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井上靜に関するblog(網誌)です。下記の著書を購入して支援を頂けたら助かります。下記の他は別人や海賊版なので買わないでください。Googleが誤情報を混ぜているので信じないで下さい。アマゾンのコメント欄に嘘の書評が書いてあるのは過日倒産した出版社の宣伝です。この種の輩に対抗する意味でも何卒よろしくお願いいたします。品切れのさいはご容赦ください。


by ruhiginoue
 天皇が火葬を希望していると報じられた。また、満州国皇帝の弟が死去したとも報じられた。

 満州国皇帝の戦後を描いた中国と香港の合作映画『火龍』の題名は、火葬にされた皇帝という意味で、「火」は火葬、「龍」とは皇帝を示す言葉である。
 中国の皇帝は、革命が起きて一市民となったため、祖先と違い火葬にされたということだが、そうではなくても日本の天皇は火葬を望むということだ。

 中国先代皇帝の墓は、一緒に宝飾品などを納めていたので、それを目当てに墓荒らしされ、骨に肉が残っている遺体が棺から放り出されるなど、ひどいことになった。そうした中国人に怒って、満州人の皇帝は、日本の誘いにのり傀儡の満州国皇帝の道を選んだ。
 そう記述しているのが、皇帝の家庭教師だったジョンストンという英国人の回顧録『紫禁城の黄昏』だった。この本を根拠に、戦後に戦犯の疑いで裁判にかけられた元皇帝は追及される。

 これはヨーロッパ映画『ライトエンペラー』に描かれ、ジョン=ローンふんする皇帝が、祖先の墓を暴かれたと怒ったり、ジョンストンの著書に記述してあると責められたりする場面がある。
 また、ソ連の攻撃が始まると、日本に逃げてアメリカに降伏しようと言う場面は、日本の天皇についても同様だと遠回しに批判しているし、南京事件について語られる場面もあり、日本公開の当時、配給会社が揉め事を恐れて削除したため、国際的に騒がれた。

 そして映画の公開からしばらくして天皇の代替わりがあった。そのことでテレビが一色になってしまったため、テレビがつまらないとレンタルビデオ店が大繁盛した。当時はまだビデオ入力端子を使わず2チャンネルでビデオを観る人がいたので、最高視聴率は2チャンネルだったと皮肉られた。
 また、レンタルソフトで人気があったのは、もちろん『ラストエンペラー』および『ゆきゆきて神軍』であった。

 これらの映画は観ていたが、『紫禁城の黄昏』は最近になって岩波文庫で読んだ。あまり期待していなかったが、実に面白かった。満州族より前に滅びた明の皇帝の子孫がいて、没落しているが気位ばかり高くて貧乏でいる話など、こっちを映画化してもいいくらいだった。

 そして、ジョンストンという英国人についてだが、彼は英国の官僚であり、国策で中国に赴いたにもかかわらず地元に肩入れし、それで疎まれもし、好きなことをしたいからと生涯独身でいて、回顧録を書いて話題になった、ということだからアラビアのロレンスと同じであり、それで『ラストエンペラー』でジョンストンに扮しているのがピーター=オトゥールだったのか、と納得したのだった。

  
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# by ruhiginoue | 2015-04-25 12:45 | 映画
 まだ選挙の期間中だが、今度、選挙権年齢の18歳引き下げが決まる見込みとなり、民法上の成年も18歳引き下げが議論されている。
 そこで、早く「大人」になるよう法制度面から求める動きが目立ちはじめているが、しかし世の中を見渡しても自分を省みても、果たして大人と言えるのか、そんな自身があるのか甚だ疑問というべきだ。

 これについて、あのマーチン=シーンの大統領のドラマに、官邸を見学に来た少年の場面があった。
 「なぜ子供には選挙権がないのか」と問う少年に、大統領の補佐官が答える。
 「子供には判断力が無いから」すると少年が更に問う。
 「じゃあ、大人なのに判断力がない人に、なぜ選挙権があるんですか」補佐官は回答に困ってしまう。

 判断力の無い人には色々な事情があるけれど、その中で特に多く、このため深刻であるのが、世の中に無関心の人たちだろう。

 山田洋次監督の映画『息子』で、主人公の兄は、母親が死んだ後一人になった父親と一緒に住もうとマンションを買うのだが、岩手の親戚の人たちが狭いとか言い出し「一戸建ての家を買え」「もう少しがんばれ」などと軽い調子で勝手なことを言うので、兄は「今時サラリーマンに東京近郊に一戸建ての家なんて無理」と言う。

 この映画に描かれるように、ニコニコしながら無責任なことを言う田舎の人というのは、今でも実際に田舎に行くとよく接する。それはなぜかというと、田舎の人は、世の中の動きがどうなっているのかに、まるで関心がないからだ。

 だから、選挙権の年齢を引き下げて18歳にしても15歳にしてもいいから、それより田舎をなんとかしないといけない。
  
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# by ruhiginoue | 2015-04-24 22:34 | 政治
 今、集団的自衛権を批判している柳沢協二氏。

柳沢協二氏とテレビで「共演」していたが、今では・・_f0133526_20123502.jpg

 柳沢氏とは、テレビで「共演」していた。


 防衛医大の訴訟が終わった直後、情報公開請求者リスト問題が発覚。
 当方は、防衛医大の医療がいかにお粗末かを調べていた。働き盛りの自衛官が車椅子生活にされたり、医師が実績を誇張していたり、など。

 防衛庁を代表して記者会見する柳沢氏。

 のちに防衛庁は防衛施設庁と合併して防衛省になる。

 国会で追及していた枝野議員は、官房長官になり、震災直後に大活躍する。

 当方は、医療裁判の話をしたり、原発について広瀬隆氏に話を聞いたり、今度は、孫崎享氏らが集団的自衛権を批判している公演の記事を書いており、発表は来月の予定。

 人それぞれ。しかし、世の中は、どんどん勝手に動く。

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# by ruhiginoue | 2015-04-24 21:49 | 雑感
 文部科学省が教科書配布の袋に、教科書は教育を受ける義務がある子供に国が与えているから大事にしろという、とんでもない文章を書いていた。
 こういうことは昔からある。81年の防衛白書でも、基本的人権は自衛隊が国民に与えるものであるから、国民が自衛隊に有無を言わずに協力することが愛国心だという教育を行うべきと、とんでもないことを書いてた。

 つまり、昔から今まで、日本の役人たちの発想は、役人が威張っていてあたりまえで、国民を役人が支配してるんだと言うもの。八十年代の始めどころか2015年にもになって。日本はまだ中世と変わらないということだ。

 政治家に比べると少しは勉強している人が多い官僚でさえこの程度なのだから、政治家はさらにひどい。
 このところ、慶応大学の小林節という改憲派の法学者は、しかし自民党の改憲案が滅茶苦茶すぎると批判している。彼は雑誌の鼎談で、自民党の政治家の無知に呆れていた。
 いくら、憲法は国民を縛るものではなく権力を縛るものだと説明しても、その自民党議員は「その考え方を私は採りません」と言うので、考え方ではなくもともと憲法とはそういうものだと説明するのだが、素人相手に説くのは虚しくなると言ってた。
 この自民党議員とは高市早苗だそうだ。

 これは、「アイヌは民族」ということに対し「それが学界や世界の考え方だとしても、私の考えと違う」で話が終わってしまう連中と似ているという指摘をした人もいるが、それどころではないだろう。
 すでに自然に存在しているものを、どう定義するかで頑なになるのと、最初からこうだと人が作ったものの意味を知らないのとでは、次元が違う。後者つまり憲法についての間違いのほうが、より深刻な無知というべきだ。
 
 こんなにお粗末な官僚や政治家が通用してしまう日本は、ほんとうにまずい。こうなると、他の分野にしても同様であるとみたほうがいいからだ。

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# by ruhiginoue | 2015-04-23 19:13 | 政治
 愛川欽也の戦争体験は学童疎開だったという話の続き。

 愛川欽也が学童疎開した時、親がお菓子を作って送ってくれた。原料の砂糖は、戦時中の統制で配給はなかったのだが、一部の特権的な人は入手可能で、その人から母親が着物と引き換えで手に入れた。つまり非常時で日本国民が一丸となり我慢し戦ってると言うのは嘘だったと、この時に判ったと言っていた。(承前)

 また、愛川欽也は『徹子の部屋』に出演して学童疎開の話をしたさいに、「戦争については色々な考え方があるけれども、子供の頃に戦争があった世代でありながら、戦争を軽々しく正当化している人は、きっと、私の母親に砂糖を譲ってくれたような家の子なんだろうな、と思う」と言っていた。

 彼のお母さんが送ってくれたお菓子とはカリントウだったそうで、教師に没収されないよう内緒で食べないといけなくて、しかし噛むと音がしてしまうから、内緒で食べるため口の中でふやかして食べたそうだ。美味しかったけれど、辛かったと語っていた。

 ところが石原裕次郎のうちは新興成金の特権階級だったから、戦時中でも飢えることなく汁粉とか食べていたと言うので、その時に愛川欽也は不愉快になり殴りたくなったと言っていた。
 これは、裕次郎より兄の慎太郎のほうが、より問題だろう。

 また、祖父から戦争の悲惨な体験を聞いて平和の尊さを思う人がいるけれど、その一方では、安倍総理のように祖父が戦争を推進して負けたら敵に寝返った人だったという特殊な人もいる。そういう人は祖父の体験談を聞いても、全然違う発想をして当然。

 ところが、自分も砂糖などを譲ってもらえるようにするためには、特権的な人とつながっていようと思い、特権的な人、ないしは、そういう人につながっている人を、選挙で応援したり投票したりする、という図式がある。これにより、結局は一部の特権階級だけが得をするのだと解ってはいても、それを選ばざるを得ない状態に囲い込まれる。

 だから、わかっていても、なかなか変えられない。選挙で投票する人が少ないからだという人がいるけれど、投票率が高くなったらよけいに悪くなる可能性のほうが高いかもしれない。だから、とにかく投票率を上げようではダメで、意識を持つ人たちに働きかけることが重要ではないだろうか。

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# by ruhiginoue | 2015-04-22 20:11 | 芸能