐無稽でバカ丸出しなことまで言い散らしていた。
 だから、今回の籠池氏の証人喚問について佐々もと室長は、陰険な嘘で自民党をたぶらかし誤解と混乱を招いた責任をとらなければならない。




[PR]
by ruhiginoue | 2017-04-01 20:56 | 政治 | Comments(0)